✍ 古家あきら | 2026-10-16 更新
レンタカー会社の許可を確認する方法 — 「わ」「れ」ナンバーと許可番号、法人データで見える1,315社(全国10,576事業者の12%)
先に結論です。レンタカー(車を有料で貸す営業)は、道路運送法80条1項により、国土交通大臣の「自家用自動車の有償貸渡し」の許可を受けなければ営めません。 申請先は主たる事務所を管轄する運輸支局です。許可を受けているかどうかは、次の3つで確かめられます。
- ナンバープレートの平仮名:許可を受けて貸し渡す車には「わ」か「れ」のナンバーがつきます(自動車登録規則の別表第三)
- 会社が示す許可番号:会社概要や許認可の欄に「○運輸第○号」のような番号を載せている会社があります
- 運輸支局の証明書:運輸支局は、許可を受けた会社に「レンタカー事業者証明書」を出すことができます
しょくばログという会社データベースを運営していると、「この会社は何の許可を持っているのか」を法人番号から引けないかとよく考えます。レンタカーは、運転代行より法人データから見える割合が大きい業種でした。国土交通省の集計で全国のレンタカー事業者は10,576(令和4年3月31日現在)。しょくばログの法人データで社名に「レンタカー」「レンタリース」を含む現存の会社は1,315社で、その12%にあたります。この記事では、許可の決まりと確かめ方を整理したうえで、法人データと会社サイトの文章から見えたことを数字で出します。
レンタカーの「許可」とは何か
道路運送法80条の「自家用自動車の有償貸渡し」
道路運送法80条1項は「自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない」と定めています。レンタカーは法律の言葉では「自家用自動車の有償貸渡し」です。タクシーやバスのような「運送事業」ではなく、車だけを貸して、運転はお客自身がする営業だという点が出発点になります。
同じ条文にはただし書きがあり、借りる人がその車の「使用者」になる場合は許可が要りません。車検証の使用者欄に借りる側の名前が入る、一般的なカーリースがこれに当たります。社名に「リース」「レンタリース」と入っていても、レンタカーの許可を持っているとは限らないのはこのためです。
80条2項は、貸し方が運送事業の経営に似ていると認められる場合を除いて、国土交通大臣は許可をしなければならないと定めています。つまり、許可の審査で一番見られるのは「レンタカーの形をした無許可のタクシーやバスになっていないか」です。
窓口は運輸支局
道路運送法88条により、国土交通大臣の権限は地方運輸局長、さらに運輸監理部長・運輸支局長に任せることができます。国土交通省の通達「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」(自旅第138号、最終改正は令和4年5月31日)では、許可を受けたい人は主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局長に申請するとされています。
許可の基準と、許可についてくる条件
同じ通達は、許可の基準として次の3つを挙げています。
- 申請者と役員が欠格事由に当たらないこと(刑の執行を終えてから2年たっていない人、運送事業やレンタカーの許可を取り消されて2年たっていない人など)
- 申請日の前2年以内に、運送事業に似た行為で処分を受けていないこと
- 貸す車が、対人1人あたり8,000万円以上、対物1件あたり200万円以上、搭乗者1人あたり500万円以上の自動車保険に入ること
許可には条件がつきます。利用者や取引先の立場で知っておくと役に立つのは次のものです。
- 貸渡料金と貸渡約款を、事務所の掲示・サイト・書面のどれかで借りる人に示すこと
- 運転者をつけて貸さないこと(運転者の紹介やあっせんも含む)と、その旨を借りる人に示すこと
- 自分の名義を他人に使わせないこと(名義貸しの禁止)
- 貸渡簿をつけて、貸し終えた日から2年間保存すること
- 借りる人に貸渡証を渡し、運転する人に持たせること(レンタカー型カーシェアリングを除く)
- 毎年5月31日までに、貸渡しの実績と配置車両数を運輸支局に報告すること
- 乗車定員30人以上または長さ7mを超えるバスと、霊柩車は貸さないこと
マイクロバス(定員11〜29人で長さ7m以下)を貸すには、他の車種で2年以上の経営実績があり、直近2年に使用禁止以上の処分を受けていないことが求められます。運転手つきの貸し出しで実質的に貸切バスを営む例が後を絶たない、と通達自身が書いています。
無許可で貸すとどうなるか
許可を受けずに業として有償で車を貸すと、道路運送法98条17号により100万円以下の罰金の対象です。加えて81条により、国土交通大臣は6か月以内の期間を定めてその車の使用を制限したり禁止したりできます。この使用禁止の処分に違反すると、97条により1年以下の拘禁刑か150万円以下の罰金です。
許可を確かめる3つの方法
1. ナンバーの平仮名を見る
自動車登録規則の別表第三は、ナンバーの平仮名を車の区分ごとに決めています。道路運送法施行規則52条による許可を受けた自家用自動車、つまりレンタカーに割り当てられているのは「れ」と「わ」の2文字です。
レンタカーとして登録されている車であれば、どちらかの平仮名がついています。逆に、事務所の車が普通の自家用ナンバー(「さ」〜「ろ」の多くの文字)ばかりなのに「レンタカー」をうたっていたら、許可を受けていない可能性があります。ただし、レンタカーの会社でも社用車や代車は普通の自家用ナンバーなので、貸し出す車のナンバーで見てください。
2. 会社が示す許可番号を見る
会社概要や「許認可」の欄に、レンタカーの許可番号を載せている会社があります。しょくばログが保存している会社サイトの文章で見つかった書き方は、たとえば次のようなものでした(番号は伏せています)。
- 自家用自動車有償貸渡し事業許可 東運輸第○号
- 有償貸渡許可 大運輸第○号
- 【レンタカー許可】中部運輸局愛知陸運支局 愛陸旅第○号(許可年月日つき)
番号の頭は、許可を出した運輸支局の略称になっているようです。番号を見つけたら、主たる事務所の所在地と運輸支局が合っているかを見ておくと、取り違えに気づけます。なお、番号を載せる決まりは、今回読んだ法律と通達の中には見当たりませんでした。サイトに番号がないことだけで無許可と決めつけることはできません。
3. 運輸支局の証明書や、運輸支局への問い合わせ
通達の5項は、運輸支局長が許可を受けた会社に「レンタカー事業者証明書」(80条1項の許可を受けた者であることを証する書面)を出せると定めています。取引の前に許可を確かめたいときは、相手にこの証明書か許可書の写しを見せてもらうのが確実です。
国土交通省は、運輸支局ごとのレンタカー事業者数と車両数を公表しています。一方、全国のレンタカー事業者を名前や許可番号で検索できる一覧は、今回は確認できませんでした。一覧で確かめられないときは、相手の主たる事務所を管轄する運輸支局に問い合わせてください。
全国のレンタカー事業者は10,576、車両は64万台
国土交通省「運輸支局別レンタカー事業者数・車両数」(令和4年3月31日現在)によると、全国のレンタカー事業者は10,576、車両は646,815台です。1事業者あたりにすると約61台になります。
車種別では、乗用車を貸す事業者が8,207で347,647台、トラックを貸す事業者が4,300で254,144台でした。トラックのレンタカーが全体の車両の約4割を占めています。(車種を兼ねる事業者は車種ごとに1つと数えているので、車種別の事業者数を足しても10,576にはなりません。)
同じ省の「レンタカー事業者数及び車両数の推移」を見ると、事業者数は平成19年度の6,135から増え続け、令和2年度に12,433になりました。令和3年度(令和4年3月末)は10,576で、前の年度より約1,900減っています。
法人データで見えるレンタカーの会社(しょくばログの集計)
しょくばログの法人データ(国税庁の法人番号公表データがもとです)で、社名に「レンタカー」か「レンタリース」を含む株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社を数えました。
現存は1,315社、全国10,576事業者の12%
社名に「レンタカー」を含む会社は1,119社、「レンタリース」を含む会社は417社で、両方を含む会社はありませんでした。合わせて1,536社。うち閉鎖済みが221社(14.4%)で、現存は1,315社です。全国のレンタカー事業者10,576に対して12.4%にあたります。
残りの9割近くは、社名にレンタカーと入れていない会社か、個人事業主です。自動車の販売店や整備工場がレンタカーも営む形が多いことは、次の会社サイトの集計でも出てきます。また前に書いたとおり、社名に「レンタリース」とあってもカーリースだけの会社がありえます。社名で見つけた会社も、許可は別に確かめてください。
半分が有限会社
現存1,315社の法人種別は次のとおりです。
- 有限会社:671社(51.0%)
- 株式会社:585社(44.5%)
- 合同会社:47社(3.6%)
- 合資会社:7社
- 合名会社:5社
しょくばログの法人データ全体(現存の会社442万社)では、有限会社は32.2%です。レンタカーの会社はその1.6倍の割合で有限会社でした。有限会社は2006年の会社法施行で新しく作れなくなっているので、それより前からある会社が多いことになります。有限会社という形そのものについては有限会社に就職しても大丈夫かで書いています。
閉鎖率を法人種別で分けると、株式会社が671社中86社(12.8%)、有限会社が800社中129社(16.1%)でした。データ全体の閉鎖率は13.6%なので、レンタカーの会社が特に多く閉じているわけではありません。
会社の数あたりでは山梨県が最多、東京は最少
現存1,315社の本店は47都道府県すべてにあります。数が多いのは東京90、北海道79、沖縄71、大阪66、兵庫57、千葉55、山梨49社でした。
会社の数に対する比率で見ると、順位はがらりと変わります。現存の会社1万社あたりのレンタカーの会社の数は次のとおりです。
- 多い県:山梨19.4、沖縄13.3、山形12.8、徳島9.2、岩手8.4
- 少ない都府県:東京0.84、神奈川0.93、大阪1.70、高知1.74
東京は会社の数そのものは多いものの、データ全体の24.1%が東京にあるのに対し、レンタカーの会社では6.8%でした。沖縄は逆で、全体では1.2%なのにレンタカーの会社では5.4%を占めます。観光客が車で移動する土地だということが、法人の分布にも出ています。
目を引いたのは山梨県です。山梨の現存の会社のうち、社名に「レンタカー」「レンタリース」を含む会社は49社。国土交通省の集計では山梨運輸支局のレンタカー事業者は112(令和4年3月31日現在)なので、4割強の事業者が社名にレンタカーを入れている計算になります。全国平均の12%の3倍以上です。社名を見ると「(地名)レンタカー」という有限会社がほとんどでした。なぜ山梨だけこうなっているのかは、法人データからは分かりません。
会社のサイトには、どう書かれているか
しょくばログが保存している会社の公式サイトの文章(現存の会社で文字化けのない27,256社)で、「レンタカー」という言葉が出てくるのは380社(1.4%)でした。この言葉が出てくるだけでは、その会社がレンタカーを営んでいるとは言えません。そこで、許可に触れている文章に絞って見ました。
レンタカーの許可に触れていた会社(「自家用自動車有償貸渡」「貸渡許可」「レンタカー許可」などの言葉を含む会社)は13社でした。1社ずつ中身を見ると、次のように分かれます。
- 許認可の一覧の中にレンタカーの許可を載せている会社:9社(うち許可番号まで書いていたのは6社)
- 事業目的や事業内容の一つとして「自家用自動車有償貸渡業」と書いている会社:4社
13社とも、社名にレンタカーは入っていませんでした。許認可の一覧には、自動車の整備(認証・特定整備)、古物商、一般貨物自動車運送、一般乗用旅客自動車運送(タクシー)などの許可が一緒に並んでいます。自動車の整備工場・販売店・運送会社・タクシー会社が、本業のかたわらレンタカーも営んでいる形です。整備工場の認証については認証工場と指定工場の違いにまとめました。
反対に、社名に「レンタカー」「レンタリース」を含む会社でサイトの文章が保存されていたのは23社で、許可の言葉が出てくる会社は0社でした。レンタカーを本業にしている会社ほど、許可番号をわざわざ書いていないことになります。サイトに番号がないことは珍しくないので、確かめたいときは前の3つの方法を使ってください。いろいろな許認可の名前と番号の見方は、会社の許認可を調べる方法にまとめています。
レンタカーを借りるとき・取引するときに見ておきたいこと
個人で借りるとき
- 貸し出される車が「わ」か「れ」のナンバーか
- 料金と約款を、借りる前に見せてくれるか(料金・約款を示すのは許可の条件です)
- 保険の補償額を聞いて答えられるか(対人8,000万円以上・対物200万円以上・搭乗者500万円以上が許可の基準です)
- 貸渡証を渡してくれるか
- 「運転手もつけます」と言われないか(レンタカーに運転者をつけるのは許可の条件に反します)
会社として車やトラックを借りるとき
社用でレンタカーやレンタルトラックを継続して借りるなら、相手の会社の実在と許可を一度確かめておくと安心です。法人番号で会社の所在地と設立からの経過を確かめ、許可書の写しかレンタカー事業者証明書を見せてもらいます。取引を始める前に確かめることの全体は新しい取引先を確認するときのチェック項目に、過去に行政処分を受けていないかの探し方は会社の行政処分を調べる方法にまとめています。
「レンタカーの店名」から運営会社を調べたいとき
レンタカーの店は、フランチャイズのブランド名や「○○レンタカー」という屋号で出ていることが多く、運営している会社の正式名称と違うことがあります。店名から運営会社をたどる方法は店名・サイト名から運営会社を調べる方法、相手が法人か個人事業主かの見分け方は個人事業主と法人の見分け方にまとめています。
よくある質問
レンタカーの許可は、どの法律の何という許可ですか?
道路運送法80条1項の「自家用自動車の有償貸渡し」の許可です。法律上は国土交通大臣の許可ですが、申請の窓口は主たる事務所を管轄する運輸支局です。タクシー・バスの許可(旅客自動車運送事業)や、運転代行の認定(公安委員会)とは別の制度です。
「わ」ナンバーの車なら、許可を受けた会社の車と考えてよいですか?
自動車登録規則で、「わ」「れ」の平仮名は道路運送法施行規則52条による許可を受けた自家用自動車に割り当てられています。レンタカーとして登録された車の目印になります。ただ、その許可が今も取り消されていないかまではナンバーだけでは分かりません。継続して取引するなら、許可書の写しか運輸支局のレンタカー事業者証明書で確かめてください。
カーリースにもこの許可は要りますか?
借りる人が車の使用者になる形(車検証の使用者欄に借りる側が入る一般的なカーリース)は、80条1項のただし書きにより許可は要りません。社名に「リース」「レンタリース」と入っている会社でも、レンタカーの許可を持っているとは限らないということです。
許可を受けずにレンタカーを営むとどうなりますか?
道路運送法98条17号により100万円以下の罰金の対象になります。また81条により、国土交通大臣は6か月以内の期間を定めてその車の使用を制限したり禁止したりでき、その処分に違反すると97条で1年以下の拘禁刑か150万円以下の罰金です。
レンタカーの会社を法人番号で探せますか?
一部なら探せます。しょくばログの法人データで社名に「レンタカー」「レンタリース」を含む現存の会社は1,315社で、全国のレンタカー事業者10,576の12%です。整備工場や販売店、運送会社がレンタカーを兼ねていることが多いので、社名で探しても見つからない会社は、ナンバー・許可番号・運輸支局で確かめるほうが確実です。
データについて
- 法人データ:国税庁の法人番号公表データをもとにした、しょくばログの法人データベースで、社名に「レンタカー」か「レンタリース」を含む株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社を2026年10月16日に数えました。社名に「レント・ア・カー」を含む会社は0社でした。社名にこれらの言葉を入れていない会社や個人事業主は含みません
- 会社サイトの集計:しょくばログが保存している会社の公式サイトの文章のうち、現存の会社で文字化けが0.5%を超えないもの(27,256社)を2026年10月16日に集計しました。許可に触れた13社は、すべて該当部分を目で確かめて分類しました。サイトの保存先は採用ページを持つ会社に偏っています
- 全国の事業者数・車両数:国土交通省「運輸支局別レンタカー事業者数・車両数」(令和4年3月31日現在)と「レンタカー事業者数及び車両数の推移(平成19年度〜令和3年度)」です。1事業者あたりの台数、山梨県の割合は、しょくばログが割り算した値です
- 許可の基準・条件:国土交通省自動車局長通達「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」(自旅第138号、最終改正 令和4年5月31日 国自旅第55号)を国土交通省のサイトで確認しました
- 条文:道路運送法(昭和26年法律第183号)80条・81条・88条・97条・98条と、自動車登録規則(昭和45年運輸省令第7号)別表第三を、e-Gov法令検索のAPIで確認しました
- 確認できなかったこと:許可の有効期間や更新の有無、全国のレンタカー事業者を名前や番号で検索できる公的な一覧があるかどうか、令和4年度以降の事業者数は確認していません