✍ 古家あきら | 2026-09-17 更新
NPO法人に就職する前に確認すること — 事業報告書と活動計算書は誰でも無料で見られる。内閣府ポータル6万法人分を集計した「解散の半分は認証取消し」「人件費率の中央値44%」
先に答えを書きます。NPO法人に応募する前に見るべきものは、求人票でも代表者のインタビューでもなく、「事業報告書」「活動計算書」「年間役員名簿」の3枚です。 この3枚はNPO法(特定非営利活動促進法)で毎年の作成・提出が義務づけられ、所轄庁(都道府県・指定都市)に請求すれば誰でも閲覧・謄写できます(法30条)。しかも多くは内閣府の「NPO法人ポータルサイト」に画像やPDFで載っていて、家から無料で読めます。
これは、株式会社に応募するときには使えない武器です。株式会社の決算書は、上場していない限り決算公告(多くは貸借対照表の要旨だけ)しか外に出ませんし、役員の報酬が有るか無いかを外から知る方法は基本的にありません。NPO法人は逆で、「誰にいくら払っているかの総額」と「役員が報酬をもらっているか」が制度として公開されている法人格です。
しょくばログという会社データベースを運営していると、「NPO法人 就職 給料」「NPO法人 就職 デメリット」で流れてくる人が一定数います。答えを一言で言うと、給料の水準そのものを公表している統計はありません。代わりに、活動計算書の人件費を職員数で割れば、その法人が払える給与の上限が自分で概算できます。この記事は、その読み方と、内閣府のポータルサイトからダウンロードした60,155法人分のデータをうちで集計した結果を並べたものです。
NPO法人は株式会社より「外から見える」— 法28条・29条・30条の仕組み
NPO法人が毎年つくって出さなければならない書類は、法律で決まっています。 e-Govで特定非営利活動促進法の条文を引くと、第28条(事業報告書等の備置き等及び閲覧)にこう書かれています。
- 毎事業年度の初めから3か月以内に、前事業年度の事業報告書・計算書類・財産目録をつくる
- あわせて年間役員名簿をつくる。これは「前事業年度に役員だった人全員の氏名・住所と、報酬の有無」を書いた名簿
- さらに、社員(会員)のうち10人以上の氏名・住所を書いた書面をつくる
- これらを、作成日から5年が経つ日を含む事業年度の末日まで事務所に備え置く
- 定款・認証や登記に関する書類の写し(定款等)も事務所に備え置く
第29条は、この「事業報告書等」を毎事業年度1回、所轄庁に提出する義務です。そして第30条が肝で、所轄庁は、提出を受けた事業報告書等(過去5年分)・役員名簿・定款等について閲覧または謄写の請求があったときは、これを閲覧させ、謄写させなければならない、と定めています。請求できる人の資格に制限はありません。個人の住所の部分だけが除かれます。
株式会社の定款や計算書類の閲覧が「株主及び債権者」に限られている(会社法31条)のとは、ここが逆です。会社の定款を閲覧する方法で書いたとおり、取引前の与信でいちばん見たいタイミングでは株式会社の定款を見る資格がないのですが、NPO法人は最初から「何人でも」の側にいます。
もう1つ、後から追加された第28条の2で、NPO法人は貸借対照表を公告する義務も負っています(官報・日刊新聞・電子公告・事務所掲示のいずれか、定款で定めた方法)。内閣府のポータルサイトを公告の場所にしている法人も多く、これも外から見える理由の1つです。
内閣府NPO法人ポータルで見る手順 — 「行政入力情報」と「法人入力情報」は別物
内閣府NPO法人ポータルサイトで法人名を検索すると、法人ごとに定款・事業報告書・活動計算書・貸借対照表・役員名簿・財産目録が読めます。 ここで最初に押さえておくべきなのは、ポータルの情報が2種類に分かれていることです。
- 行政入力情報:所轄庁に提出された書類をもとに、所轄庁の担当者が登録するもの。法人名・所轄庁・所在地・代表者氏名・設立認証年月日・定款に記載された目的・活動分野・認定の有無・解散情報・監督情報など。反映に時間がかかることがある
- 法人入力情報:NPO法人自身が登録するもの。電話番号・ホームページ・常勤職員数・事業活動の内容・活動計算書の主要科目・貸借対照表の主要科目。内容について国は保証しない
つまり、「解散したか」「認証を取り消されたか」「認定NPOか」は行政入力情報で確実に分かり、「職員が何人か」「収益の内訳がどうか」は法人が自分で入れた場合だけ分かる、という構造です。法人入力情報が空でも、事業報告書のPDF(画像)そのものが行政側に載っていれば数字は読めます。
ポータルは、行政入力情報と法人入力情報を所轄庁単位で一括ダウンロードする機能も持っています。うちはこれを2026年6月13日に全所轄庁分落として集計に使いました。
内閣府の一括データ60,155法人を集計した — 解散の半分は「認証取消し」
ポータルの行政入力情報を全所轄庁分ダウンロードして重複を除くと60,155法人あり、うち49,146法人が活動中、11,009法人に解散情報がついていました。 2026年6月13日時点のデータです。内閣府が公表している認証法人数は2026年3月31日で49,070法人、2026年7月31日で48,813法人ですから、ほぼ一致します。
うちがいちばん驚いたのは、解散事由の内訳です。
- 社員総会の決議(法31条1項1号):5,685法人(51.6%)
- 第43条の規定による設立の認証の取消し(法31条1項7号):5,072法人(46.1%)
- 破産手続開始の決定(6号):74法人
- 合併(5号):59法人
- 社員の欠亡(4号):57法人
- 目的とする事業の成功の不能(3号):28法人
- 定款で定めた解散事由の発生(2号):6法人
解散した法人の半分近くが、自分で解散を決めたのではなく、所轄庁に認証を取り消されて終わっています。 法43条を読むと、取消しの要件は「改善命令に違反し他の方法で監督の目的を達せられないとき」または「3年以上にわたって事業報告書等の提出を行わないとき」です。活動中の法人の監督情報に残っている9件のうち5件も「認証取消し(事業報告書の不提出)」でした。
ここから逆算すると、応募前に見るべき最初のサインは、「事業報告書がポータルに毎年上がっているか」です。3年分空いている法人は、法律上いつ認証を取り消されてもおかしくない状態にあります。非営利法人の倒産を調べる方法でも書きましたが、NPO法人は破産で終わるより「報告を出さずに消える」ほうがずっと多い法人格です。破産はこの11,009件のうち74件しかありません。
認証から解散までは中央値10年
設立認証年と解散年の両方が取れた6,888法人で年数を引くと、中央値は10年でした。5年未満で解散したのは938法人(13.6%)、5〜9年が2,453法人、10〜19年が3,028法人、20年以上が469法人です。総会決議で解散した法人と認証取消しで解散した法人で分けても、どちらも中央値10年で差がありませんでした。「若いNPOほど危ない」という単純な話ではなく、10年前後で代表者の代替わりや資金源の切れ目が来る、と読むほうが実態に近いと思います。
認証年の分布 — ピークは2006年、いまは年1,100件台
活動中49,146法人のうち設立認証年月日が入っている48,693法人を年別に数えると、認証のピークは2006年の3,064法人で、2013年まで年2,000件を超えていました。その後は減り続け、2023年1,161、2024年1,160、2025年1,146法人です。内閣府の年度末認証法人数も2021年度50,780→2022年度50,351→2023年度49,942→2024年度49,478→2025年度49,070と4年連続で減っています。新しく生まれる法人より解散する法人のほうが多い局面に入って数年経つ、というのが現在地です。
活動計算書の読み方 — 収益の内訳と人件費の割合を自分で出す
活動計算書は株式会社の損益計算書にあたるもので、応募者が見るべき行は「経常収益の内訳」と「人件費」の2か所です。 ポータルの法人入力情報に活動計算書の主要科目を入れている法人は、活動中49,146法人のうち1,180法人(2.4%)しかありませんが、この1,180法人分を集計すると、NPO法人の資金の形が見えます。
まず経常収益の規模です(1,180法人・直近の決算)。
- 100万円未満:189法人
- 100〜500万円:247法人
- 500〜1,000万円:103法人
- 1,000〜3,000万円:245法人
- 3,000万〜1億円:284法人
- 1〜10億円:111法人
- 10億円以上:1法人
中央値は1,274万円、下位25%が204万円、上位25%が4,331万円、上位10%が9,663万円です。法人入力情報を自分で登録する法人は活動が活発な側に偏っているはずなので、この分布はNPO全体より上振れしていると考えてください。内閣府の実態調査(後述)では中央値600万円です。
次に収益の内訳。会費・寄附金・助成金等・事業収益・その他の5科目が経常収益とほぼ整合する1,097法人で、最大の収入源を数えました。
- 事業収益が最大:681法人(62.1%)
- 助成金等が最大:172法人(15.7%)
- 寄附金が最大:114法人(10.4%)
- 会費が最大:107法人(9.8%)
- その他収益が最大:23法人
6割超の法人は、寄附でも助成金でもなく、事業収益(介護・障害福祉・保育・委託事業などの対価)で回っています。 事業収益の割合の中央値は75.4%でした。逆に、会費の割合の中央値は0.9%、寄附金は0.2%、助成金等は0.8%です。「NPO=寄附と補助金で運営」というイメージは、平均的な法人には当てはまりません。寄附が半分を超える法人は91法人(8.3%)、助成金等が半分を超える法人は149法人(13.6%)です。
応募先の活動計算書を開いたら、この5科目のうちどれが最大かを見てください。事業収益型なら、その事業の顧客(自治体の委託か、利用者の料金か)が続く限り給料の原資は続きます。助成金型なら、助成の年限が給料の年限です。事業報告書に助成元と期間が書いてあります。
人件費の割合 — 中央値44%、ゼロの法人が4分の1
経常費用に占める人件費(事業費の人件費+管理費の人件費)の割合は、記入のある1,091法人で中央値44.3%でした。 分布はかなり割れています。
- 人件費ゼロ:282法人(25.8%)
- 50%超:505法人(46.3%)
- 70%超:232法人(21.3%)
人件費がゼロの法人が4分の1あるということは、役員も職員も無給で回している法人が珍しくないということです。そういう法人に「就職」の求人が出ることは通常ありませんが、「スタッフ募集」の文言だけ見て応募すると、話を聞いたら有償ボランティアだった、という食い違いが起きます。年間役員名簿の「報酬の有無」欄と、活動計算書の人件費の行を先に見れば、この食い違いは応募前に消せます。
もう1つ。1,180法人のうち当期経常増減額がマイナス(その年度の収支が赤字)だったのは374法人(31.7%)でした。NPO法人は利益を分配しない前提なので単年度の赤字が即危険というわけではありませんが、貸借対照表の正味財産(次期繰越正味財産)が減り続けているかどうかは、2年分並べれば分かります。
給料はいくらか — 公的な統計に「NPO職員の給与額」は無い。人件費÷職員数で概算する
「NPO法人 給料」で検索する人にいちばん正直に答えると、常勤職員の給与額を集計した公的統計はありません。 内閣府が3年ごとに行っている「特定非営利活動法人に関する実態調査」の最新版(令和5年度、回収2,937法人・回収率44.6%)のポイント版にも、給与額の集計はありません。載っているのは職員数と収益の分布です。
- 職員(役員を除く)の数の中央値:認証法人4.0人/認定・特例認定法人5.5人(平均は9.4人/18.7人)
- 1人以上の職員を雇っている割合:認証法人74.3%/認定・特例認定法人86.3%
- 特定非営利活動事業の収益合計の中央値:認証法人600.4万円/認定・特例認定法人2,674.5万円
- 経常収益が1,000万円を超える法人:認証法人41.7%/認定・特例認定法人69.4%
- 収益の内訳(認証法人):会費1.7%・寄附金2.4%・補助金助成金12.3%・事業収益81.4%・その他2.1%
- 収益の内訳(認定・特例認定法人):会費2.3%・寄附金48.2%・補助金助成金24.6%・事業収益24.2%・その他0.7%
うちのポータル集計(事業収益型62.1%・人件費率中央値44.3%)と内閣府調査(事業収益81.4%)は、見ている母集団が違うので数字はずれますが、方向は同じです。
給与の見当をつける手順はこうです。
- 活動計算書の「事業費(1)人件費」と「管理費(1)人件費」を足す
- 法人入力情報の常勤職員数、または事業報告書に書かれた職員数で割る
- 出た数字は「役員報酬+常勤+非常勤+法定福利費」を全部含んだ1人あたりの上限なので、実際の常勤1人の年収はそれより下
たとえば人件費合計が1,800万円で常勤4人・非常勤3人なら、1人あたり257万円が「全員均等に払った場合の上限」です。ここに役員報酬が入っていれば常勤職員の取り分はさらに下がります。この計算は乱暴ですが、求人票の「月給20万円〜」がその法人の規模で本当に払えるかを検算するには十分です。
うちの集計では、法人入力情報に常勤職員数を入れている活動中2,110法人の中央値は3人で、0人が317法人(15.0%)、1〜4人が990法人(46.9%)、5〜9人が395法人(18.7%)、10〜29人が334法人(15.8%)、30〜99人が70法人、100人以上が4法人(最大160人)でした。常勤10人未満が8割です。会社の売上高を調べる方法で書いた株式会社の「外から売上が分からない」問題と比べると、NPO法人は収益も人件費も職員数も原則として見える側にいます。
応募前に見る5つのサイン — 順番どおりに
ポータルで法人名を引いたら、この順番で見てください。上から順に「致命的なもの」です。
- 解散情報・監督情報に記載があるか:解散情報が入っていれば清算中です。代表者氏名に「(清算人)」と付いている法人が全体で1,847件ありました。監督情報に「改善命令」「認証取消し」があれば、その法人は法令違反の状態にあった(ある)ということです
- 事業報告書が毎年上がっているか:直近3年分が揃っているかを見ます。3年以上未提出は法43条の認証取消し要件です。解散の46.1%はこれで終わっています
- 年間役員名簿の「報酬の有無」:役員全員が「無」で、職員の人件費もゼロなら、その法人には有給の仕事がありません
- 活動計算書の最大の収入源と、その年限:事業収益型か、助成金型か、寄附型か。助成金型なら事業報告書で助成の期間を確認します
- 人件費÷職員数:求人票の給与がその法人の規模で払える額かを検算します
加えて、認定NPO法人か特例認定かも見ておくと役に立ちます。認定を受けているのは2026年7月31日時点で1,313法人(認定1,277・特例認定36)、認証法人48,813のうち2.7%です。認定は「広く市民の支援を受けているか」(法45条・パブリック・サポート・テスト)と運営組織の適正さを所轄庁が審査した結果なので、認定の有無は「寄附を集められている法人か」の目印になります。実態調査でも、認定・特例認定法人の収益中央値は認証法人の4倍以上でした。
うちのデータベースで見る全国のNPO法人 — 54,210法人、東京は「少ない側」
国税庁の法人番号を土台にしたうちのデータベースで、名称に「特定非営利活動法人」または「NPO法人」を含む法人を数えると71,063法人あり、うち活動中(登記が閉鎖されていない)が54,210法人、閉鎖済みが16,853法人でした。 閉鎖事由は清算結了12,631、登記記録の閉鎖4,150、合併72です。内閣府の認証法人数48,813より活動中が5,000ほど多いのは、解散して清算中でも登記が閉鎖されるまでは法人番号が生きているためです。「解散したのにDBには活動中と出る」期間があることは、会社が解散・休眠しているか調べる方法でも書いたとおりです。
都道府県別の活動中の件数は、東京都9,760、大阪府3,751、神奈川県3,746、北海道2,343、兵庫県2,332、埼玉県2,276、愛知県2,144、千葉県2,128、福岡県1,939の順です。ただし全法人に占める割合で見ると東京は少ない側で、活動中の全法人1,000社あたりのNPO法人数は全国10.8に対して、鹿児島県18.2、佐賀県17.5、鳥取県17.4、山梨県16.7、岩手県16.6が上位、広島県8.2、東京都8.3、愛知県8.8、大阪府8.9、福井県9.1が下位です。株式会社が集中する大都市圏ほどNPOの比率は薄まります。
所轄庁は都道府県と指定都市で計67あり、活動中の法人数は東京都8,593、大阪府1,735、埼玉県1,704、千葉県1,552、横浜市1,497、神奈川県1,421の順でした。横浜市・大阪市・名古屋市・札幌市・京都市・神戸市など、指定都市の法人はその市が所轄庁で、閲覧請求先も県ではなく市になります。
インボイス(適格請求書発行事業者)の登録率も見ておきます。活動中のNPO法人54,210のうち登録があるのは6,324法人(11.7%)で、全法人の49.3%と比べて大きく低い数字です。会費・寄附・助成金は消費税の課税売上ではないので登録の必要がない法人が多い、という構造の裏返しです。逆に登録があるNPO法人は、事業収益(課税売上)で回っている可能性が高い、と読めます。インボイス番号の逆引きで登録の有無は誰でも確認できます。
活動分野は内閣府の集計(2026年3月31日・49,070法人)で、第1号「保健、医療又は福祉の増進」が28,502法人、第2号「社会教育」25,019、第13号「子どもの健全育成」24,791、第19号「連絡、助言又は援助」23,718、第3号「まちづくり」22,752の順です。1法人が複数の分野を選べるので合計は法人数を超えます。うちのポータル集計でも、活動中49,146法人のうち1分野だけを選んでいるのは4,732法人で、最頻は3分野(8,156法人)でした。
よくある質問
NPO法人の事業報告書は本当に誰でも見られますか
見られます。NPO法30条は、所轄庁が「閲覧又は謄写の請求があったとき」に応じる義務を定めていて、請求者の資格を限定していません(社員や債権者に限られる株式会社の定款閲覧とは違います)。除かれるのは個人の住所・居所の部分だけです。内閣府NPO法人ポータルサイトに載っていれば、請求せずにその場で読めます。載っていない年度がある場合は、所轄庁(都道府県または指定都市のNPO担当課)に閲覧・謄写を請求します。
NPO法人の給料の平均はいくらですか
公的統計に「NPO法人職員の平均給与」はありません。内閣府の実態調査(令和5年度)が示すのは職員数の中央値4.0人、収益合計の中央値600.4万円といった規模の数字までです。個別の法人については、活動計算書の人件費(事業費と管理費の人件費の合計)を職員数で割ると、その法人が1人に払える上限が概算できます。うちのポータル集計では、人件費が経常費用に占める割合の中央値は44.3%、人件費ゼロの法人が25.8%でした。
「特定非営利活動法人」と名乗っていない団体もNPOですか
法4条で、特定非営利活動法人以外の者は名称に「特定非営利活動法人」またはこれに紛らわしい文字を使えません。逆に、法人の側が名称にこの語を入れる義務は条文にはなく、「NPO法人〇〇」と登記している法人がうちのDBに6,451件あります。「NPO」という語だけの任意団体(法人格のない市民団体)や一般社団法人も世の中にはあるので、法人番号の有無と、内閣府ポータルに載っているかどうかで見分けてください。法人格の違いは法人の種類一覧にまとめてあります。
認定NPO法人なら安心ですか
認定は「広く市民の支援を受けている」「運営組織が適正」であることを所轄庁が審査したもので、寄附を集める力の目印にはなります。認定・特例認定法人は2026年7月31日で1,313法人、認証法人の2.7%です。ただし認定は財務の健全性を保証する制度ではなく、実態調査でも認定法人の収益の48.2%は寄附金で、寄附が細れば収益も細ります。認定の有無より、活動計算書の収入源が続くかどうかを見るほうが、応募者にとっては実用的です。
解散していないのに事業報告書が数年出ていない法人はどう見ればいいですか
法43条1項は「3年以上にわたって事業報告書等の提出を行わないとき」を認証取消しの要件にしています。うちの集計では解散11,009法人のうち5,072法人(46.1%)が認証取消しで終わっていて、活動中の法人の監督情報9件のうち5件が「認証取消し(事業報告書の不提出)」でした。報告が途切れている法人は、活動が止まっているか、事務を担う人がいなくなっているかのどちらかであることが多く、有給の職を得る先としては慎重に見るべき状態です。代表者が誰かは会社の代表者名を調べる方法の手順で登記からも確認できます。
出典と集計の条件
- 特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条・第4条・第28条・第28条の2・第29条・第30条・第31条・第43条・第44条・第45条:e-Gov法令検索のAPIで2026年9月17日に取得した条文
- 内閣府NPO法人ポータルサイト:行政入力情報・法人入力情報の一括ダウンロード(2026年6月13日取得・全所轄庁分・法人情報URLで重複除去後60,155法人)。活動中49,146・解散情報あり11,009。活動計算書の集計は法人入力情報に経常収益の記入がある1,180法人(収益内訳は5科目が経常収益と整合する1,097法人、人件費率は経常費用の記入がある1,091法人)。法人入力情報は法人の自己申告で、国は内容を保証していない
- 内閣府「NPO認証・認定数の最新情報」:認証法人数48,813・認定1,277・特例認定36(2026年7月31日現在)、年度末認証法人数の推移(2021〜2025年度)
- 内閣府「特定非営利活動法人の活動分野別法人数」(2026年3月31日・49,070法人)
- 内閣府「令和5年度 特定非営利活動法人に関する実態調査」ポイント版:調査対象6,591法人・回収2,937法人(44.6%)・調査期間2023年7月19日〜10月3日
- しょくばログのデータベース(国税庁法人番号公表サイトを土台に構築):名称に「特定非営利活動法人」または「NPO法人」を含む71,063法人(活動中54,210・閉鎖16,853)、活動中の全法人5,028,697社、適格請求書発行事業者の登録は国税庁公表データとの突合(2026年9月17日集計)
- 会社法第31条(定款の備置き及び閲覧等)は会社の定款を閲覧する方法で確認済みの条文