✍ 古家あきら | 2026-10-03 更新
ペットショップの登録番号を確認する方法 — 第一種動物取扱業の標識と、会社サイトに登録を書いていた会社(345社中25社)
先に結論です。ペットショップ、ペットホテル、トリミングサロン、ブリーダー、ペットシッター、犬のしつけ教室など、動物の販売・保管・貸出し・訓練・展示などを業として行う会社は、動物愛護管理法(動物の愛護及び管理に関する法律)10条にもとづいて「第一種動物取扱業」の登録を受けなければなりません。
登録先は、事業所のある都道府県の知事です。事業所が指定都市にあるときは、その市の長になります。登録は5年ごとに更新しないと効力を失います(13条)。
確かめ方は主に3つです。
- 店の標識を見る:18条で、事業所ごとに、公衆の見やすい場所に、名称や登録番号などを書いた標識を掲げることになっています
- 広告やサイトの表示を見る:環境省の基準省令で、第一種動物取扱業の広告には、登録番号や種別、登録の有効期間の末日、動物取扱責任者の氏名などを載せることになっています
- 登録簿を閲覧する:15条で、都道府県知事は第一種動物取扱業者登録簿を一般の閲覧に供さなければなりません
では、会社のサイトには実際どこまで書いてあるのか。しょくばログという会社データベースを運営していると、いろいろな業種の会社の公式サイトを読む機会があります。保存している31,159社のサイトを数えたところ、ペット販売・ペットホテル・トリミング・ブリーダーなど、ペット関係の言葉が出てくる会社は345社ありました。そのうち「動物取扱業」という言葉で登録に触れていたのは25社でした。
この記事では、登録の仕組みと確かめ方を条文に沿って整理し、そのあと会社サイトの書き方と、社名に「ペット」「ドッグ」を含む会社の特徴を、しょくばログのデータで見ていきます。
第一種動物取扱業の「登録」とは
対象になる動物と業種
動物愛護管理法10条でいう動物は、哺乳類・鳥類・爬虫類に限られます。畜産農業のための動物や、試験研究用の動物などは除かれます。
対象になる「取扱業」は、次のような取扱いを業として行うことです(10条1項)。
- 販売:取次ぎや代理を含みます。ペットショップ、ブリーダーなど
- 保管:ペットホテル、ペットシッター、トリミングでお預かりする場合など
- 貸出し:撮影やイベント向けに動物を貸し出すなど
- 訓練:犬のしつけ教室、訓練所など
- 展示:動物園や水族館、動物とふれあえる施設など。動物との触れ合いの機会の提供も含みます
- その他政令で定める取扱い
この区分を「種別」と呼びます。登録の申請書には、営もうとする種別と、種別ごとの業務の内容を書きます(10条2項)。1つの会社が「販売」「保管」「訓練」のように複数の種別で登録していることもよくあり、会社サイトでも種別ごとに番号を並べている例が多く見られました。
登録先は都道府県知事か指定都市の長
登録先は、事業所の所在地を管轄する都道府県知事です。指定都市にある事業所は、その市の長の登録になります(10条1項)。会社の本店の場所ではなく、事業所ごとに考える点に注意してください。
申請書には、会社の名称・住所・代表者の氏名、事業所の名称と所在地、事業所ごとの動物取扱責任者の氏名、種別と業務の内容、主に扱う動物の種類と数、飼養施設の所在地・構造・規模・管理の方法などを書きます(10条2項)。
都道府県知事は、登録を拒む理由がない限り、これらの事項と登録年月日・登録番号を「第一種動物取扱業者登録簿」に載せます(11条)。登録を取り消されてから5年たっていない、といった場合は登録を拒まれます(12条)。
5年ごとの更新が必要
登録は5年ごとに更新を受けなければ、期間がすぎた時点で効力を失います(13条1項)。更新の申請をしたのに期限までに処分が出ないときは、処分が出るまで従前の登録が効力を持ちます(13条3項)。
つまり、登録番号と一緒に「有効期間の末日」を見ることが大事です。あとで紹介するとおり、会社サイトには有効期間の末日がすでに過ぎた日付のまま載っている例もありました。
事業所ごとに「動物取扱責任者」を置く
22条で、第一種動物取扱業者は事業所ごとに、十分な技術的能力と専門的な知識経験を持つ人の中から「動物取扱責任者」を選ばなければなりません。動物取扱責任者には、都道府県知事が行う研修を受けさせることになっています(22条3項)。
犬や猫の販売には、さらにルールがある
犬や猫などを売る業者には、追加の決まりがあります。
- 現物確認と対面説明:販売の前に、事業所で動物の状態を直接見せ、対面で、飼い方や生年月日、繁殖した人の氏名などを書面か電磁的記録で説明しなければなりません(21条の4)
- 生後56日を過ぎるまで売らない:自分で繁殖させた犬や猫は、出生後56日を経過しないものを販売のために引き渡したり展示したりしてはいけません(22条の5)
- マイクロチップの装着:犬猫等販売業者は、犬や猫を取得したら、決められた期限までにマイクロチップを装着しなければなりません(39条の2)
第一種と第二種の違い
「第二種動物取扱業」という区分もあります(24条の2の2)。第一種の登録を受けるべき者を除き、飼養施設を設けて一定数以上の動物の譲渡しや保管などを行う場合で、こちらは登録ではなく都道府県知事への届出です。
ペットショップやペットホテルを商売として営む会社なら、確かめるのは第一種の登録です。
ペットショップの登録を確認する方法
1. 店の標識を見る
いちばん手早いのは、店の標識を見ることです。18条で、第一種動物取扱業者は事業所ごとに、公衆の見やすい場所へ標識を掲げることになっています。
施行規則7条で、標識は事業所の顧客の出入口から見やすい位置に掲げ、次の事項を書くことになっています。
- 第一種動物取扱業者の氏名(法人なら名称)
- 事業所の名称と所在地
- 登録にかかる第一種動物取扱業の種別
- 登録番号
- 登録の年月日と有効期間の末日
- 動物取扱責任者の氏名
事業所の外で営業する場合(出張のトリミングやペットシッターなど)は、顧客と接する職員が、胸などの見やすい位置に「識別章」をつけることになっています(同条ただし書)。
2. 広告やサイトの表示を見る
ネットで子犬や子猫を探すときは、サイトや広告の表示を見ます。環境省の「第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令」(令和3年環境省令第7号)2条で、第一種動物取扱業の広告には次の事項を載せることになっています。
- 氏名又は名称
- 事業所の名称と所在地
- 第一種動物取扱業の種別
- 登録番号
- 登録年月日と登録の有効期間の末日
- 動物取扱責任者の氏名
同じ条文で、飼いやすさや幼い時期のかわいらしさを過度に強調して、動物について誤った理解を与えるような広告もしないことになっています。
会社サイトでは「動物取扱業に関する表示」「第一種動物取扱業者標識」といった見出しで、この項目をそのまま並べている例が多く見られました。ページの下のほうや会社概要、特定商取引法にもとづく表記のページに置かれていることが多いです。
3. 都道府県・指定都市の登録簿を閲覧する
標識や表示が見当たらない、書いてある内容が本当か確かめたい、というときは、登録簿を見ます。15条で、都道府県知事は第一種動物取扱業者登録簿を一般の閲覧に供さなければなりません。
どこで閲覧できるかは、事業所の場所で決まります。都道府県の動物愛護センターや保健所、指定都市の担当課が窓口になっていることが多いので、事業所のある都道府県や市のサイトで「第一種動物取扱業」と検索してみてください。自治体によっては、登録業者の一覧をサイトで公開しています。
4. 処分歴や会社そのものも確かめる
都道府県知事は、基準を守っていない業者に勧告し、従わなければ公表や命令ができます(23条)。処分の公表先は業種ごとにばらばらなので、会社の行政処分を調べる方法にまとめています。ペット以外の許認可も合わせて確かめたいときは、会社の許認可を調べる方法が入口になります。
お店の名前しか分からない場合は、店名・サイト名から運営会社を調べる方法で運営会社を特定してから、登録や会社の情報を確かめると確実です。
会社サイトには、どこまで書いてあるのか(しょくばログの集計)
ここからは、しょくばログが保存している会社公式サイトの文章で数えた結果です。文字化けの多いものを除いた31,159社が対象です。
ペット関係の言葉が出てくる会社は345社
「ペットショップ」「ペット販売」「子犬」「子猫」「ブリーダー」「ペットホテル」「トリミング」「ペットシッター」「犬のしつけ」などの言葉が出てくる会社は345社(1.11%)でした。
ただ、この中には、ペット用品の会社や、取引先としてペット業界に触れているだけの会社も混ざっている可能性があります。345社すべてが動物を扱う事業をしているわけではない点に注意してください。
「動物取扱業」に触れていたのは25社
345社のうち、「動物取扱業」という言葉が出てきたのは25社(7.2%)でした。販売の言葉(ペットショップ・子犬・子猫・ブリーダーなど)が出てくる239社にしぼると、8社(3.3%)です。
25社は全部、該当箇所を目で見て確かめました。書き方は次のように分かれました。
- 登録番号を文章で読み取れた:18社
- 番号は書かず、別ページへのリンクだけ:2社
- 会社概要の事業目的や保有資格の一覧に「動物取扱業」と書いているだけ:4社
- 「正規登録業者」とだけ書いている:1社
25社のうち、「動物取扱責任者」の氏名に触れていたのは12社、有効期間(有効期限)の末日を書いていたのは11社でした。
種別ごとに番号を並べる書き方が多く、25社の記載では「保管」が12社、「販売」が9社、「展示」が5社、「訓練」と「貸出し」が各3社に出てきました。
有効期間の末日が過ぎたまま載っている例も
有効期間の末日を書いていた11社のうち、少なくとも2社は、その日付がすでに過ぎていました。1社は「平成34年」という、元号が変わる前に書いたとみられる日付のままでした。
登録を更新したのにサイトの表示を直していないだけかもしれません。ただ、見る側からは区別がつきません。有効期間の末日が過ぎているときは、店の標識か登録簿で、いまの登録を確かめてください。
登録番号の書き方は自治体でばらばら
読み取れた番号の形は、自治体によってかなり違いました。
- 年度・都道府県名・種別の略字が入る形(「○○東京都販第○○号」など)
- 市の名前と担当部署の略称が入る形(「○○市第○○号」など)
- 数字とハイフンだけの形、末尾に種別のアルファベットがつく形
番号の形式に全国共通のルールがあるわけではないので、「見慣れない形だから怪しい」とは言えません。迷ったら、事業所のある自治体の登録簿と照らし合わせるのが確実です。
どんな会社が書いているか
25社のサイトに出てくる言葉で見ると、ペットホテル(10社)、動物病院(9社)、トリミング(9社)、しつけ・訓練(9社)、ペットショップ・子犬・子猫などの販売(7社)、動物園・水族館・乗馬(6社)、ペットシッター(4社)でした。1社が複数に当てはまるので、合計は25社を超えます。
動物病院そのものは獣医療法の世界ですが、ペットホテルやトリミングを併設していると、保管などで第一種動物取扱業の登録を受けることになります。動物病院のサイトに登録が書いてあるのはこのためです。
法人種別は株式会社が19社、有限会社が5社、合同会社が1社でした。本社の所在地は東京都・大阪府・神奈川県が各4社で、ほかは各地に散らばっています。
社名に「ペット」「ドッグ」を含む会社
次は、国税庁の法人番号公表サイトのデータをもとにした、しょくばログの法人DBで数えた結果です。会社(株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社)に限っています。
会社全体の数字は次のとおりです。
- 登記が閉鎖されている割合:13.5%
- 現存会社に占める有限会社の割合:32.0%
- 現存会社に占める合同会社の割合:9.2%
「ペット」の会社は1,232社、有限会社が35.5%
社名に「ペット」を含む会社は1,232社ありました。
- 登記が閉鎖されている:186社(15.1%)
- 現存:1,046社
- 現存のうち株式会社:593社、有限会社:371社(35.5%)、合同会社:73社(7.0%)
有限会社の割合は会社全体(32.0%)より少し高めです。有限会社は2006年の会社法施行で新しく作れなくなったので、それより前から続いている会社が一定数あるということです。有限会社の見方は有限会社に就職するのは不利なのかでくわしく書いています。
現存1,046社の所在地は、東京都246社、大阪府114社、神奈川県78社、埼玉県61社、北海道56社の順でした。
「ドッグ」の会社は合同会社が11.9%
社名に「ドッグ」を含む会社は441社で、登記閉鎖は46社(10.4%)でした。現存395社のうち、有限会社は119社(30.1%)、合同会社は47社(11.9%)です。
「ペット」の会社にくらべて、合同会社の割合が高く、会社全体(9.2%)も上回っています。合同会社は比較的新しく作られることが多い会社の形なので、ドッグカフェやドッグトレーニングなど、犬に特化した比較的新しい会社が含まれているとみられます。合同会社の見方は合同会社に就職するのは不利なのかにまとめています。
社名に「アニマル」を含む会社は347社で、登記閉鎖は45社(13.0%)、現存302社のうち有限会社は117社(38.7%)でした。
注意点として、法人DBの登記閉鎖は、休眠会社の一斉整理などで一度にまとまって起きることがあります。ここで使っているのは、ある時点での閉鎖の割合だけです。また、社名に「ペット」とあっても、動物を扱う会社とは限りません。ペット用品の製造や、ペット保険の代理店なども含まれます。
ペットを迎える前・預ける前に見ておきたいこと
ここまでの内容を、確かめる順番にまとめます。
- 登録があるか:店の標識かサイトの「動物取扱業に関する表示」を見る。見つからなければ、事業所のある都道府県・指定都市の登録簿で確かめる
- 種別が合っているか:子犬を買うなら「販売」、ホテルに預けるなら「保管」、しつけ教室なら「訓練」の登録があるか
- 有効期間の末日は過ぎていないか:5年ごとの更新が要る。サイトの表示が古いままのこともある
- 動物取扱責任者はだれか:標識や表示に氏名が載る
- 犬や猫を買うなら:事業所で実物を見て、対面で説明を受ける(21条の4)。生後56日を過ぎているか、マイクロチップの情報も確かめる
- 会社の実在と経歴:設立の古さや登記の状態は、しょくばログの会社ページでも確かめられる
業種ごとの登録や許可の確かめ方は、ほかにも会社の業種を調べる方法や、倉庫業の登録を確認する方法などでまとめています。
よくある質問
ペットショップの登録番号はどこで見られますか?
まず店の標識を見てください。動物愛護管理法18条と施行規則7条で、顧客の出入口から見やすい位置に、登録番号や種別、有効期間の末日、動物取扱責任者の氏名を書いた標識を掲げることになっています。ネットで探すときは、サイトの「動物取扱業に関する表示」「第一種動物取扱業者標識」を探します。しょくばログの集計では、動物取扱業に触れていた25社のうち18社で、登録番号を文章で読み取れました。
動物取扱業の登録業者を検索できますか?
全国をまとめて検索できる仕組みは、法律の上では定められていません。15条で、都道府県知事が登録簿を一般の閲覧に供することになっているので、事業所のある都道府県(指定都市なら市)に当たります。自治体によっては、登録業者の一覧をサイトで公開しています。
動物取扱業の登録に有効期限はありますか?
あります。第一種動物取扱業の登録は5年ごとに更新を受けなければ効力を失います(13条1項)。標識やサイトの表示には「有効期間の末日」が載るので、その日付が過ぎていないかを見てください。サイトの表示を直していないだけの場合もあるので、過ぎていたら標識か登録簿で確かめます。
トリミングサロンやペットホテルにも登録は要りますか?
動物を預かる場合は「保管」にあたるので、第一種動物取扱業の登録が要ります。しょくばログの集計でも、動物取扱業に触れていた25社の記載では「保管」がいちばん多く、12社に出てきました。動物病院がペットホテルやトリミングを併設している場合も、登録を受けて表示している例がありました。
サイトに登録を書いていない店は大丈夫ですか?
サイトに書いていないことは、登録していないことを意味しません。ただし、第一種動物取扱業の広告には登録番号などを載せることになっているので(基準省令2条)、ペットの販売や預かりをうたうページに表示が見当たらないときは、店に登録番号を聞くか、登録簿で確かめてください。
データについて
- 会社サイトの集計:しょくばログが保存している会社公式サイトの文章のうち、文字化けの多いものを除いた31,159社。表現の数え方は正規表現ベースで、個社名は出していません。「動物取扱業」に触れた25社は、全社の該当箇所を目視して書き方を分類しています
- 業種・所在地・社名の集計:国税庁法人番号公表サイトのデータをもとにした、しょくばログの法人DB
- 制度の説明:動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)10条・11条・12条・13条・15条・18条・21条の4・22条・22条の5・23条・24条の2の2・39条の2、同法施行規則7条、第一種動物取扱業者及び第二種動物取扱業者が取り扱う動物の管理の方法等の基準を定める省令(令和3年環境省令第7号)2条(e-Gov 法令検索の API で条文を確認)