✍ 古家あきら | 2026-10-08 更新

採用ページの求人が更新されていない会社は募集していないのか — 募集要項1万1,950社で、更新日を書いているのは3.6%、そのうち1年以上前の日付は28.8%だった

先に結論です。採用ページの求人が長く同じ内容のままでも、それだけで「募集していない」とは判断できません。 会社サイトの募集要項は、そもそも「いつ更新したか」を書いていないものがほとんどで、見た目だけでは「今も募集中」と「放置されているだけ」の区別がつかないからです。

しょくばログという会社データベースを運営していると、会社サイトの採用ページを大量に読むことになります。保存している会社サイト31,159社のうち、「募集要項」という見出しがあるのは11,950社(38.4%)。その募集要項の見出しから後ろ6,000字の範囲を数えると、こうなりました。

つまり、終わったら「終了」と書く会社も、ずっと募集していると書く会社も、どちらも全体の3%程度です。大半の採用ページは、募集中かどうかを本文で言い切っていません。だから「更新されていない」ことは判断材料の1つにはなっても、答えにはならない、というのがこの記事の見立てです。

「消える」と「更新されない」は別の現象

求人サイトの求人が突然見られなくなる話は、応募したい会社の求人が突然消える5つの理由で書きました。採用が決まった、掲載期限が来た、媒体の審査で止まった、といった理由で「掲載が終わる」現象です。

この記事で扱うのは逆の現象です。消えずに、何か月も同じ内容のまま残っている。 会社の採用ページでよく起きます。

このため、会社サイトの求人は「消えていない=募集中」とは限りません。採用が決まったあとも、担当者が下ろし忘れて残っている例は珍しくないはずです。一方で、人手が足りない職種を一年中募集している会社なら、内容が変わらないのはむしろ自然です。同じ「更新されていない」でも、意味が正反対になりえます。

ちなみにハローワークの求人は、ハローワークインターネットサービスの案内では、原則として受理した日の翌々月の末日までが有効期間とされています。期限のある媒体と期限のない自社サイトでは、「古いまま残る」かどうかの事情がそもそも違うということです。

会社サイトの募集要項は、更新日を書いているか

募集要項のなかに「更新日」「最終更新」「掲載日」「掲載開始」「情報更新」「公開日」「投稿日」のいずれかのラベルと日付(年・月)がある会社を数えました。

更新日を書く習慣は、会社サイトの募集要項にはほとんどありません。求人サイトでは掲載開始日が自動で表示されることが多いので、そこが大きな違いです。

日付がある434社について、いちばん新しい日付が、しょくばログがそのサイトを保存した時点(2026年6月)からどれだけ前かを分けると、こうなりました。

日付を書いている会社の3分の2は、半年以内の日付でした。日付を書く会社は、そもそも更新する前提でページを運用していることが多いのだと思います。それでも1年以上前の日付が125社(28.8%)残っていました。

年でいうと、いちばん古いものは2016年でした。日付の年ごとの数は、2026年が278社、2025年が72社、2024年が41社、2023年が18社、2022年が10社と続きます。

1年以上前の日付でも「随時募集」と書いている会社

1年以上前の日付がある125社のうち、同じ範囲に「随時募集」「通年採用」などの表記もあったのは4社でした。数としては少ないですが、日付が古くても、通年で募集している会社は実際にあるということです。古い日付だけを見て「もう募集していない」と決めつけると、こうした会社を見落とします。

「随時募集」と「募集終了」の書き方

募集要項の範囲で、締切を設けない書き方と、終わったことを示す書き方を数えました。

締切を設けない書き方(386社・3.2%)の内訳は次のとおりです(1社で複数ある場合は最初に出てきた語で数えています)。

終わったことを示す書き方(391社・3.3%)は、「募集は終了しました」「募集締切」「締め切りました」「受付を終了」「充足しました」「現在、募集はありません」といった表現です。実際に拾った例には、「現在、新卒採用の募集はありません」と書いたうえで募集要項の見出しだけを残しているもの、職種の一部だけ「応募受付を終了いたしました」と書いているもの、お知らせ欄に「新卒採用を締め切りました」と日付付きで載せているものがありました。

募集が終わっても、ページそのものは消さずに「終了」と書き足す会社があるということです。逆に言えば、何も書いていない残りの会社については、ページを見ただけでは判断がつきません。

更新されていない求人を見たときに確かめる順番

1. ページのどこかに日付がないかを探す

募集要項そのものに日付がなくても、採用ページの「お知らせ」や「新着情報」、ページ下部の著作権表示に年が入っていることがあります。会社サイト全体の更新の止まり方については、ホームページの更新が止まっている会社は大丈夫かで、著作権表示の年と本文の日付を数えています。

ただし、著作権表示の年は「サイトの更新」ではなく「表示の書き換え忘れ」で古いままのことも多いので、求人の鮮度を測る材料としては弱めです。

2. 募集要項の中身が今の制度に合っているかを見る

日付がなくても、中身から古さが見えることがあります。たとえば次のような点です。

最低賃金との関係は求人票の時給が「古い最低賃金」のまま残っていないかの見方、明示が必要な項目は求人票と実際の労働条件が違うときの見方で詳しく書いています。

3. 同じ会社が求人サイトに出しているかを見る

会社名で求人サイトやハローワークを検索して、同じ職種の求人が今も掲載されているかを確かめます。期限のある媒体に出ていれば、今も募集している可能性は高いと考えてよいはずです。

求人サイトに出ていなくても、自社サイトだけで募集している会社はあります。そのあたりは求人を出していない会社に応募できるかで整理しました。

4. 問い合わせて聞く

最後は直接聞くのがいちばん確実です。「採用ページに掲載されている○○職の募集は、現在も受け付けていますか」と一文で聞けば十分です。問い合わせフォームでもメールでも構いません。

採用ページを長く更新していない会社でも、問い合わせれば「今は募集していないが、良い方がいれば会いたい」という返事が来ることは珍しくないと思います。応募していいかどうかを迷う時間より、聞く時間のほうが短く済みます。

「ずっと同じ求人」をどう受け止めるか

同じ求人が長く掲載されている理由は、大きく分けて次の3つが考えられます。

3つ目が気になる場合は、会社の離職率の調べ方も参考にしてください。また、「急募」と書いたまま長く残っている求人については、急募の求人は危険かで、会社サイトでの書かれ方を数えています。

どの理由かはページを見ただけでは分かりません。だからこそ、「更新されていない=怪しい」とも「更新されていない=募集していない」とも決めつけず、上の順番で確かめていくのが現実的です。

よくある質問

採用ページの求人が1年以上変わっていません。応募しても無駄ですか?

無駄とは限りません。会社サイトの募集要項で日付を書いている会社のうち、1年以上前の日付でも「随時募集」「通年採用」と書いている会社はありました。迷うなら、応募前に問い合わせで募集中かどうかを聞くのが確実です。

「随時募集」と書いてあれば、いつ応募してもいいのですか?

そう書いている会社は、締切を設けずに受け付けている意思を示しています。ただし、書いた時点の意思なので、今も同じとは限りません。募集要項全体が古く見える場合は、念のため確認してから応募してください。

求人が消えずに残っているのは、人が辞め続けているからですか?

そういう会社もありえますが、一年中募集している職種や、単に下ろし忘れている場合もあります。掲載が長いことだけで判断せず、離職率や口コミなど別の情報と合わせて見てください。

会社サイトに更新日がないとき、いつの求人か知る方法はありますか?

ページ内のお知らせ欄の日付、新卒採用の年度、給与と最低賃金の関係、2024年4月以降に必要になった「変更の範囲」の記載の有無などが手がかりになります。同じ会社が求人サイトに出していれば、そちらの掲載日も参考になります。

しょくばログで、会社が今募集しているかを調べられますか?

しょくばログの会社ページでは、会社サイトや求人サイトから集めた求人情報がある場合に表示しています。ただし、集めた時点の情報なので、今も募集中かどうかは会社の採用ページや問い合わせで最終確認してください。

まとめ

数字について

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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