✍ 古家あきら | 2026-10-01 更新
週休3日の求人は本当にあるのか — 会社サイト3.1万社のうち書いていたのは160社(0.51%)。6割は「選べる制度」で、全員が週休3日の会社は2割だった
先に結論です。週休3日の求人は本当にあります。ただし、まだ全体のごく一部で、しかも多くは「会社全体が週休3日」ではなく「希望した人が選べる制度」です。
国の統計では、厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査」で、何らかの週休3日制を採っている企業は1.6%、そのうち毎週必ず3日休める「完全週休3日制」は0.3%でした。
しょくばログという会社データベースを運営していると、会社の公式サイトに書かれた休日の書き方を毎日のように目にします。そこで、保存している会社サイトのテキスト31,159社分を「週休3日」で検索してみました。触れていたのは160社(0.51%)。一件ずつ読むと、会社の制度として書かれていたもののうち約6割が「選べる週休3日」で、社員全員が週休3日という会社は2割ほどでした。
週休3日の求人を見つけたら、確かめることは3つです。①誰が対象か(全員か、希望者か)②1日の労働時間は何時間か ③給与は週休2日のときと比べてどうなるか。 以下、順に説明します。
週休3日には3つの型がある
週休3日と一口に言っても、給与と労働時間の組み方で中身がまったく違います。求人票の「週休3日」の5文字だけでは、どの型か分かりません。
- 給与減額型:1日の労働時間はそのまま(例:8時間)で、働く日を週4日に減らす。週の労働時間が減るぶん、給与も下がる。育児・介護との両立を目的にした制度に多い
- 総労働時間維持型:1日の労働時間を延ばして(例:10時間×4日)、週の労働時間を週休2日のときと同じに保つ。給与は下がらないが、1日が長くなる
- 給与維持型:労働時間を減らしつつ、給与も下げない。会社にとって負担が大きく、実例は少ない
労働基準法では、法定労働時間は原則として1日8時間・週40時間です(第32条)。「10時間×4日」の働き方は1日8時間を超えるので、変形労働時間制やフレックスタイム制などの仕組みを使って組むことになります。求人票に「変形労働時間制」と書かれていたら、1日が長い型の可能性を考えてください。
国の統計で見る週休3日の広がり
厚生労働省の「令和6年就労条件総合調査」(常用労働者30人以上の民営企業が対象)では、主な週休制の形を次のように集計しています。
- 何らかの週休2日制:90.9%
- 完全週休2日制:56.7%
- 何らかの週休3日制:1.6%
- 完全週休3日制:0.3%
「何らかの週休3日制」には、月1回や隔週だけ週休3日になる制度も含まれます。毎週必ず3日休めるのは0.3%です。
企業規模別に見ると、何らかの週休3日制は1,000人以上の企業で3.5%、30〜99人の企業で1.5%でした。大企業のほうが多いものの、それでも数%です。なお、この調査の年間休日総数は1企業平均112.1日です。休日の日数そのものの目安は会社の年間休日の調べ方と平均にまとめています。
会社サイト31,159社で「週休3日」を数えてみた
国の統計は企業へのアンケートです。求職者の目に入るのは、会社が実際にサイトへ書いている言葉のほうです。そこで、しょくばログが保存している会社公式サイトのテキストを数えました。
「週休3日」は160社、「週休2日」の約45分の1
- 読み取れた会社サイト:31,159社
- 「週休2日」に触れていた会社:7,135社(22.9%)
- 「完全週休2日」に触れていた会社:4,123社(13.2%)
- 「週休3日」に触れていた会社:160社(0.51%)
「週休3日」の数は「週休2日」のおよそ45分の1です。サイトに休日を書く会社自体が2割強なので、この0.51%も「採用情報をサイトに載せている会社の中で」という前提で見てください。
160社を1件ずつ読んで型を分けた
「週休3日」という言葉があっても、自社の制度とは限りません。160社の該当箇所を1件ずつ読み、次のように分けました(分け方は筆者の目視判断です)。
- 自社の制度ではない:17社(他社の事例紹介記事、求人サイトの検索キーワード欄、自治体の委託事業名、厚生労働省様式の選択肢一覧など)
- 希望者が選ぶ制度:90社(「週休2日・週休3日から選択可」「短時間正社員(週休3日)」「育児・介護の場合に選べる」など)
- 社員全員、または募集職種の休日が週休3日:30社
- パート・アルバイト・派遣だけの週休3日:11社
- 月1回・隔週・季節限定の週休3日:8社(「閑散期のみ」「1・2月は週休3日」「月に1回」など)
- 導入予定・検討中:4社
自社の制度として書いていた143社のうち、選べる制度が90社(約63%)、全員または職種ごと週休3日が30社(約21%)でした。求人で「週休3日OK」と書かれていても、多くは「希望すれば選べる」という意味です。
業種別:医療・福祉が突出
業種(日本標準産業分類の大分類)ごとに、会社サイトのうち「週休3日」に触れていた割合を出しました(サイトを300社以上保存している業種のみ)。
- 医療・福祉:1.73%(3,473社中60社)
- 生活関連サービス業、娯楽業:1.04%(483社中5社)
- 宿泊業、飲食サービス業:0.82%(855社中7社)
- 運輸業、郵便業:0.77%(1,033社中8社)
- 学術研究、専門・技術サービス業:0.54%(1,485社中8社)
- 卸売業、小売業:0.19%(1,569社中3社)
- 建設業:0.17%(3,593社中6社)
- 製造業:0.14%(6,905社中10社)
医療・福祉は160社のうち60社を占めます。中身を読むと、歯科医院の「完全週休3日制」、介護施設の「週休3日制・年間休日160日」、保育園の「10時間労働で週休3日」など、シフト勤務の現場で人を集めるために週休3日を打ち出している例が目立ちました。反対に、製造業や建設業ではまだほとんど見かけません。
求人で見かけた給与と労働時間の書き方
会社サイトの募集要項には、週休2日と週休3日を並べて書いている例がいくつかありました(会社名は伏せます)。
- 大卒初任給:週休2日なら281,685円、選択式週休3日なら194,043円
- 飲食店の月給:週休2日なら328,715円〜、週休3日なら276,396円〜(どちらも固定残業代を含む)
- 大卒・中途の初任給:250,000円〜、週休3日の場合は200,000円〜
- 保育士の勤務時間:週休2日は8時間労働、週休3日は10時間労働
- 介護の選択制:1日6時間×週5日か、1日7時間30分×週4日かを選ぶ
並べてみると、週休3日を選ぶと給与が下がる型(給与減額型)か、1日が長くなる型(総労働時間維持型)がほとんどです。「週休3日で給与はそのまま」とはっきり書いたページは、今回読んだ範囲では見つかりませんでした。
週休3日の求人で確かめる5つのこと
1. 対象は全員か、希望者か
「週休3日制」と「週休3日も選べる」は別物です。希望制なら、選べる条件(勤続年数・育児や介護の理由・職種の限定)が決まっていることが多いので、募集要項か面接で確かめてください。
2. 1日の労働時間
「週休3日」の横に1日の勤務時間が書かれているかを見ます。10時間前後なら総労働時間維持型です。休憩が長い、夜勤を含む、なども合わせて確認します。残業の実態は会社の残業時間・有給取得率の調べ方が参考になります。
3. 給与の出し方
週休2日の人と比べて給与がどう違うかを確かめます。月給の欄に金額が1つしか書かれていないときは、それが週休2日の場合の金額ということもあります。基本給・手当・固定残業代の読み方は求人の給与欄の見方にまとめています。
4. 雇用形態
「短時間正社員」「限定正社員」「準社員」として週休3日を用意している会社があります。正社員と同じ待遇なのか、賞与や昇給の扱いが違うのかを確かめてください。雇用形態の見分け方は正社員と契約社員の求人の見分け方を参照してください。
5. 年間休日の日数
週休3日なら、祝日などを足すと年間休日は150日を超えるのが普通です。実際、会社サイトには「年間休日160日以上」「年間休日171日」といった書き方がありました。週休3日とうたっていても年間休日が120日台なら、月1回だけ、繁忙期は除く、といった条件付きの可能性があります。
働き方の柔軟さでは、週休3日のほかに在宅勤務や副業も選択肢です。在宅勤務できる会社の調べ方と副業できる会社の調べ方もあわせてどうぞ。求人票全体の読み方は求人票の見方にあります。
この集計の方法と限界
- 対象:しょくばログが保存している会社公式サイトのテキスト32,838社分のうち、文字化けが少なく読み取れた31,159社
- 検索語:「週休3日」(数字の全角・半角、「三」を含む)。比較用に「週休2日」「完全週休2日」も同じ方法で数えた
- 型分け:「週休3日」に触れていた160社の該当箇所を筆者が1件ずつ読んで分類した。境界にある例(「週休3日OK」だけの表記など)は「希望者が選ぶ制度」に入れている
- 業種:法人番号で突き合わせた、しょくばログの業種判定(日本標準産業分類の大分類)。業種が判定できていない会社は業種別の表から外している
- 限界:サイトを持つ会社、保存できたページに偏る。求人サイトだけに載せている週休3日の求人は数に入らない。会社サイトの掲載時期もばらばらで、今は制度が変わっている可能性がある
よくある質問
週休3日の正社員求人は本当にありますか?
あります。会社公式サイト31,159社のうち160社が「週休3日」に触れていて、正社員を対象にした制度もありました。ただし約6割は「希望者が選べる制度」で、社員全員が週休3日の会社は少数です。国の統計でも、完全週休3日制の企業は0.3%です。
週休3日にすると給与は下がりますか?
型によります。1日の労働時間を変えずに働く日を減らす型では、給与も下がるのが普通です。会社サイトには、週休3日を選ぶと初任給が約28万円から約19万円になる例や、月給が約33万円から約28万円になる例がありました。1日を長くして週の労働時間を保つ型なら、給与は下がりにくくなります。
週休3日だと1日10時間働くのですか?
総労働時間維持型ならそうなります。法定労働時間は原則1日8時間・週40時間なので、10時間×4日は変形労働時間制などを使って組みます。一方、8時間×4日や7時間30分×4日で、労働時間と給与を減らす型もあります。求人票で1日の勤務時間を必ず確かめてください。
週休3日の求人が多い業種はどこですか?
会社サイトでは医療・福祉が1.73%で最も高く、160社中60社を占めました。歯科医院、介護施設、保育園などシフト勤務の職場が中心です。製造業(0.14%)や建設業(0.17%)ではまだ少数です。
「週休3日OK」と書かれた求人は信用できますか?
書いてあること自体は制度の案内ですが、「OK」は「希望すれば選べる」という意味で使われることが多く、条件付きの場合があります。対象者、1日の労働時間、給与、雇用形態、年間休日の5点を確かめれば、実態に近い姿が分かります。