✍ 古家あきら | 2026-10-10 更新

足利の給食弁当会社・助六足利ランチセンターが破産準備、売上は1.5億円から2.8億円に伸びていた──社名に「給食」を持つ会社753社は閉鎖率22.2%

先に結論です。栃木県足利市の株式会社助六足利ランチセンターが、2026年10月1日に事業を停止し、自己破産の申請準備に入ったと報じられました。負債は2025年9月期末時点で約3億2,100万円です。 給食弁当の製造・販売に加え、介護施設の給食や、病院内食堂・企業食堂の受託運営も手がけていました。

この件で目を引くのは、売上が減っていたわけではないことです。報道によると、売上は2021年9月期の約1億5,500万円から、2025年9月期には約2億8,100万円まで伸びていました。それでも、食材価格と人件費・エネルギーコストの上昇に利益が追いつかなかったとされています。

しょくばログという会社データベースを運営していると、給食の会社は社名に「給食」や地名をそのまま入れていることが多いと感じます。そこで、社名に「給食」を持つ会社を台帳で数えてみました。閉鎖済みの割合は22.2%で、全体の13.5%を大きく上回ります。

この記事は、助六足利ランチセンターの経営を評価するものではありません。報道で確認できる事実を並べたうえで、給食という業種の台帳の数字と、給食を委託する側・働く側が知っておきたい点を、一般化してまとめます。

出典:【栃木】給食弁当の助六足利ランチセンターが自己破産申請準備 年商2.81億円に回復も赤字続く、負債3.21億円(JC-NET・2026年10月10日)

報道で確認できる事実

報道に書かれている内容を、そのまま並べます。

経緯について報道は、売上の回復が利益の改善に結びつかない状況が続き、食材価格の上昇と人件費・エネルギーコストの負担増で資金繰りが限界に達した、と伝えています。

申請準備の段階で、裁判所への申請や破産手続の開始決定は、この時点の報道では確認できません。

しょくばログの台帳で見た助六足利ランチセンター

国税庁の法人番号データをもとにした、しょくばログの台帳では、次のように載っています。

事業を止めても、破産手続が終わって登記が閉鎖されるまでは、データ上は存続のまま残ります。台帳に「閉鎖」と出ていないことは、会社が動いている証明にはなりません。破産・民事再生・特別清算の違いは倒産の種類を整理した記事で説明しています。

なお、社名に「助六」を含む法人は台帳に45あります。屋号として使われやすい名前なので、取引先を特定するときは社名ではなく法人番号で確かめるのが確実です。

社名に「給食」を持つ会社は753社、閉鎖率は22.2%

台帳のうち、株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社の5種類で、社名に「給食」を含む法人を数えました。

会社の種類で分けると、株式会社が413社、有限会社が321社で、この2つでほぼすべてです。合同会社は6社しかありません。有限会社は2006年の会社法施行で新しく作れなくなった形なので、古くから地域で続いてきた会社が多い業種だと読めます。

閉鎖の数は過去から積み上がった累計で、休眠会社の一斉整理で閉鎖された会社も含みます。「最近になって給食会社が急に減った」という意味ではなく、いま台帳を切り取ったときの割合として見てください。

同じ食の仕事でも、社名に「弁当」を持つ会社の数字はお弁当屋の倒産を取り上げた記事で扱っています。

存続している給食会社は586社、上位は首都圏と大阪

閉鎖されていない586社を都道府県別に並べると、次のとおりです。

栃木県は10社でした。

会社以外の「給食」法人も多い

5種類の会社以外にも、社名に「給食」を含む存続中の法人が284あります。多くは協同組合などで、市町村ごとの学校給食協同組合や、県の学校給食会が並びます。学校給食は、会社だけでなく組合や公益法人が担う部分が大きい分野だと、台帳からも分かります。

給食を委託する側が見ておきたい4つのこと

給食は、止まると利用者の食事そのものが止まります。介護施設や病院、社員食堂を委託している立場で、一般化して整理します。

1. 売上が伸びている相手でも安心しきらない

今回の報道では、売上は約1.8倍に増えていました。給食は食材と人の比率が高い仕事で、単価を上げられないまま受託先が増えると、忙しくなるほど苦しくなることがあります。外から見える手がかりは取引先の信用の調べ方で整理しています。

2. 契約単価の見直しに応じる余地を持つ

食材費や光熱費が上がっているのに、何年も同じ単価のままという契約は少なくありません。値上げの相談が来たときに一律に断るのではなく、内訳を聞いて話し合えるかどうかで、委託先が続けられるかが変わります。

3. 止まったときの代わりを平時に考える

介護施設や病院の食事は、1日も欠かせません。委託先が急に止まったときに、どこから食事を手配するか、厨房をどう使うかを一度紙に書いておくと、いざというときに慌てずに済みます。取引先の探し方は会社の取引先の調べ方でまとめています。介護事業所の運営法人の確かめ方はこちらの記事にあります。

4. 働く側は、給与の立替払制度を知っておく

報道では、2026年8月の求人票で80人が働いていたとされています。勤め先が倒産して給与が払われないときには、国の未払賃金立替払制度があります。仕組みは給料が遅れる会社の記事で説明しています。

運営者として思うこと

この件でいちばん考えさせられたのは、「売上が伸びていた」という一点です。倒産のニュースは売上の減少とセットで語られがちですが、給食のように原価が重い仕事では、伸びていても資金が足りなくなることがあります。

数字の上では、新しく入ってくる会社が少なく、古くから続く会社が多い業種です。地域の病院や施設、職場の食事を支えている会社が多いからこそ、委託する側も「いくらで頼んでいるか」を一度見直す価値があると思います。

よくある質問

助六足利ランチセンターは倒産したのですか?

報道によると、2026年10月1日に事業を停止し、自己破産の申請準備を弁護士に一任しています。裁判所への申請や破産手続の開始決定は、この記事を書いた時点の報道では確認できていません。

しょくばログで見ると、もう閉鎖になっていますか?

2026年10月10日時点の台帳では、登記は閉鎖されておらず存続のまま載っています。破産手続が終わり、登記が閉鎖されてから反映されます。

給食会社はどのくらい減っているのですか?

社名に「給食」を持つ会社753社のうち、登記が閉鎖済みなのは22.2%です。これは過去からの累計で、年ごとの減り方を示すものではありません。

委託している給食会社が止まったら、食事はどうなりますか?

契約は委託先との間のものなので、委託している施設や会社が別の手配を考える必要があります。契約書の解除条項や、厨房設備の所有者を確認しておくと、対応を決めやすくなります。具体的な対応は弁護士に相談してください。

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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