✍ 古家あきら | 2026-09-02 更新

会社の平均年齢の目安は43.4歳 — でも平均年齢だけでは、その会社のことは何も分からない

先に結論です。会社の平均年齢の目安は、全国平均で44.4歳(厚生労働省の賃金構造基本統計調査・一般労働者)。厚生労働省のしょくばらぼに平均年齢を載せている会社2,571社で数えると、中央値は43.4歳、真ん中の半分は39.4歳〜47.1歳に収まります。40歳前後なら「普通」、35歳を切ると「かなり若い」、50歳を超えると「かなり高い」という感覚で大きく外しません。

ただし、この記事で本当にお伝えしたいのはその先です。平均年齢という数字は、単独ではほとんど何も語りません。 うちのデータで平均年齢が低い会社を抜き出して中身を見ると、きれいに2種類に割れました。片方は創業年の中央値が1997年の新しい会社、もう片方は創業年の中央値が1967年の老舗です。同じ「平均年齢38歳」でも、意味がまるで違います。

しょくばログという全国の会社データベースを運営していると、「応募先の平均年齢が32歳だった。若すぎて不安だ」「平均年齢48歳の会社は入りづらいか」という趣旨のご相談をいただきます。その不安は、平均年齢だけを見ているかぎり解消しません。 必要なのはもう1つの数字です。

まず現実 — 平均年齢は、そもそもほとんど公表されていない

調べ方の話をする前に、身も蓋もない事実からお伝えします。会社の平均年齢は、外からはまず手に入りません。

うちのデータベースには、厚生労働省が公開しているしょくばらぼの一括CSV(146,479社分)を取り込んでいます。このなかで「従業員の平均年齢」を記入している会社は、2,577社。全体の1.76%です。国税庁の法人番号データで数えた活動中の法人4,988,967社に対しては、約1,936社に1社でしかありません。

上場企業なら有価証券報告書の「従業員の状況」に平均年齢が必ず載りますが、上場企業は全国で約4,000社。99.9%の会社は上場していません(会社が上場しているか調べる方法)。求人票に「平均年齢◯歳」と書いてある会社もありますが、それは会社が任意で書いた自己申告で、いつ時点のどの範囲かは書かれていないのが普通です。

つまり、「応募先の平均年齢を調べたい」という入口に立った時点で、そもそも見つからない可能性のほうが圧倒的に高い。まずここを織り込んでください。見つからなかったときに何を見るかは、この記事の後半でまとめます。

目安の数字 — 44.4歳が全国平均

手に入る範囲での目安を整理します。

全国平均44.4歳と、うちの集計の中央値43.4歳は、母集団の作り方がまったく違うのに1歳しか離れていません。片方は国が抽出した52,242事業所の統計、もう片方は自分で公表することを選んだ2,571社の集計です。別ルートの数字が近い位置に来ているので、「40代前半が真ん中」という感覚は信頼して使えます。

なお「平均年齢が◯歳だから良い/悪い」という基準は存在しません。あるのは同業・同規模と比べてどうかだけです。次の2節がその比較軸になります。

業種で10歳ちがう — 建設46.1歳、情報通信36.2歳

平均年齢は業種でごっそり変わります。うちの集計(掲載30社以上の業種)はこうなりました。

建設業と情報通信業で約10歳の開きがあります。そしてこの並びは、国の統計ともきれいに一致します。賃金構造基本統計調査の産業別の平均年齢は、運輸業,郵便業48.7歳、鉱業,採石業,砂利採取業48.5歳、建設業45.5歳、製造業44.1歳、医療,福祉44.0歳に対して、情報通信業は40.2歳で16大産業のなかで最も低い。うちの集計は自発的に公表した会社に偏っているので絶対値はずれますが、業種の順序は国の統計と同じ方向を向いています。

だから、平均年齢を見るときは必ずその会社の業種を確認してください(会社の業種を調べる方法)。建設業の38歳は「かなり若い」、情報通信業の38歳は「やや高め」です。同じ38歳でも意味が逆になります。

規模では逆に動く — 小さい会社ほど平均年齢は高い

もうひとつ、直感に反する動きがあります。従業員数が少ない会社ほど、平均年齢は高いのです。

うちの集計(従業員数の記載がある会社)はこうでした。

賃金構造基本統計調査でも同じ方向です。大企業(常用労働者1,000人以上)43.4歳、中企業(100〜999人)44.1歳、小企業(10〜99人)46.0歳。国の統計でも、規模が小さいほど平均年齢は高くなっています。

理由は、次に出す勤続年数と並べると見えてきます。同じ賃金構造基本統計調査の平均勤続年数は、大企業14.1年、中企業12.4年、小企業11.5年。うちの集計(男性の平均継続勤務年数の中央値)では差がもっと大きく、100人以下8.0年、101〜300人12.9年、301〜1,000人13.5年、1,001人以上15.4年でした。

つまり小さい会社は「年齢は高いのに、勤続は短い」。新卒でまとめて採ってそのまま育てるのではなく、すでに年齢を重ねた人を中途で迎え入れている構図です。これは良い悪いの話ではなく、その会社に入る人の入り方の違いです。従業員数の調べ方は会社の従業員数を調べる方法、規模の判定は会社の規模を調べる方法にまとめています。

核心 — 平均年齢が低い会社は、2種類ある

ここがこの記事のいちばん重要なところです。

うちのデータで、平均年齢と平均勤続年数の両方を公表している2,542社を、それぞれの中央値(年齢43.5歳/勤続11.9年)で4つに分けました。そして各グループの創業年を調べたところ、こうなりました。

「平均年齢が低い」会社のなかで、創業1997年の会社と創業1967年の会社がきれいに分かれました。 前者は会社そのものが若いので、社員の年齢も勤続年数も自然と短くなります。後者は50年以上続いている老舗なのに社員が若い、つまり世代交代が進んでいるか、若手を継続的に採り続けている会社です。

この2つは、平均年齢だけを見ているかぎり絶対に区別できません。区別する鍵は勤続年数と創業年です。設立年の調べ方は会社の設立年月日を調べる方法、老舗と新興の読み分けは老舗の会社と新しい会社の見分け方にまとめました。

使える裏ワザ — 平均年齢から勤続年数を引く

平均年齢と平均勤続年数の両方が載っていたら、引き算してください。出てくるのは、その会社の社員が「だいたい何歳のときに入社したか」の目安です。

うちの2,542社で計算すると、中央値は30.6歳(25%点27.1歳/75%点35.0歳)。45.0%の会社が30歳未満(新卒採用が主力)、25.1%が35歳以上(中途採用が主力)でした。

業種で並べると、その会社の採り方が透けて見えます。

規模別では、100人以下31.3歳/101〜300人28.8歳/301〜1,000人27.4歳。小さい会社ほど、入ってくる人の年齢が高い。前節の「年齢は高いが勤続は短い」と同じことを、別の角度から言っています。

この数字が30歳を大きく超える会社は、中途入社が当たり前の環境です。30代・40代で入っても浮きません。逆に27〜28歳あたりの会社は新卒が中心で、中途入社は少数派になります。どちらが良いという話ではなく、自分がどちらの入り方をするかで、居心地の予想が変わります。

「平均年齢が低い=辞める会社」は、データでは支持されない

「平均年齢が低いのは、みんなすぐ辞めるからでは」という不安は、よく聞きます。うちのデータで確かめました。

しょくばらぼには、直近3年の新卒採用者数と、そのうちの離職者数を記入する欄があります。両方そろっている1,796社を、平均年齢の中央値で2つに分けて、合算の離職率を出しました。

離職率はほとんど変わりません(15.5%と14.9%)。一方、同じデータを勤続年数で分けると、はっきり差がつきました。

約1.5倍の差です。つまり、新卒が辞めるかどうかを予測するなら、平均年齢ではなく平均勤続年数を見るべきだということになります。平均年齢が低いことそのものを心配する必要は、データ上ほとんどありません。

※この離職率は、直近3年に採用した新卒者の合計に対する離職者数の合計の割合です。厚生労働省が公表している「就職後3年以内離職率」(令和4年3月卒で大卒33.8%・高卒37.9%)とは数え方が違うので、水準の比較はできません。同じ計算方法どうしの比較としてお読みください。離職率そのものの調べ方は会社の離職率を調べる方法にまとめています。

平均年齢が載っていなかったら、代わりに何を見るか

冒頭で書いたとおり、平均年齢が見つかる確率は1.76%です。見つからなかったときの代替を、手に入りやすい順に並べます。

会社を特定するときは、社名の表記ゆれで迷わないように法人番号で引くのが確実です(会社名から法人番号を調べる方法)。応募前にまとめて確認したい項目は面接前5分でできる会社研究チェックリストに一覧化しています。

よくある質問

会社の平均年齢は何歳が理想ですか?

理想の平均年齢というものはありません。 業種で10歳、規模で数歳変わるので、絶対的な基準を作れないからです。判断するなら「全国平均44.4歳」ではなく、同業・同規模と比べて何歳離れているかで見てください。建設業の40歳は若く、情報通信業の40歳はやや高い、という具合に評価が反転します。

平均年齢50歳の会社はやばいですか?

それだけでは何も判断できません。 賃金構造基本統計調査でも運輸業,郵便業48.7歳、鉱業,採石業,砂利採取業48.5歳と、業界全体が50歳近い産業があります。見るべきは「50歳」という数字ではなく、同業の相場からどれだけ離れているかと、若手の採用が続いているかです。後者は求人の出方で分かります。むしろ、平均年齢が高くて勤続年数が短い会社(うちの集計で459社、創業年の中央値1982年)のほうが、中途入社が多い=入れ替わりが起きている可能性を含みます。

会社の平均年齢はどうやって出しているのですか?

各社が自分で計算した数字を任意で公表しているだけで、計算方法の統一ルールはありません。正社員だけなのか契約社員も含むのか、いつ時点なのかは会社次第です。一方、賃金構造基本統計調査の平均年齢は「調査対象期日現在の満年齢の平均」と定義され、10人以上の常用労働者を雇用する民営事業所52,242事業所を集計したものです。会社が出した数字と国の統計は、同じ「平均年齢」でも別ものとして扱ってください。

平均年齢と平均勤続年数、どちらが役に立ちますか?

平均勤続年数です。 理由は2つあります。ひとつは手に入りやすさで、しょくばらぼの公表率は平均年齢1.76%に対し勤続年数11.5%、301人以上の会社にかぎれば約半分が公表しています。もうひとつは予測力で、新卒の離職率は平均年齢で分けてもほとんど差が出ない(15.5%対14.9%)のに、勤続年数で分けると1.5倍の差(17.6%対11.9%)が出ました。片方しか手に入らないなら、勤続年数を取ってください。

男女で平均勤続年数に差はありますか?

あります。うちの集計(16,679社)では、男性のほうが長い会社が72.6%、女性のほうが長い会社が24.0%、同じが3.4%で、差の中央値は2.0年(男性が長い)でした。中央値そのものは男性12.7年・女性10.0年です。賃金構造基本統計調査でも男14.2年・女10.4年で同じ方向でした。この差は女性活躍推進法にもとづく公表項目のひとつで、差が小さい会社は、性別による働き続けやすさの偏りが小さいと読めます。関連する公表項目は会社の育休取得率・女性管理職比率を調べる方法にまとめました。

平均年齢が若い会社は残業が多いですか?

しょくばらぼのデータでは、そう決めつけられる関係は見えません。残業時間そのものを調べる手順は応募先の残業時間・有給消化率を外から調べる方法にまとめてあり、そもそも残業時間を公表している会社が約314社に1社しかないところから始まります。年齢構成から労働時間を推測するより、残業時間そのものを探すほうが早いです。求人票の書き方から危険信号を読む方法はブラック企業の見分け方にまとめています。

この記事の数字について

平均年齢の記載率(146,479社中2,577社・1.76%、規模別の1.9%/1.8%/0.6%/0.4%)、平均年齢の中央値43.4歳と四分位、業種別・規模別の中央値、平均継続勤務年数の記載率(11.48%、規模別3.4%/19.0%/47.4%/58.8%)と中央値、男女差の分布、平均年齢と勤続年数による4象限と各群の創業年、平均年齢から平均勤続年数を引いた推定入社時年齢の分布、新卒採用者に対する離職者数の割合は、厚生労働省「職場情報総合サイト しょくばらぼ」の一括ダウンロードCSV(公的オープンデータ・2026年6月10日版)を2026年6月11日にしょくばログのデータベースへ取り込んだ146,479社分を、当社が独自に集計したものです。厚生労働省が公表している統計ではありません。 平均年齢や勤続年数を公表するかどうかは会社の任意であるため、掲載社に限った集計には「自発的に公表した会社」に偏るバイアスがあります。活動中の法人4,988,967社は、国税庁の法人番号公表データを元にしたしょくばログのデータベース(2026年9月2日時点)の集計です。

全国平均の平均年齢・平均勤続年数(一般労働者 男女計44.4歳・12.7年、男45.2歳・14.2年、女43.2歳・10.4年)、企業規模別(大企業43.4歳・14.1年、中企業44.1歳・12.4年、小企業46.0歳・11.5年)、産業別の平均年齢、企業規模の定義(常用労働者1,000人以上=大企業、100〜999人=中企業、10〜99人=小企業)、調査対象79,321事業所・有効回答59,836事業所(75.4%)・概況の集計対象52,242事業所は、厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査 結果の概況」によります。

新規学卒就職者の就職後3年以内離職率(令和4年3月卒業者・大学33.8%・高校37.9%、および事業所規模別の大卒5人未満57.5%〜1,000人以上27.0%)は、厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」(令和7年10月24日公表)によります。

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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