✍ 古家あきら | 2026-09-25 更新

高卒採用を予定する会社は4社に1社(帝国データバンク調査)— 会社サイト31,529社で「高卒」の募集を書いている会社は8.4%、建設15.7%・製造12.7%だった(DB実測)

先に結論です。高卒の採用を予定している会社は全体の4社に1社で、会社の規模によって大きく差があります。 帝国データバンクの調査では、2027年度に高卒を採用する予定の企業は24.4%。大企業が42.7%なのに対して、小規模企業は11.2%でした。

しょくばログという全国の会社データベースを運営していて、会社ごとに公式サイトの採用ページなどの文章を保存しています。そこで、会社サイトに「高卒」の募集を書いている会社がどのくらいあるかを数えてみました。文字が十分に取れた31,529社のうち、採用の話の中で「高卒」「高校卒」などと書いている会社は2,653社(8.4%)。業種では建設(15.7%)と製造(12.7%)が多く、調査の結果と同じ並びになりました。

この記事は、就職を考えている高校生と保護者の方、高卒採用を始めたい中小企業の方に向けて書いています。

出典:2027年度の高卒採用に関する企業の意識調査(帝国データバンク・2026年9月25日)

出典:高卒採用、4社に1社 大企業は小規模の約4倍(帝国データバンク/Yahoo!ニュース・2026年9月25日)

調査で分かったこと

帝国データバンクの調査は、2026年8月18日から31日にインターネットで行われ、10,560社が回答しています(回答率47.9%)。数字は出典のとおりで、推測は混ぜていません。

「採用したいが、応募が来ない」「そもそも知ってもらえていない」という課題が上位に来ています。小規模な会社ほど採用予定の割合が低いのは、採用したくないからではなく、募集を出しても届かないと考えている会社が多いから、とも読めます。

会社サイトに「高卒」の募集を書いている会社を数えた

ここからが、しょくばログのデータです。

国税庁の法人番号データを台帳にして、会社ごとに公式サイトの採用ページなどの文章を保存しています。今回数えたのは、2026年6月11日から26日にかけて取得したもののうち、文字が十分に取れた31,529社分です。

新卒の採用について書いている会社は半分近くあるのに、高卒まで書いている会社はその7社に1社ほどです。「新卒募集」とだけ書いてあって、高卒を受け付けるのかどうかがサイトからは読めない会社が多い、ということになります。

もう一つ目につくのは、高卒の初任給などの金額まで書いている会社が4社に1社にとどまることです。高校生が会社を比べるときにまず気になる数字が、会社サイトには出ていないことが多いと言えます。

なお、高卒の求人は、高校に届く「高卒求人票」(ハローワークを通して学校へ出すもの)が中心です。会社サイトに書いていなくても、学校には求人を出している会社はあります。8.4%は「高卒採用をしている会社の割合」ではなく、「自社サイトで高卒の募集を見せている会社の割合」として読んでください。求人票の読み方は求人票の見方の記事にまとめています。

業種で見ると、建設と製造が多い

業種別に、「高卒」の募集を書いている会社の割合を出しました。業種はしょくばログが社名から推定した分類で、会社サイトの数が500社以上ある業種だけを並べています。

建設と製造が上位、不動産が下位という並びは、帝国データバンクの調査と同じです。現場で手を動かす仕事が多く、入社してから技術を身につけていく業種ほど、高卒を正面から募集していることが分かります。「学歴不問」も運輸(5.6%)や建設(4.7%)で多く、調査で紹介されていた、学歴を問わず意欲のある人を歓迎したいという建設会社の声とも重なります。

一方で、金融は調査では32.2%と高いのに、会社サイトでは5.9%でした。金融機関は採用専用のサイトを別に持っていたり、高卒の採用を学校経由だけで行っていたりする場合が多いと考えられます。業種ごとの辞める人の多さは業種別の離職率の記事で整理しています。

高校生と保護者が会社を調べるときに見るところ

高卒で入る会社を選ぶとき、会社サイトや求人票から確かめたいのは次の4つです。

1. 高卒の初任給と、その内訳が書いてあるか。 基本給と手当を分けて書いている会社は、入ってからの給料の見通しが立てやすいです。給料の書き方の見方は求人の給料の見方の記事をどうぞ。 2. 何年分、何人採って、何人残っているか。 調査でも「早く辞めてしまう」が課題の4位でした。採用人数と辞めた人数の調べ方は採用人数・離職者数の調べ方の記事にまとめています。 3. 入社してからの教え方が書いてあるか。 資格の取得支援や、先輩が付いて教える期間など、具体的に書いている会社は育てる準備ができている会社です。 4. 会社の年齢構成。 若い人がほとんどいない会社では、同年代の相談相手がいないことがあります。見方は会社の平均年齢の目安の記事に書きました。

高卒採用をしたい中小企業へ

調査では、小規模企業ほど採用の予定が少なく、「知名度が低い」が課題の2位でした。しょくばログのデータを見ても、自社サイトで高卒の募集をはっきり書いている会社は1割に届きません。

裏返すと、「高卒も募集しています」「初任給は〇〇円です」と自社サイトに書くだけで、サイトに書いていない多くの同業他社より見つけてもらいやすくなるということです。学校に出す求人票と同じ内容を、自社サイトにも載せておくことをおすすめします。高校生や保護者は、求人票を見たあとで会社名を検索して確かめるからです。

よくある質問

高卒で採用してくれる会社は、どうやって探せばいいですか?

中心は学校の進路指導室にある高卒求人票です。そのうえで、気になった会社名を検索して、会社サイトや法人番号の登録情報を確かめてください。会社サイトに高卒の募集が書いていなくても、学校には求人を出していることがあります。求人を出していない会社への応募については求人を出していない会社に応募できるかの記事に書いています。

大企業のほうが高卒を採っているなら、大企業を狙うべきですか?

調査では大企業の42.7%が高卒採用を予定していますが、それは「採用する会社の割合」で、1社あたりの枠の大きさや競争の激しさは別の話です。中小企業は応募が少ないぶん、1人に目をかけて育てる会社もあります。規模だけで決めず、上の4つを確かめてから比べてください。中小企業の定義は中小企業の定義の記事にまとめています。

会社サイトに「新卒募集」としか書いていない会社は、高卒を受け付けていないのですか?

そうとは限りません。しょくばログが数えた範囲では、新卒について書いている会社のうち、高卒まで書いている会社は14.3%でした。書いていないだけの会社も多いので、学校を通して問い合わせるのが確実です。

学歴不問と書いてある会社は、高卒でも大卒と同じ扱いですか?

「学歴不問」は応募できる条件の話で、初任給や昇給まで同じとは限りません。高卒と大卒で初任給を分けている会社もあるので、金額と内訳は必ず確かめてください。気になる会社の見分け方はブラック企業の見分け方の記事も参考になります。

まとめ

※しょくばログの数字は、2026年6月11日〜26日に取得した会社サイトの文章を機械的に数えたものです。言葉の出てくる位置で判定しているため、実際の採用状況とずれる場合があります。業種は社名から推定した分類です。

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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