✍ 古家あきら | 2026-10-05 更新

賃貸住宅管理業の登録を確認する方法 — 管理会社の登録番号の見方と検索のしかた(全国10,197社・サイト表示85社のデータ)

先に結論です。賃貸住宅の管理会社の登録は、「番号の表示」「営業所の標識」「国土交通省の検索システム」の3つで確かめます。 大家さんから賃貸住宅の管理を請け負う事業は、賃貸住宅管理業法(賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律)の「賃貸住宅管理業」にあたります。管理する戸数が200戸以上になる会社は、国土交通大臣の登録を受けなければなりません(法3条1項、施行規則3条)。登録なしで営業すると、1年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金、またはその両方です(法41条1号)。

しょくばログという会社データベースを運営していると、不動産会社の会社概要に「宅地建物取引業 ○○県知事(3)第○○号」と並んで「賃貸住宅管理業 国土交通大臣(1)第○○○号」と書かれているのをよく見かけます。条文と国交省の公表資料で制度を整理したうえで、会社のサイトに書かれた番号を数えて見えたことを出します。

賃貸住宅管理業とは:何を請け負うと登録が要るのか

法律が決めている「賃貸住宅管理業」

賃貸住宅管理業法2条2項は、賃貸住宅管理業を「賃貸住宅の賃貸人から委託を受けて、管理業務を行う事業」と定めています。管理業務は次の2つです。

つまり、大家さん(賃貸人)から維持保全を任されている会社が、賃貸住宅管理業の中心にいます。家賃の集金だけを請け負うのは、条文のうえでは管理業務に入りません。入居者を募集して契約を仲介する仕事(宅地建物取引業)も、別の業種です。

登録が義務になるのは「200戸以上」

登録を受ける義務の線引きは、法3条1項の但し書きと施行規則3条にあります。法律は「国土交通省令で定める規模未満であるときは、この限りでない」とし、施行規則は規模を「賃貸住宅管理業に係る賃貸住宅の戸数が200戸であること」と定めています。管理戸数が200戸未満なら、登録の義務はありません。

国土交通省の案内は、この200戸について「自己所有物件の管理を除く」としています。大家さんから受託した戸数で数える、ということです。

法律の施行と経過措置

賃貸住宅管理業法は令和2年(2020年)6月19日に公布され、国土交通省の資料によれば令和3年(2021年)6月に施行されました。施行の時点で管理業を営んでいた会社は、附則2条により、施行日から1年間は登録がなくても営業を続けられました。登録の義務が動き出してから、まだ数年の制度です。

登録の中身:国土交通大臣・5年更新・業務管理者・標識

登録は国土交通大臣が行い、5年で更新する

登録は国土交通大臣が行います(法3条1項)。宅建業のように「知事免許」と「大臣免許」に分かれることはなく、賃貸住宅管理業の登録番号は、すべて「国土交通大臣」で始まります。

有効期間は5年です(法3条2項)。続けるには更新の登録が要り、更新の申請は、有効期間が満了する日の90日前から30日前までの間に行います(施行規則4条)。

営業所ごとに業務管理者を置く

賃貸住宅管理業者は、営業所または事務所ごとに、1人以上の「業務管理者」を選任しなければなりません(法12条1項)。業務管理者は、管理受託契約の内容の明確さや維持保全の実施方法の妥当性などを管理・監督する役目です(施行規則13条)。他の営業所の業務管理者を兼ねることはできません(法12条3項)。

業務管理者になれる人の要件は、施行規則14条にあります。管理業務に2年以上の実務の経験がある人で、国土交通大臣の登録を受けた証明事業(試験)による証明を受けている人、または、宅地建物取引士で国土交通大臣が指定する講習を修了した人、などです。選任しなかったときは、30万円以下の罰金の対象です(法44条2号)。

標識を掲げる義務

営業所ごとに、国土交通省令で定める様式の標識を、公衆の見やすい場所に掲げなければなりません(法19条、施行規則39条)。掲げなかったときは、30万円以下の罰金の対象です(法44条5号)。管理会社の事務所を訪ねたときに、壁や窓口に登録番号が書かれた標識があるかどうかが、番号を確かめる最も手軽な機会になります。

国交省の検索システムで調べる手順

登録簿は、国土交通大臣が一般の閲覧に供することが法8条で決まっています。ネットでの調べ方は、次のとおりです。

1. 国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」(https://etsuran2.mlit.go.jp/TAKKEN/)を開く 2. 業種の選択肢から「賃貸住宅管理業者」を選ぶ 3. 社名や所在地などの条件を入れて検索する 4. 出てきた会社の登録番号と、確かめたい会社のサイトや契約書に書かれた番号が合っているかを見る

このシステムでは、建設業者や宅地建物取引業者など12の業種が同じ入口から調べられます。賃貸住宅管理業者、マンション管理業者、宅建業者は別の欄なので、業種の選択を間違えないでください。

システムの案内には、「更新頻度は異なり、タイミングにより情報がずれることがある」と書かれています。検索で出てこなくても、その場で「無登録だ」と決めつけず、会社に登録年月日を聞くか、地方整備局に問い合わせてください。

登録番号の見方:「国土交通大臣(1)第○○○○○○号」

しょくばログが保存している会社サイトの文章から、賃貸住宅管理業の登録番号を載せている会社を数えると、表記は次の形にほぼ決まっていました。

括弧の数字と、第○号の数字

登録番号は、括弧の数字と「第○○○号」の数字の2つでできています。

括弧の数字は、宅建業の免許番号と同じ形です。宅建業では、5年ごとの更新の回数に1を足した数字と説明されます。賃貸住宅管理業の括弧の数字が何を表すのかは、国土交通省の公開資料では確かめられませんでした。ただ、数字の並び方は、保存データでは次のとおりでした(85社)。

賃貸住宅管理業法が施行されたのは2021年6月なので、最初の5年の更新は2026年6月以降です。それでも(2)の会社が40社あるのは、制度の前から登録を持っていた会社が含まれるのかもしれませんが、確かめられていません。括弧の数字から業歴の長さを読むのは避けたほうがよさそうです。

もう1つの数字は、表記に幅がありました。「第005648号」のように6桁以上で書く会社が59社、5桁以下の短い書き方(「第8204号」など)が26社です。先頭に0をつけた「(01)」「(02)」が39社、つけない「(1)」「(2)」が46社でした。桁や0の有無は会社ごとの書き方の違いなので、検索システムで照合するときは、数字の部分で探すのが確実です。

全国の登録数は10,197社:令和7年度末の数字

国土交通省が令和8年6月5日に公表した「賃貸住宅管理業者等への全国立入検査結果(令和7年度)」によれば、令和7年度末時点の賃貸住宅管理業者の登録数は10,197社です。

同じ資料で、立入検査の結果も公表されています。

参考までに、分譲マンションの管理会社の登録は、マンション管理適正化法という別の法律に基づきます。マンション管理会社の調べ方では、本店の所在地で数えて1,733社でした。数え方が国交省の10,197社とは違うので、件数の大小は比べないでください。

会社のサイトに番号は書かれているか:85社のデータ

しょくばログが保存している会社の公式サイトの文章(31,159社)で、「賃貸住宅管理業」に触れている会社と、登録番号を載せている会社を数えました。

言葉が出てくる95社のうち、番号を読み取れなかった10社を目で確かめると、番号が入っていないのは7社でした。行政書士の事務所が「賃貸住宅管理業登録の申請代行」を案内しているページ、法律事務所の記事一覧、「登録が完了しました」というお知らせだけのページ、業務管理者の要件を説明するページ、業種を並べただけの会社紹介などです。残りの3社は、「登録番号 国土交通大臣(1)第190号(賃貸住宅管理業者)」のように、業種名が番号の後ろに来る書き方で、番号が書かれているのに、機械的な抽出から漏れたものでした(1社は、宅建業の免許番号と並んでいて、どちらの番号か読み分けられませんでした)。表記は会社ごとにまちまちなので、85社は「確実に読み取れた数」で、実際はもう少し多いと考えてください。

85社を、法人データベースで調べると、次のとおりです。

全国の登録は10,197社で、保存データで番号が確認できた85社はその約0.8%です。ただし、保存しているのは会社のトップページや会社概要などの一部のページです。サイトで番号が見つからないことと、登録がないことは別の話です。無作為に30件を目で確かめたところ、ほとんどは会社概要の「登録・許認可」の欄に書かれた自社の番号でした。

宅建業の免許と並べて書く会社が多い

賃貸住宅管理業の登録番号を載せている85社のうち、同じ会社のサイトの文章に宅地建物取引業の記載もある会社は81社(95.3%)でした。そのうち、免許番号まで読み取れた会社が70社(82.4%)で、内訳は次のとおりです。

宅地建物取引業に触れている会社(668社)の側から見ると、賃貸住宅管理業の番号も載せている会社は81社(12.1%)です。賃貸の仲介と管理を両方行う会社は、2つの番号を並べて載せますが、宅建業に触れている会社のうち、管理の登録番号も載せているのは約8社に1社でした。

ここで混乱しやすいのが、番号の形が似ていることです。宅建業は知事免許と大臣免許があり、賃貸住宅管理業の登録は必ず国土交通大臣です。仲介の免許が知事免許の会社でも、賃貸住宅管理業の登録は国土交通大臣です。「東京都知事(9)第50706号」と「国土交通大臣(1)第10007号」が並んでいても矛盾しません。照合するときは、「賃貸住宅管理業」と書かれた欄の番号を見てください。

登録番号のある85社のうち、マンション管理業の登録番号も載せている会社は17社(20.0%)でした。マンション管理業と賃貸住宅管理業は法律も登録簿も別です。宅建業の免許の見方は不動産会社の免許番号の見方に、ほかの業種の許認可は会社の許認可の調べ方にまとめています。

社名から「管理会社かどうか」は分かるのか

登録番号のある85社の社名を見ると、社名に「管理」が入っている会社は1社(1.2%)だけでした。「不動産」が入る会社が8社(9.4%)、「住宅」「ハウス」「ホーム」のいずれかが入る会社が13社(15.3%)です。社名から、賃貸住宅管理業の登録を持っているかどうかは分かりません。これは、マンション管理会社の登録でも、社名に「管理」が入るのは1割ほどだったのと似た傾向です。

法人データベースで、社名に管理系の言葉を含む会社(株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社)を数えると、次のとおりです。

会社全体の閉鎖率は13.5%(5,160,002社のうち699,039社)です。「管理」を含む会社は全体とほぼ同じ、「不動産管理」は低め、「プロパティ」は高めです。「プロパティ」は、現存する2,409社のうち不動産業の分類が29社しかありません。社名の「プロパティ」「管理」は、賃貸住宅の管理会社であることの手がかりになりません。名前で探さず、番号と検索システムで確かめます。

確認の手順(まとめ)

1. 管理会社のサイト、重要事項説明書、契約書、営業所の標識で、「賃貸住宅管理業 国土交通大臣(n)第○号」の番号を探す 2. 番号が見つかったら、国土交通省の検索システムで「賃貸住宅管理業者」を選び、社名や番号が一致するか確かめる 3. 番号が見つからないときは、管理戸数が200戸未満の小規模な会社である可能性もあるので、会社に管理戸数と登録の有無を聞く。登録の対象なのに番号がない場合は、契約の前に確かめる 4. 会社そのものの実在は、会社の実在と倒産の確認で、法人番号と登記の状況を見る。法人番号の探し方は法人番号とはにあります 5. 処分歴が気になるときは、行政処分の調べ方で探す

番号の書き方が決まっている例としては、旅行業の登録の確認方法や建築士事務所の登録の調べ方も参考になります。

よくある質問

賃貸住宅管理業の登録は誰でも調べられますか?

調べられます。登録簿は一般の閲覧に供することが法8条で決まっていて、ネットでは国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」で、「賃貸住宅管理業者」を選んで検索します。更新のタイミングで情報がずれることがあると、システムの案内にあります。

管理戸数が200戸未満の会社は無登録でも営業できますか?

法3条1項の但し書きと施行規則3条により、賃貸住宅管理業に係る賃貸住宅の戸数が200戸未満なら、登録の義務はありません。ただし、200戸という数え方は、大家さんから受託した戸数が対象で、自己所有の物件の管理は含みません。戸数の増減で義務の有無は変わるので、「登録がない」と「違法」は、管理戸数を知らないと結びつけられません。

登録番号の括弧の数字は何を表しますか?

宅建業の免許番号では、5年ごとの更新の回数に1を足した数字と説明されます。賃貸住宅管理業の括弧の数字の意味は、国土交通省の公開資料では確かめられませんでした。保存データでは(1)が45社、(2)が40社で、3以上はありません。業歴の長さを読む材料にはしないほうが安全です。

宅建業の免許番号と、賃貸住宅管理業の登録番号は同じですか?

別の番号です。宅建業の免許は知事免許と国土交通大臣免許に分かれ、賃貸住宅管理業の登録はすべて国土交通大臣の登録です。賃貸の仲介と管理を両方行う会社は2つの番号を並べて載せることが多く、保存データでは、管理の番号を載せた85社のうち81社が宅建業にも触れていました。照合するときは、「賃貸住宅管理業」の欄の番号を使ってください。

管理会社が登録を受けているかを調べるのと、マンション管理会社を調べるのは同じ方法ですか?

入口は同じ検索システムですが、業種の選択が違います。アパートなど賃貸住宅の管理は「賃貸住宅管理業者」、分譲マンションの管理組合から請け負う管理は「マンション管理業者」です。法律も別で、片方の登録があってももう片方があるとは限りません。分譲側はマンション管理会社を調べる方法にまとめています。

データについて

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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