✍ 古家あきら | 2026-10-03 更新

不用品回収業者の許可を確認する方法 — 家庭の不用品は「一般廃棄物」の許可が要る。会社サイトで不用品回収・遺品整理に触れる142社のうち、その許可を書いていたのは11%

先に結論です。家庭から出る不用品を「処分」として回収できるのは、お住まいの市区町村から「一般廃棄物収集運搬業」の許可を受けた業者か、市区町村の委託を受けた業者です。 産業廃棄物の許可や古物商の許可を持っていても、それだけでは家庭ごみを回収できません。

確かめ方は3つです。

しょくばログという会社データベースを運営していると、会社のサイトに「許可」の欄がある業種とない業種の差がよく見えます。不用品回収は、その差がはっきり出る業種でした。会社サイト31,159社を数えると、不用品回収・遺品整理・ゴミ屋敷の片付けなどに触れていたのは142社。そのうち一般廃棄物の許可に触れていたのは16社(11.3%)で、産業廃棄物の許可だけを書いていた会社(26社)や、どの許可にも触れていない会社(86社)のほうがずっと多い、という結果です。

不用品回収にはどんな許可が要るのか

家庭のごみは「一般廃棄物」で、許可を出すのは市区町村長

廃棄物処理法は、廃棄物を「産業廃棄物」と「一般廃棄物」に分けています。工場や会社の事業活動から出る決められた種類のごみが産業廃棄物で、それ以外が一般廃棄物です。家庭から出る家具・布団・日用品などは、一般廃棄物にあたります。

一般廃棄物の収集・運搬を仕事として行うには、廃棄物処理法7条1項で、その区域を管轄する市町村長の許可が要ります。産業廃棄物の収集・運搬は14条1項で都道府県知事の許可なので、出す役所も対象のごみも違う、まったく別の許可です。

環境省も「ご家庭の廃棄物を回収できるのは一般廃棄物処理業の許可を持つ業者」と案内し、産業廃棄物処理業の許可や古物商の許可では回収できないと明記しています。

許可は市区町村ごと、しかも更新制

7条1項の許可は、「業を行おうとする区域を管轄する市町村長」が出します。A市の許可は、A市の中だけの許可です。実際、許可を書いている会社のサイトを読むと、「加賀市・小松市」「富山市・舟橋村・立山町…」のように、許可を受けた市町村を一つずつ並べていました。

また7条2項で、許可は政令で定める期間ごとに更新しないと効力を失います(法律上は「1年を下らない」期間)。昔に取った許可が今も生きているとは限りません。

新しく許可を取るのは、そもそも難しい

7条5項は、市町村長が許可を出してよい条件を並べています。その1号目が「当該市町村による一般廃棄物の収集又は運搬が困難であること」、2号目が「市町村の一般廃棄物処理計画に適合すること」です。

つまり、家庭ごみの収集は本来市町村の仕事で、市町村だけでは手が回らない分だけ許可を出す、という仕組みです。申請すれば誰でも取れる許可ではないので、許可業者の数はもともと多くありません。不用品回収をうたう業者の多くが一般廃棄物の許可を持っていない背景には、この事情があります。

無許可で回収すると罰則がある

許可なく一般廃棄物の収集・運搬を業として行うと、廃棄物処理法25条1項1号で5年以下の拘禁刑か1,000万円以下の罰金(または両方)の対象です。廃棄物処理法のなかでも重い罰則にあたります。

「買取」は古物商の話、「処分」は廃棄物の話

ややこしいのが、まだ売れる物の扱いです。業者が値段をつけて買い取る中古品の取引は古物営業法の世界で、公安委員会の古物商許可が要ります。一方、こちらがお金を払って処分してもらう物は、廃棄物として扱われるのが基本です。

不用品回収の業者には、古物商許可だけで「買取も処分もします」と案内しているところがあります。買い取れない物まで引き取って処分しているなら、古物商許可ではカバーできません。その物が廃棄物にあたるかどうかは個別の事情で判断されるので、迷ったら市区町村に聞くのが確実です。

不用品回収業者の許可を確認する方法

1. 市区町村のサイトで許可業者一覧を探す

「(市区町村名) 一般廃棄物収集運搬業 許可業者 一覧」で検索すると、多くの自治体で一覧が見つかります。一覧には、業者名・所在地・許可番号・扱えるごみの種類(家庭系か事業系か)などが載っています。

注意したいのは、家庭系と事業系で許可が分かれている自治体があることです。お店や会社のごみ(事業系一般廃棄物)だけを扱う許可業者もいるので、一覧に名前があっても、家庭の不用品を運べるとは限りません。

2. ごみの担当課に電話で聞く

一覧が見つからないときや、業者が載っているか分からないときは、市区町村のごみの担当課(清掃課・環境課など)に電話するのがいちばん早い方法です。環境省も確認先として「お住まいの市区町村」を案内しています。家庭の粗大ごみは、市区町村の粗大ごみ収集や、許可業者を紹介してもらえることもあります。

3. 業者に「どこの許可か」を聞く

見積もりの段階で、次の3点を聞いておくと確実です。

「許可業者と提携している」「処分は許可業者に委託している」と答える業者もいます。誰が家から運び出し、誰がトラックで運ぶのかによって扱いが変わるので、具体的な流れを聞いたうえで、気になるなら市区町村に確認してください。

4. 会社そのものも確かめる

許可のほかに、会社として実在するか、行政処分を受けていないかも見ておきたいところです。会社の実在や所在地の確かめ方は幽霊会社の見分け方に、処分歴の調べ方は会社の行政処分の調べ方にまとめています。業種ごとの許可の調べ方全体は会社の許認可を調べる方法が入口です。

会社サイトには、どこまで書いてあるのか(しょくばログの集計)

しょくばログが保存している会社公式サイト31,159社の文章から、「不用品回収」「不用品処分」「遺品整理」「生前整理」「ゴミ屋敷」「粗大ごみ回収」のどれかに触れている会社を数えると、142社(0.46%)でした。この142社が、どの許可に触れているかを数えています。

一般廃棄物の許可に触れていたのは16社

16社の文章は全部目で確認しました。自社の許可を書いていた14社は、会社概要の「許可」欄や事業内容の一覧に書いているのがほとんどで、許可を受けた市町村名を並べる書き方が目立ちます。

一方で、産業廃棄物の許可だけを書いている26社は、読者からすると誤解しやすいところです。「許可」の欄に都道府県の番号がずらりと並んでいても、それは会社や工場のごみを運ぶ許可で、家庭の不用品回収の許可ではありません。

「不用品回収」をうたう63社に絞ると

142社のうち、「不用品回収」「不用品処分」という言葉を使っていたのは63社です。

半分以上が、許可の話を何も書いていませんでした。許可を書いていないから無許可、とは言えません。ただ、サイトを見ただけでは判断できない業者が多いのは確かで、だからこそ市区町村の一覧で確かめる手順が要ります。

「遺品整理」の79社

遺品整理に触れていた79社では、一般廃棄物の許可に触れていたのは11社(13.9%)、「遺品整理士」に触れていたのは21社(26.6%)でした。

遺品整理士は民間団体の資格で、廃棄物処理法の許可とは別物です。資格の有無は仕事の丁寧さの目安にはなっても、家庭ごみを運べるかどうかの答えにはなりません。

どんな業種の会社か

142社の業種(しょくばログの推定)は、分類できなかった会社が61社と最も多く、続いて生活関連サービス業17社、運輸業15社、建設業11社、卸売・小売業11社、医療・福祉10社でした。不用品回収は、解体業や運送業、リサイクル業、介護関連の会社が事業の一つとして手がけていることが多い仕事です。解体工事の許可・登録の話は解体工事業登録を確認する方法で扱っています。

なお、社名に「不用品」を含む会社は法人DBに7社、「遺品整理」を含む会社は17社しかありませんでした。不用品回収は屋号やサービス名で営業していることが多く、社名から業者を探すのは難しい業種です。屋号やサイト名から運営会社を探す方法は店名・サイト名から運営会社を調べる方法にまとめています。

不用品回収業者を選ぶときに見ておきたいこと

環境省は、無許可の回収業者の例として「町中を大音量で巡回する」「空き地で回収する」「チラシを配る」「インターネットで広告する」を挙げ、不法投棄や不適正処理、火災、高額請求の事例があると注意を呼びかけています。

ここまでの集計を踏まえると、見ておきたいのは次の点です。

家電4品目は、リサイクル料金と収集運搬料金がかかる仕組みです。不用品回収で「無料で引き取る」と言われたら、どこへ運ばれるのかを聞いておくと安心です。

よくある質問

不用品回収業者に必要な許可は何ですか?

家庭の不用品を処分として回収するなら、お住まいの市区町村が出す「一般廃棄物収集運搬業」の許可です(廃棄物処理法7条1項)。市区町村から委託を受けている業者も回収できます。産業廃棄物収集運搬業の許可や古物商の許可だけでは、家庭ごみは回収できません。

産業廃棄物の許可を持っている業者なら大丈夫ですか?

家庭の不用品については、それだけでは足りません。産業廃棄物の許可は、会社や工場の事業活動から出る決められた種類のごみを運ぶための許可で、出すのも都道府県知事です。しょくばログの集計では、不用品回収などに触れる142社のうち26社が、産業廃棄物の許可だけを書いていました。

一般廃棄物の許可業者はどこで調べられますか?

市区町村のサイトで「一般廃棄物収集運搬業 許可業者 一覧」を探してください。見つからなければ、ごみの担当課に電話で聞けます。家庭系と事業系で許可を分けている自治体もあるので、家庭の不用品を扱える業者かどうかも確認しましょう。

遺品整理にも許可は要りますか?

遺品の仕分けや清掃そのものに、廃棄物処理法の許可は要りません。ただ、要らない物を家から運び出して処分するところは、家庭の不用品回収と同じで、一般廃棄物の許可を持つ業者か市区町村の委託業者が運ぶ必要があります。遺品整理士は民間資格で、許可の代わりにはなりません。

無許可の業者に頼んだらどうなりますか?

回収した物がどこでどう処理されたかを確かめられず、不法投棄や不適正処理につながるおそれがあると環境省は注意を呼びかけています。高額な料金を請求された事例もあります。トラブルになったら、市区町村のごみの担当課や消費生活センター(電話188)に相談してください。

データについて

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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