✍ 古家あきら | 2026-10-07 更新

会社概要の見方と、会社概要がない会社 — 会社サイト3万1,159社で数えた項目ごとの記載率(資本金40.4%・従業員数34.8%)

先に結論です。会社概要は、項目によって「ほぼ載っているもの」と「半分も載っていないもの」がはっきり分かれます。 しょくばログが保存している会社サイト31,159社で数えると、所在地は86.7%のサイトに載っていましたが、設立年は44.3%、資本金の金額は40.4%、従業員数は34.8%、売上高は10.1%でした。

つまり、資本金や従業員数が書いていない会社は珍しくありません。 書いていないことだけで「怪しい」と決めるのは早すぎます。足りない項目は、登記や法人番号の情報で埋められます。

しょくばログという会社データベースを運営していると、「会社概要が見当たらないけど、この会社は大丈夫か」という問い合わせを受けることがあります。そこで今回は、会社サイトの本文を実際に数えて、どの項目がどのくらい載っているのかを確かめました。

会社概要に載る項目と、そこから分かること

会社のサイトに会社概要を載せることを、一般的に義務づける法律はありません(通信販売をしている会社の「特定商取引法に基づく表記」は別の話です)。そのため、載せる項目も書き方も会社ごとにばらばらです。よく見かける項目を、分かることと合わせて整理します。

所在地・代表者・事業内容(基本の3つ)

事業内容の読み方は会社の事業内容の調べ方で詳しく書いています。

設立・資本金・従業員数(規模と歴史)

資本金の額の受け止め方は資本金が少ない会社は危ないのかにまとめています。

売上高・取引銀行・沿革(載せる会社が限られる項目)

しょくばログのデータ:会社概要の項目はどれだけ載っているか

しょくばログが保存している会社サイト31,159社の本文を、項目ごとに数えました(2026年10月7日集計)。設立・資本金・従業員数・売上高は、見出しの単語だけでなく、近くに年や金額・人数が書かれているものだけを数えています。

項目ごとの記載率

所在地・代表者・事業内容・設立・資本金・従業員数の6項目がすべてそろっていたのは6,002社(19.3%)でした。反対に、6項目が1つも見つからなかったのは2,143社(6.9%)です。

数えていて意外だったのは、法人番号を載せている会社が1.6%しかなかったことです。会社を一意に特定できる番号なのに、サイトに書く習慣はほとんど広がっていません。

業種別に見ると、医療・福祉と教育は見出し自体が少ない

業種別の記載率です(「見出し」は会社概要・会社案内などの見出しがあるサイトの割合)。

製造業・情報通信業・卸売小売業は、資本金を載せる会社が半分を超えます。企業どうしの取引が中心の業種なので、取引先に向けて規模を示す意味合いが大きいのだと考えています。

建設業は見出しこそ9割以上にあるのに、設立・資本金・従業員数の記載が3割前後にとどまりました。建設業のサイトは、施工事例や建設業許可の番号を前面に出し、会社概要は住所と代表者程度に済ませているところが多いのではないかと見ています。

医療・福祉と教育は、そもそも「会社概要」という見出しが半分ほどのサイトにしかありません。病院・介護施設・学校のサイトは「施設案内」「法人案内」「園の紹介」のような別の名前で情報を載せることが多く、会社のサイトと作りが違うためです。

法人の種類別に見ると、資本金が無い法人もある

「その他の設立登記法人」には、医療法人・社会福祉法人・一般社団法人などが入ります。こうした法人には株式会社のような資本金がないことが多く、資本金の記載率が2.2%なのはそのためです。資本金が書いていない=隠している、とは限りません。

合同会社は、見出しも各項目も株式会社より低めでした。設立から日が浅く、サイト自体が簡素な会社が多いことが影響していると考えています。

会社概要がない会社をどう見るか

見出しが1つも見つからなかったサイトは4,862社(15.6%)でした。ただし、そのうち1,187社(24.4%)は6項目のどれも見つからなかった一方、残りの会社は所在地や代表者など何かしらの項目を、別のページや本文の中に書いていました。

「会社概要」というページがないことと、会社の情報が何も無いことは別です。 トップページの下の方(フッター)に住所と代表者だけ書いている会社や、採用ページの中に会社データを載せている会社もあります。

会社概要が見つからないときに確かめる順番

1. サイトの中を探す:フッター、「アクセス」「お問い合わせ」「採用情報」「特定商取引法に基づく表記」のページに、住所や代表者が書いてあることがあります 2. 法人番号で確かめる:国税庁の法人番号公表サイトで社名を検索すると、商号・本店所在地・法人番号が分かります。手順は法人番号の調べ方にあります 3. 登記で確かめる:設立年月日・資本金の額・役員の名前は登記に載っています。登記の見方は会社の設立日の調べ方が参考になります 4. 実在と活動を確かめる:住所が実在するか、今も営業しているかは、会社の実在と倒産の確認方法の手順で見られます

サイトがそもそも見つからない場合は、会社名で検索しても出てこないときを、店名しか分からない場合は店名・サイト名から運営会社を調べる方法を参照してください。

気をつけたいのは「書いてあることが登記と合わない」場合

会社概要が無いことよりも注意したいのは、会社概要に書いてある内容が、法人番号や登記の情報と合わない場合です。

食い違いがあっても、更新漏れであることがほとんどです。気になるときは、その会社に直接問い合わせて確かめるのが確実です。実体のない会社の見分け方は幽霊会社の見分け方で扱っています。

よくある質問

会社概要を載せていない会社は怪しいのですか?

それだけでは判断できません。しょくばログの集計では、会社概要などの見出しが見つからないサイトが15.6%ありました。医療・福祉や教育のように、別の名前のページで情報を出す業種もあります。法人番号や登記で社名・所在地が確かめられるかを見てください。

資本金が書いていないのはなぜですか?

公開する義務がなく、載せない会社が多いためです。会社サイトで資本金の金額が見つかったのは40.4%でした。医療法人や社会福祉法人など、もともと資本金がない法人もあります。株式会社の資本金の額は登記で確認できます。

会社概要の従業員数は、どこまで信用できますか?

正社員だけの数か、パート・アルバイトや役員を含むか、グループ全体の数かで変わります。書き方の基準は会社ごとに違うため、比べるときは「何を含む数か」を確かめてください。採用面接で直接聞くのも一つの方法です。

設立と創業はどう違いますか?

設立は法人として登記した日、創業は事業を始めた日です。個人事業として始めて後から会社にした場合や、前身の会社がある場合は、創業の方が古くなります。集計では、年の記載つきで「創業」を載せているサイトが18.9%ありました。

会社概要の情報が古いままのことはありますか?

あります。社長の交代、本社の移転、社名変更、増資などがあっても、サイトの更新が遅れることは珍しくありません。最新の社名と所在地は法人番号公表サイト、役員と資本金は登記で確かめるのが確実です。

データについて

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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