✍ 古家あきら | 2026-09-25 更新

マンション管理会社を調べる方法 — 国交省の登録1,733社を数えたら、社名に「管理」が入るのは1割だけだった

先に結論です。マンション管理会社がきちんと登録された業者かどうかは、国土交通省の「マンション管理業者 検索」で社名を入れれば確認できます。 マンションの管理組合から委託を受けて管理の仕事をするには、国の登録が法律で義務づけられているので、ここに出てこない会社は、少なくとも「マンション管理業者」ではありません。

しょくばログという全国の会社データベースを運営していると、「今の管理会社を変えたい」「管理会社の求人に応募したい」「管理会社から見積もりが来たが、どういう会社か分からない」といった場面で、管理会社の素性を確かめたい人がいることが分かります。

そこで今回、国土交通省の検索システムで、本店の所在地ごとに登録を1都道府県ずつ数えました(2026年9月25日時点)。登録は全国で1,733社。そのうち社名に「管理」の文字が入っているのは175社(10.1%)だけで、「マンション」が入っているのは14社(0.8%)でした。 名前の印象では、管理会社かどうかは見分けられないということです。

マンション管理会社は「国の登録」が必須

マンション管理会社の確認で最初に押さえるべきは、登録していない会社はマンション管理業を営めないという点です。

マンション管理適正化法(マンションの管理の適正化の推進に関する法律)は、マンション管理業を営もうとする者は国土交通省に備える「マンション管理業者登録簿」に登録を受けなければならないと定めています(第44条第1項)。登録を受けない者がマンション管理業を営むことは禁止され(第53条)、違反には1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金が定められています(第106条)。

ここでいう「マンション管理業」は、管理組合から委託を受けて「管理事務」を業として行うことです(第2条第7号)。管理事務とは、管理組合の会計の収入・支出の調定と出納、共用部分の維持・修繕の企画や実施の調整といった「基幹事務」を含む仕事を指します(第2条第6号)。

つまり、清掃だけ、設備点検だけを請け負う会社は、それだけでは登録の対象にならない場合があります。「管理組合のお金と修繕の段取りまで任せる会社」かどうかが、登録が要るかどうかの分かれ目だと考えると整理しやすいです。

登録の有効期間は5年で、続けて営業するには更新の登録が必要です(第44条第2項・第3項)。国土交通大臣は登録簿を一般の閲覧に供しなければならないとされており(第49条)、これがネットで誰でも検索できる根拠になっています。

国交省の「マンション管理業者 検索」の使い方

実際の調べ方は次の手順です。

1. 国土交通省の「建設業者・宅建業者等企業情報検索システム」から「マンション管理業者」を開く 2. 「商号又は名称」に社名を入れる。株式会社・有限会社などは除いて入力するよう画面に注意書きがあります 3. 社名が分からなければ、登録番号か、都道府県で絞り込む 4. 結果の一覧に、登録番号・商号・代表者名・事務所名・所在地が出る。社名をクリックすると業者の概要が見られる

都道府県で絞るときは、「本店」を選ぶと本店の所在地だけ、空欄のままにすると支店や営業所の所在地も検索対象になります。試しに鳥取県で比べると、本店を置く登録業者は0社でしたが、支店・営業所まで含めると2社が出てきました。地方では「地元に本店がある会社」より「他県の会社の営業所」が管理を担っているケースがあるので、地域で探すときは空欄のまま検索したほうが取りこぼしがありません。

登録番号の括弧の数字を見る

登録番号は「(05)第010081号」のような形で表示されます。括弧の中の数字は、更新の登録を受けるたびに1つずつ増えていく数字として一般に説明されています。登録の有効期間が5年なので、数字が大きいほど長く登録を続けている会社だと読めます。

2026年9月25日時点の1,733社を括弧の数字で分けると、次のとおりでした。

半数以上が「(05)」で、制度が始まった頃から登録を続けている会社が中心です。一方で「(01)」、つまりまだ一度も更新を迎えていない比較的新しい登録も228社ありました。「(01)だから危ない」という意味ではありませんが、管理会社を比べるときに、登録を続けてきた長さの目安にはなります。

データで見たマンション管理会社の実像

ここからは、本店の所在地で数えた1,733社の中身です。

本店の4割は東京都

本店の所在地を都道府県別に数えると、上位は次のとおりでした。

東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県の1都3県だけで850社と、全体のほぼ半分になります。反対に、本店を置く登録業者が5社以下の県は18ありました。マンションそのものが大都市に集まっているので、管理会社の本店も同じように偏っているとみられます。

社名から管理会社かどうかは分からない

冒頭で触れたとおり、社名に「管理」が入る登録業者は175社(10.1%)だけでした。ほかの言葉も数えてみると、次のようになりました。

「管理」も「マンション」も社名に入っていない会社が1,552社(89.6%)で、大多数です。「◯◯コミュニティ」「◯◯サービス」のように、社名だけでは何の会社か分かりにくい名前が珍しくありません。「管理会社らしい名前かどうか」で判断せず、必ず登録を検索するのが確実です。

登記と照らし合わせると、4社は登記が閉鎖されていた

しょくばログは国税庁の法人番号データをもとに、全国の法人の登記上の名前・所在地・閉鎖の有無を持っています。そこで、登録業者1,733社を、社名と本店の都道府県・市区町村でしょくばログの法人データと突き合わせました。

1社に特定できた1,664社のうち、4社は登記がすでに閉鎖されていました(合併によるもの3社、清算の結了によるもの1社)。検索した時点でも、国交省の登録簿には名前が残っていたということです。

法律上は、合併で会社が消えた場合や解散した場合、30日以内に国に届け出ることになっており、その時点で登録は効力を失います(第50条)。登録簿の更新との時間差などもありうるので、この4社が不正に登録を続けているという意味ではありません。ただ、登録簿に名前があることと、その会社が今も存在していることは別の話です。

特に合併の場合、管理の仕事は合併先の会社に引き継がれていることが多く、契約の相手方の名前が変わっているかもしれません。管理委託契約書に書かれた会社名で登録を検索して出てこなかったら、登記のほうで合併や社名変更がないかを確かめると事情が見えてきます。合併後の会社の追い方は合併・買収された会社の法人番号はどうなるか、社名変更の追い方は会社の旧社名を調べる方法にまとめています。

処分歴を確認する方法

登録があるかどうかの次に確かめたいのが、行政処分の履歴です。

国土交通大臣は、マンション管理業者が法律に違反したときに業務の停止を命じることができ(第82条)、情状が特に重いときなどは登録を取り消さなければならないとされています(第83条)。

こうした処分は、国土交通省の「ネガティブ情報等検索サイト」で、マンション管理業者を選んで検索できます。社名で探せるので、登録の確認とあわせて見ておくと安心です。業種ごとの処分の調べ方は会社の行政処分を調べる方法に整理しています。

よくある勘違い

宅建の免許があれば管理もできるわけではない

不動産の売買や賃貸の仲介に必要なのは宅地建物取引業の免許で、マンション管理業の登録とは別の制度です。仲介は宅建業の免許、分譲マンションの管理はマンション管理業の登録と、根拠となる法律から違います。同じ会社が両方持っていることはありますが、片方があるからもう片方もあるとは限りません。仲介会社の免許の調べ方は不動産仲介会社の倒産と宅建免許の確認で扱っています。

賃貸アパートの管理会社は別の登録

賃貸住宅の管理は、2021年に始まった賃貸住宅管理業の登録制度という、また別の仕組みです。分譲マンションの管理組合から委託を受ける会社を調べたいなら「マンション管理業者」、賃貸アパートの管理会社を調べたいなら「賃貸住宅管理業者」と、検索する画面を分ける必要があります。

「管理組合が自分で管理している」場合は登録不要

区分所有者などが自分たちのマンションについて自ら管理を行う場合は、マンション管理業に当たりません(第2条第7号)。いわゆる自主管理のマンションで、理事の方が会計や修繕の手配をしていても、登録は要りません。

ほかの許認可も含めた全体像は会社の許認可を調べる方法、会社の業種の確かめ方は会社の業種を調べる方法にまとめています。

よくある質問

マンション管理会社の登録は誰でも見られますか?

見られます。国土交通大臣は登録簿を一般の閲覧に供しなければならないとされており(マンション管理適正化法第49条)、国土交通省の「マンション管理業者 検索」で、登録番号・商号・代表者名・事務所の所在地をネット上で確認できます。

検索しても管理会社の名前が出てきません。なぜですか?

まず、株式会社・有限会社などを除いた名前で入力しているかを確かめてください。それでも出ない場合は、①社名が変わった、②合併で別の会社になった、③登録の対象になる仕事(管理組合の会計や修繕の段取りを含む管理)をしていない、のいずれかが考えられます。契約書の会社名と登記の名前を照らし合わせると、どれに当たるか見当がつきます。

登録番号の括弧の数字は何を表していますか?

更新の登録を受けるたびに増える数字として説明されています。登録の有効期間は5年なので、数字が大きいほど長く登録を続けている会社です。2026年9月25日時点の登録業者1,733社では「(05)」が904社で最多でした。

マンション管理会社はどの地域に多いですか?

本店の所在地で数えると、東京都が677社で全体の39.1%を占め、大阪府177社、福岡県117社、神奈川県110社と続きます。本店を置く会社が少ない地域では、他県の会社の支店・営業所が管理を担っていることがあるので、都道府県で探すときは支店・営業所も含めて検索してください。

管理会社の経営状態まで分かりますか?

登録簿で分かるのは、登録番号・商号・代表者名・事務所などの基本的な情報です。経営状態そのものは登録簿からは読み取れないので、上場会社なら有価証券報告書、それ以外は登記の情報や信用調査会社の情報を組み合わせて見ることになります。会社がいま実在しているかの確かめ方は会社の実在・倒産を確認する方法にまとめています。

まとめ

※登録業者の数・都道府県別の数・登録番号の内訳・社名に含まれる言葉の数は、国土交通省「マンション管理業者 検索」で本店所在地を都道府県ごとに指定して検索した結果(2026年9月25日時点、合計1,733社)を筆者が集計したものです。登記の閉鎖の有無は、しょくばログの法人データベース(国税庁の法人番号公表データをもとに作成)と、社名・本店の都道府県・市区町村で突き合わせた結果です。同名の法人の取り違えがありうるため、個別の会社については国交省の検索と登記で直接確認してください。制度の説明は、e-Gov法令検索「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」によります。

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

← お役立ち記事一覧へ