✍ 古家あきら | 2026-09-20 更新

日本に会社は何社あるか — 数え方で178万・296万・446万と変わる。法人番号の全件503万を法人種別・都道府県別に数えた

先に結論です。日本に「会社」は、登記が残っているものを数えると446万社(株式会社251万・有限会社143万・合同会社41万・合資会社8.7万・合名会社1.8万)、法人税の申告実績で数えると296万社(国税庁 令和5年度分 会社標本調査)、事業所の実在を確かめて数えると178万社(令和3年経済センサス‐活動調査の「会社企業」)です。 同じ「日本の会社数」を聞いているのに、答えが2.5倍も違います。どれも間違いではなく、「何をもって1社と数えるか」が違うだけです。この記事では、うちの会社データベースにある法人番号の全件5,791,529件(うち活動中5,028,697件)を法人種別・都道府県・閉鎖事由で数え、公的な3つの数字と並べて、ずれの正体を説明します。

しょくばログという全国の会社データベースを運営していると、「日本に会社って何社あるんですか」と、講演の枕のような質問をいただくことがあります。正直に言うと、これに一言で答えるのは難しい。うちの台帳は国税庁の法人番号公表サイトが公表している全法人を取り込んだものなので、「登記されている法人の数」ならすぐ出ます。ただ、その数字には神社もお寺もマンションの管理組合も、何年も申告していない会社も入っています。「会社」という言葉で思い浮かべるものとは、かなりずれる。「何社あるか」より「どの数え方の何社か」を先に決めるのが、この問いへの正しい向き合い方だと思っています。

3つの公的な数字 — 178万・296万・503万

日本の会社数として引用される数字は、出どころが主に3つあります。母数の取り方が違うので、まず並べます。

| 出どころ | 数字 | 何を数えているか | 基準時点 | |---|---|---|---| | 総務省・経済産業省「令和3年経済センサス‐活動調査」 | 企業等 3,684,049/うち法人 2,065,484/うち会社企業 1,781,323/個人経営 1,618,565 | 事業・活動を行う法人(外国の会社を除く)と個人経営の事業所。調査で実在を確認できた企業 | 2021年6月1日 | | 国税庁「令和5年度分 会社標本調査」 | 法人数 2,956,717 | 活動中の内国普通法人のうち、令和5年4月1日〜令和6年3月31日に終了した事業年度について令和6年7月31日までに申告があったもの | 令和6年8月末時点の取りまとめ | | 国税庁 法人番号公表サイト(うちの台帳の元データ) | 全件 5,791,529/活動中 5,028,697/うち会社(株式・有限・合同・合資・合名)4,460,963 | 法人番号が指定された法人・団体。登記記録が閉鎖されていないものを「活動中」とした | 2026年9月時点のうちの台帳 |

経済センサスの「会社企業」は、株式会社・有限会社・相互会社・合名会社・合資会社・合同会社を指し、本所と支所を含めた全体で1社です。会社標本調査は法人税の申告があった「内国普通法人」なので、協同組合や公益法人は入りません。法人番号は、登記されていれば事業をしていなくても番号が付きます。178万は「実在が確認できた会社」、296万は「申告した会社」、446万は「登記がある会社」と読み替えると、3つの数字は矛盾しません。

なお、経済センサスと会社標本調査はいずれも数年〜1年前の時点の数字で、うちの台帳は2026年9月時点です。時点のずれもあるので、桁の違いの理由を「時点」に求めるのは無理があります。ずれの本体は定義です。

登記が残っている法人503万の内訳 — 会社は88.7%

うちの台帳で登記記録が閉鎖されていない法人5,028,697件を、国税庁の法人種別コードで数えると、こうなります。

| 法人種別 | 件数 | 構成比 | |---|---|---| | 株式会社 | 2,513,796 | 50.0% | | 有限会社 | 1,429,550 | 28.4% | | その他の設立登記法人 | 521,220 | 10.4% | | 合同会社 | 412,442 | 8.2% | | 合資会社 | 87,245 | 1.7% | | 外国会社等 | 19,777 | 0.4% | | その他(登記のない団体等) | 18,644 | 0.4% | | 合名会社 | 17,930 | 0.4% | | 地方公共団体 | 7,245 | 0.1% | | 国の機関 | 848 | 0.0% | | 合計 | 5,028,697 | 100% |

会社法上の会社(株式・有限・合同・合資・合名)を足すと4,460,963件、活動中の法人の88.7%です。ここで気づくのは、有限会社が143万件もあること。有限会社は2006年の会社法施行で新設できなくなりましたが、既存の会社は「特例有限会社」として残っており、株式会社の半分以上の数がいまも登記上は存在しています。有限会社と株式会社で何が違うかは 法人の種類一覧 と 有限会社は就職に不利か に書きました。

もう一つ、「その他の設立登記法人」が52万件あります。これが「会社」の感覚と最もずれる部分なので、次で中を開けます。

「その他の設立登記法人」52万件の中身 — 神社・寺・教会が少なくとも15万件

国税庁の法人種別では、株式会社などの会社と国・地方公共団体以外の登記法人が「その他の設立登記法人」にまとめられています。うちの台帳で、活動中の521,220件の商号を法人格の語で機械的に分けると、こうなりました(社名の先頭・末尾の語による推定です。「宗教法人」の文字は登記上の商号に含まれないことが多いため、「神社」「寺」「教会」を含む名称で数えています)。

| 名称から読める種別 | 件数 | |---|---| | 一般社団法人(名称の先頭) | 85,274 | | 神社(名称に含む) | 67,408 | | 寺(名称に含む) | 62,338 | | 特定非営利活動法人(NPO法人) | 48,907 | | 医療法人・医療法人社団・医療法人財団・社会医療法人 | 60,509 | | 協同組合(先頭または末尾) | 35,106 | | 社会福祉法人 | 21,227 | | 教会(名称に含む) | 18,951 | | その他の「組合」(労働組合・管理組合・企業組合など) | 24,129 | | 農事組合法人 | 12,129 | | 学校法人 | 7,883 | | 一般財団法人 | 7,859 | | 公益財団法人・公益社団法人 | 9,793 | | 「宗教法人」を名称に含む | 5,694 | | 税理士・弁護士・司法書士・行政書士・社会保険労務士・土地家屋調査士法人 | 10,537 | | 商工会・商工会議所 | 2,160 | | 上記で判別できなかったもの(院・宮・講社・公社など) | 約37,700 |

神社・寺・教会・「宗教法人」を含む名称だけで154,391件。判別できなかった約3.8万件の中にも「○○院」「○○宮」「○○講社」のような宗教法人らしい名称が多く含まれているので、宗教法人は少なくとも15万件、おそらくそれ以上です。「日本の法人503万」のうち、3%は神社とお寺と教会ということになります。「会社の数」として法人番号の総数を引くと、この分が上乗せされます。

医療法人が6万件、NPO法人が4.9万件、社会福祉法人が2.1万件。転職先として見るときの読み方は NPO法人に就職する前に確認すること と 非営利法人の倒産を調べる方法 に書いています。

都道府県別 — 東京に23.3%、上位3都府県で38%

活動中の法人5,028,697件のうち、所在地の都道府県が取れた5,019,282件を都道府県別に数えました。

| 順位 | 都道府県 | 活動中の法人数 | 構成比 | |---|---|---|---| | 1 | 東京都 | 1,170,518 | 23.3% | | 2 | 大阪府 | 423,727 | 8.4% | | 3 | 神奈川県 | 325,364 | 6.5% | | 4 | 愛知県 | 243,707 | 4.8% | | 5 | 埼玉県 | 233,204 | 4.6% | | 6 | 千葉県 | 206,264 | 4.1% | | 7 | 北海道 | 205,966 | 4.1% | | 8 | 福岡県 | 193,311 | 3.8% | | 9 | 兵庫県 | 180,031 | 3.6% | | 10 | 静岡県 | 108,767 | 2.2% | | … | | | | | 43 | 秋田県 | 26,785 | 0.5% | | 44 | 高知県 | 22,690 | 0.5% | | 45 | 佐賀県 | 22,115 | 0.4% | | 46 | 島根県 | 19,880 | 0.4% | | 47 | 鳥取県 | 17,435 | 0.3% |

東京都だけで117万件、全体の23.3%。東京・大阪・神奈川の上位3都府県で191万件(38.2%)、上位10都道府県で329万件(65.4%)です。最少の鳥取県は17,435件で、東京都の67分の1。「会社の数」で見た日本は、人口以上に東京に寄っています。

法人種別の比率は県でかなり違う — 合同会社は沖縄15.7%、有限会社は栃木40.9%

同じ都道府県別の集計で、活動中の法人に占める種別の比率を見ると、地域差がはっきり出ます。

合同会社は2006年以降にしか作れない新しい形なので、比率が高い地域は「最近の設立が多い地域」と読めます。有限会社は2006年以前にしか作れない古い形なので、比率が高い地域は「古い会社が残っていて、新しい設立が少ない地域」です。栃木・青森・鹿児島で有限会社が4割というのは、その県の会社の4割が少なくとも20年前からある、ということでもあります。合同会社の見方は 合同会社は就職に不利か に書きました。

業種別 — 名前から業種が読めるのは4社に1社

うちの台帳では、法人番号のデータに業種は含まれないため、社名や公的データから日本標準産業分類(JSIC)の大分類を推定して付けています。活動中の5,028,697件のうち、大分類を推定できたのは1,150,193件(22.9%)で、残り77.1%は「未分類」です。推定できた分の上位はこうなります。

| 大分類 | 件数 | 推定できた分に占める割合 | |---|---|---| | 卸売業,小売業 | 238,039 | 20.7% | | 製造業 | 224,575 | 19.5% | | 建設業 | 221,870 | 19.3% | | 学術研究,専門・技術サービス業 | 102,302 | 8.9% | | 情報通信業 | 77,560 | 6.7% | | 不動産業,物品賃貸業 | 73,805 | 6.4% | | 医療,福祉 | 66,076 | 5.7% | | 運輸業,郵便業 | 44,859 | 3.9% |

ここは正直に書いておきます。この表は日本の業種構成を表していません。 経済センサス(企業等ベース・個人経営を含む)では卸売小売20.1%、建設11.6%、宿泊飲食11.6%、製造9.2%、生活関連サービス9.1%ですが、うちの推定では宿泊飲食が15,144件(1.3%)しかありません。「○○工業」「○○建設」「○○商店」は社名から業種が読めますが、飲食店の運営会社は社名に「レストラン」と付けないことのほうが多いからです。社名から業種を当てる方法の限界は 会社の業種を調べる方法 に書いたとおりで、業種で会社の数を語るなら、うちの推定より経済センサスの企業産業分類のほうが信頼できます。

閉鎖された法人76万件 — 13.2%が「登記の上で終わった」法人

法人番号の全件5,791,529件のうち、登記記録が閉鎖されているのは762,832件、13.2%です。法人番号制度が始まった2015年10月以降に閉鎖された分が記録されているので、「およそ10年で13%が閉じた」と読めます。閉鎖の事由は4種類しかありません。

| 閉鎖事由 | 件数 | 閉鎖に占める割合 | |---|---|---| | 清算の結了等 | 491,764 | 64.5% | | 登記官による閉鎖 | 210,087 | 27.5% | | 合併による解散等 | 59,612 | 7.8% | | その他の清算の結了等 | 1,369 | 0.2% |

「登記官による閉鎖」21万件は、法務局が12年以上登記のない株式会社などを職権で解散させる「みなし解散」を経て閉鎖されたものが中心です。倒産で閉じたのか、事業をやめて清算したのか、放置されて職権で閉じられたのかは、この4区分からは分かりません。倒産件数と閉鎖件数が別物である理由は 倒産件数が調査会社によって違う理由 と 倒産統計に映らない会社の終わり方 に、みなし解散の調べ方は 会社の解散・休眠を調べる方法 に書きました。

法人種別ごとの閉鎖率(全件に占める閉鎖の割合)は、有限会社14.7%(1,675,486件中245,936件)、株式会社13.9%(2,920,971件中407,175件)、その他の設立登記法人10.7%、合同会社8.6%(451,017件中38,575件)、合名会社7.0%、合資会社6.4%。合同会社の閉鎖率が低いのは、制度が新しく古い会社が無いからで、「合同会社は潰れにくい」という意味ではありません。

なぜ446万と296万と178万はずれるのか

ここまでの数字で、3つの「会社数」のずれを説明できます。

登記の446万 → 申告の296万(差150万)。会社標本調査は「活動中の内国普通法人で申告があったもの」を数えます。登記はあるが法人税の申告をしていない会社は、この差に入ります。休眠している会社、設立してすぐ動かなくなった会社、所在不明の会社などです。うちの台帳でも、登記上「活動中」なのに公式サイトも求人も電話番号も一切見つからない会社は珍しくありません。外から見て実在しているか確かめる方法は 会社の実在・倒産を確認する方法 と 幽霊会社の見分け方 に書きました。

申告の296万 → 実在確認の178万(差118万)。経済センサスは調査員や調査票で「事業所がそこにある」ことを確かめた企業を数えます。本店所在地の登記はあっても、事業所として捕捉されなかった会社(自宅登記で表札もない、代表者の別会社の中にある、など)はここで落ちます。時点も2021年6月と古く、その後の新設分も入っていません。

つまり「登記されている」「税務申告している」「事業所として実在が確認できる」の3段階で、会社は2.5分の1に絞られる。会社の数を「日本経済の担い手の数」として使うなら178万か296万、「法人番号を持つ相手の数」として使うなら446万(法人全体なら503万)が適切です。SNSで「日本には会社が500万社ある」と書かれているのを見ますが、それは神社と寺と管理組合を含む法人の数で、会社の数ではありません。

会社の規模の話(「日本の会社の大半は中小企業」という話)は、また別の母数と定義で数えられています。その定義は 中小企業の定義 に、上場している会社が3,895社しかないことは 会社の上場を確認する方法 に書きました。

うちのデータベースでできること・できないこと

しょくばログでは、法人番号の全件を法人番号・商号・所在地で検索でき、都道府県・市区町村ごとの一覧も出せます。この記事の集計はすべてその台帳から出したものです。

できないこともあります。台帳には法人番号のデータ(商号・所在地・法人種別・閉鎖情報)以外の情報が全社分あるわけではなく、従業員数や資本金はgBizINFOなどの公的データが取れた一部の会社にしかありません。業種は上で書いたとおり推定で、4社に1社しか付いていません。「日本の業種別の会社数」を正確に知りたいときは、うちではなく経済センサスの企業等に関する集計をお使いください。

法人番号の仕組みそのものは 法人番号とは と 法人番号の調べ方 にまとめています。

よくある質問

日本の会社数を一つの数字で答えるなら何万社ですか

「会社」を会社法上の会社(株式・有限・合同・合資・合名)とし、税務申告している会社に限るなら、国税庁の令和5年度分会社標本調査の295万6,717社が最も引用しやすい数字です。登記上の会社は446万社、経済センサスで実在確認できた会社企業は178万社。用途を言い添えて使うのが安全です。

株式会社は日本に何社ありますか

うちの台帳(法人番号公表サイト全件・2026年9月時点)では、登記が閉鎖されていない株式会社は2,513,796社、活動中の法人全体の50.0%です。閉鎖済みを含めた全件では2,920,971社で、そのうち13.9%が閉鎖されています。

個人事業主は会社数に入りますか

法人番号の数には入りません(法人番号は法人と一部の団体にしか指定されません)。経済センサスの「企業等」には個人経営が入り、2021年6月1日時点で1,618,565企業、企業等全体の43.9%です。「日本の企業数368万」という数字は、この個人経営を含んだ数です。

一番会社が多い都道府県と少ない都道府県はどこですか

うちの台帳では、活動中の法人が最も多いのは東京都の1,170,518件(23.3%)、最も少ないのは鳥取県の17,435件(0.3%)で、67倍の差があります。上位3都府県(東京・大阪・神奈川)で全体の38.2%を占めます。

法人番号のある法人はすべて「会社」ですか

違います。活動中の法人5,028,697件のうち、会社法上の会社は4,460,963件(88.7%)。残りには一般社団法人8.5万件、神社・寺・教会など宗教法人が少なくとも15.4万件、NPO法人4.9万件、医療法人6万件、協同組合3.5万件、地方公共団体や国の機関も含まれます。法人番号の総数を「会社の数」として使うと、これらが上乗せされます。

まとめ

参照した一次資料

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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