✍ 古家あきら | 2026-10-04 更新

古物商許可を確認する方法 — 許可番号12桁の見方と、買取・中古をうたう会社サイトの表示率(793社のデータ)

先に結論です。古物商の許可は、サイトの表示・営業所の標識・公安委員会の公開一覧の3つで確かめます。 古物商は古物営業法3条による「許可」の業種で、無許可で営むと3年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金です(法31条1号)。

しょくばログという会社データベースを運営していると、会社概要の「許認可」の欄に「古物商許可」と書いてある会社を、業種を問わずよく見かけます。買取店や中古車店だけでなく、リフォーム会社や事務機器の会社、銀行系の会社まで並びます。この記事では、条文と警察庁の統計で制度を整理したうえで、会社のサイトに書かれた許可番号を集計して見えたことを数字で出します。

古物商とは:中古品を売り買いする営業の許可

古物営業は3つに分かれる

古物営業法2条2項は、古物営業を3つに分けています。

1号と2号は公安委員会の「許可」が要り(法3条)、3号は「届出」で足ります。この記事で扱うのは、ほとんどの人が「古物商」と呼ぶ1号営業です。

何を扱うと古物商になるか

「古物」は、一度使われた物、使うために取引されたが使われていない物、それらに手入れをした物をいいます(法2条1項)。新品の未使用品でも、一度消費者の手に渡った物を買い取って売るなら古物にあたります。

許可を申請するときは、主に扱う品目を13の区分から選びます(法5条1項3号、施行規則2条)。

中古車の販売店が古物商の許可を持っているのは、自動車がこの区分に入っているからです。会社サイトに「古物商(事務機器商)」のように区分まで書いている会社もありました。

2020年から、許可は主たる営業所で1つに

申請先は、主たる営業所の所在地を管轄する公安委員会です(法5条1項)。窓口は営業所を管轄する警察署で、警視庁の案内では手数料は19,000円です。

以前は営業所のある都道府県ごとに許可が要りましたが、2020年4月1日に施行された改正で、主たる営業所の公安委員会から1つの許可を受ければよくなりました。警察庁の統計でも、この年の件数はこの制度変更の影響で大きく減ったと注記されています。

許可を確認する3つの方法

1. 会社サイトの「古物営業法に基づく表示」

いちばん手早いのは、会社のサイトを見ることです。古物商は、次の3つをサイトで公開しなければなりません(法12条2項)。

ふつうは「東京都公安委員会 第3011XXXXXXXX号」のように書かれます。会社概要の「許認可」の欄、フッター、通販サイトなら「特定商取引法に基づく表記」の近くに置かれていることが多い項目です。

ただし、常時使う従業者が5人以下の古物商と、自分でサイトを持たない古物商は、この表示を求められません(施行規則13条の2)。一方で、ネットで古物を取引する古物商(法律上の「特定古物商」)は、この免除の対象外です(警視庁の改正解説ページ)。ネットで買取や中古品の販売をしているのに、表示がどこにもないなら、決まりを守っていない可能性があります。

2. 営業所の「標識」と許可証

店舗のある古物商は、営業所の見やすい場所に標識を掲げます(法12条1項)。標識の様式は施行規則で決まっていて(別記様式第13号・第14号)、許可をした公安委員会の名称、許可証の番号、扱う品目の区分などが書かれます。

許可証そのもの(施行規則3条)は営業所で保管するものですが、取引の場で見せてほしいと頼むこともできます。出張買取で来た相手に許可証の提示を求めるのは、ふつうのことです。

3. 公安委員会の公開一覧(ネット取引の古物商だけ)

公安委員会は、ネットで取引する古物商について、氏名または名称、URL、許可証の番号を公開しています(法8条の2)。東京都公安委員会、愛知県、埼玉県、富山県、三重県のページで、一覧が公開されているのを確認しました。

ここで注意が要ります。

つまり、一覧で見つかれば許可がある裏づけになりますが、見つからなくても無許可とは決められません。 古物商全員の名簿を公開している都道府県は、今回の確認では見つかりませんでした。

許可番号12桁の見方

けた数は12

愛知県公安委員会のページは、許可証の番号を「12桁」と案内しています。しょくばログが保存している会社サイトでも、古物商の許可番号として書かれた番号を385社から取り出したところ、377社(97.9%)が12けたでした。残る8社は10・11・13けたで、書き損じか、ほかの番号が混じった可能性があります。

番号のけたが12でないときは、一度、表記の誤りを疑ってください。

先頭の3けたは地域で分かれていた(観察値)

番号の付け方を定めた条文は、法律にも施行規則にも見当たりません。警察庁や都道府県警の公式資料でも、各けたの意味の説明は確認できませんでした。そのうえで、会社サイトで「どの公安委員会か」と「番号」がそろっていた例を並べると、先頭の3けたに次のような傾向がありました。

先頭の1けたが、北海道=1、東北=2、東京=3、関東の東京以外=4、中部=5、近畿=6、中国=7、四国=8、九州=9と、地方ごとに並んでいるように見えます。これは公式の説明ではなく、しょくばログが集計して見えた傾向です。 「東京都公安委員会」と書いてあるのに先頭が「6」で始まるような食い違いがあれば、写し間違いかどうかを相手に確かめる手がかりにはなります。

しょくばログのデータで見えたこと

サイトで古物商に触れた会社は793社

しょくばログが保存している会社の公式サイトの文章(31,159社、文字化けが多いものを除く)を集計すると、「古物商」「古物営業」「古物市場」のいずれかに触れていた会社は793社でした。そのうち、

古物商に触れている会社でも、法12条2項が求める3点を、少なくとも機械で読める形でそろえていたのは半分に届きませんでした。従業者5人以下の免除もあるので、これだけで違反とはいえません。それでも、「古物商許可取得」とだけ書いて番号を出さない会社は多いというのが実感です。

公安委員会の名前で多かったのは、東京都(140社)、神奈川県(34社)、大阪府(33社)、愛知県(30社)、埼玉県(28社)でした。

「買取」「中古」をうたう会社で、許可の表示があったのは1割

サイトに「買取」「中古車」「中古品」「リユース」「下取り」などの言葉がある会社は1,672社でした。このうち古物商に触れていた会社は358社(21.4%)、公安委員会名と番号の両方を載せていた会社は167社(10.0%)です。

この1,672社には、「不動産買取」や「太陽光の電気の買取」のように、古物と関係のない「買取」も混じっています(機械的に数えると、不動産の買取に触れた会社が118社、電気の買取に触れた会社が33社)。ですから「買取をうたう会社の9割が無許可」という意味ではありません。言えるのは、買取や中古を扱うと書いてあっても、サイトだけで許可を確かめられる会社は少ないということです。

社名に「リサイクル」「中古車」を含む会社

法人データで、社名に関係する言葉を含む会社(株式会社・有限会社・合名会社・合資会社・合同会社)を数えました。

比べる目安として、これら5種類の会社全体では、閉鎖は13.5%、現存会社に占める有限会社は32.0%です。

「中古車」を社名に入れた会社は有限会社が6割近くで、2006年の会社法施行より前からある会社が多いと読めます。反対に「リユース」は有限会社がほとんどなく、合同会社が2割近くを占めます。同じ中古品の商売でも、社名の言葉で会社の世代が分かれているのが見えます。

ただし、古物商の許可は個人でも取れます。個人で許可を受けた古物商には法人番号が付かないため(国税庁の法人番号の説明)、法人データで追えるのは法人の古物商だけです。全国の許可件数のうち法人と個人がそれぞれ何件かは、警察庁の概況には載っていません。

全国の許可は61万件、5年で4割増

警察庁「令和7年中における古物営業・質屋営業の概況」によると、2025年末の許可件数は615,194件(古物商614,118件、古物市場主1,076件)で、前年より42,170件増えました。

2021年末から2025年末で、約1.39倍です(しょくばログが計算)。フリマやネット買取の広がりと重なる伸び方です。同じ年、質屋の許可は2,387件で、古物商は質屋のおよそ250倍の規模です(質屋営業許可を調べる方法)。

2025年の行政処分は874件で、内訳は許可の取消11件、営業停止8件、指示855件でした。取消は前年の3件から増えています。古物営業法違反の検挙は19件・12人で、そのうち無許可営業は7件・7人でした。

確認するときによくある勘違い

「古物商許可がある=信用できる会社」ではない

古物商の許可は、欠格事由(法4条)に当たらないことを確かめたうえで出る許可です。経営の健全さや、買取価格の適正さを保証するものではありません。埼玉県と愛知県も、一覧への掲載は信用の保証ではないと書いています。会社としての実在や経営の状態は、会社が実在するか確かめる方法のように別に確かめます。

「確認義務」は別の話

「古物商 確認義務」で調べると出てくるのは、古物商が買い取るときに、売り手の住所・氏名・職業・年齢を確かめる義務です(法15条)。これは古物商の側の義務で、この記事で扱った「お客さんが古物商の許可を確かめる」話とは別です。買取に身分証を求められるのは、この決まりがあるからです。

不用品回収は古物商では足りない

「古物商許可」をうたう不用品回収業者は多いのですが、家庭のごみを回収するには、市町村の一般廃棄物の許可が別に要ります。古物商の許可で引き取れるのは、売り物になる古物だけです。詳しくは不用品回収業者の許可を確認する方法にまとめました。

確認の手順(まとめ)

1. 会社サイトで「古物営業法に基づく表示」「許認可」の欄を探し、公安委員会名と12けたの許可番号を控える 2. ネットで取引している業者なら、その公安委員会の公開一覧で、名称・URL・番号が一致するか見る 3. 店舗や出張買取なら、標識や許可証の提示を求める 4. 会社名が分かったら、法人番号で所在地や設立の時期を確かめる(法人番号の調べ方)。サイト名や店名しか分からないときは、店名・サイト名から運営会社を調べる方法が使えます 5. ほかの許認可もまとめて確かめたいときは、会社の許認可を調べる方法を参考にしてください

よくある質問

古物商の許可は誰でも調べられますか?

ネットで取引する古物商なら、公安委員会が公開している一覧で、名称・URL・許可番号を調べられます。店舗だけで営業する古物商を含めた全員の名簿を公開している都道府県は、今回の確認では見つかりませんでした。愛知県警と埼玉県警は、電話での許可の照会に応じていません。会社サイトの表示や営業所の標識で確かめるのが現実的です。

古物商の許可番号は何けたですか?

12けたです。愛知県公安委員会のページがそう案内しています。しょくばログが会社サイトから取り出した許可番号でも、385社のうち377社が12けたでした。けたの意味を説明した公式資料は確認できませんでしたが、先頭の3けたは公安委員会ごとに分かれている傾向がありました。

古物商の許可がないまま買取をするとどうなりますか?

古物営業法31条1号により、3年以下の拘禁刑か100万円以下の罰金です。2025年に無許可営業で検挙されたのは7件・7人でした(警察庁の概況)。自分が使っていた物を売るだけなら古物営業にはあたりませんが、売るために買い取ってくる場合は許可が要ります。

中古車販売店も古物商の許可が要りますか?

要ります。古物の13区分に「自動車(その部分品を含む。)」があり(施行規則2条4号)、中古車を買い取って売るのは古物営業です。しょくばログの法人データで社名に「中古車」を含む現存の会社は78社で、そのうち45社(57.7%)が有限会社でした。

古物商の許可がある会社は法人番号で調べられますか?

許可の有無そのものは、法人番号からは引けません。法人番号で分かるのは会社名・所在地・登記の閉鎖などです。また、古物商の許可は個人でも取れ、個人には法人番号が付きません。サイトの表示で許可番号を見たうえで、会社の実在は法人番号で確かめる、という分担になります。

データについて

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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