✍ 古家あきら | 2026-09-13 更新
従業員数の「節目」で会社に生じる義務 — 10人・37.5人・50人・51人・101人・301人で何が変わるか、14万社の分布で読む
先に結論です。会社に生じる義務は、従業員数の6本の線で段階的に増えます。
- 10人 … 就業規則の作成と労働基準監督署への届出(事業場単位)
- 37.5人 … 障害者の雇用義務(2026年7月から。それまでは40.0人・会社単位)
- 50人 … 産業医・衛生管理者・衛生委員会・ストレスチェック・健康診断結果の報告(事業場単位)
- 51人 … パート・アルバイトの厚生年金・健康保険の適用(会社単位・被保険者数で数える)
- 101人 … 女性活躍の行動計画と情報公表(2026年4月から男女賃金差と女性管理職比率が必須)、子育て支援の行動計画、障害者雇用納付金(100人超)
- 301人 … 男女賃金差の公表(2022年7月〜)、中途採用比率の公表(2021年4月〜)、男性育休取得率の公表(300人超・2025年4月〜)
しょくばログという会社データベースを運営していると、「応募先は従業員80人と書いてあるが産業医はいるのか」「取引先が40人規模なのに障害者を雇っていないのは違反か」という質問を、求職者と取引担当者の両方からいただきます。答えは線ごとに違ううえに、線には「事業場ごとに数える線」と「会社全体で数える線」の2種類があり、ここを混同すると判断を間違えます。
この記事では6本の線を1枚に整理し、うちのデータベースで従業員数の分かる144,755社が、それぞれの線をどれだけ超えているかを数えました。結果だけ先に書くと、10人以上が73.8%、50人以上が39.2%、101人以上が29.3%、301人以上が11.2%です。従業員数そのものの調べ方は会社の従業員数を無料で調べる4つの方法、少人数の会社をどう読むかは社員数が少ない会社は危ないのかに書いてあります。この記事は「人数が分かったあと、その会社に何の義務があるはずか」を逆算するための記事です。
最初に押さえること — 「事業場単位」と「会社単位」は別物
線を読む前に、ひとつだけ前提があります。労働基準法と労働安全衛生法の線は「事業場」単位、社会保険・女性活躍・育児介護休業法・障害者雇用の線は「会社(事業主)」単位です。
事業場とは、本社・支店・工場・店舗のように、場所ごとに独立して業務が行われている単位のことです。たとえば従業員120人の会社が、本社40人・工場50人・営業所30人に分かれている場合、産業医の選任義務(50人の線)があるのは工場だけで、本社と営業所にはありません。一方で、女性活躍推進法の101人の線は会社全体の120人で見るので、この会社には行動計画の策定義務があります。
求人票やgBizINFOに載っている従業員数は、原則として会社全体の人数です。したがって、その数字から直接読めるのは会社単位の線(37.5人・51人・101人・301人)で、事業場単位の線(10人・50人)は「その規模ならおそらく超えている事業場がある」という推定にとどまります。以下、この違いを線ごとに明記します。
10人の線 — 就業規則の届出と、衛生推進者
常時10人以上の労働者を使用する事業場は、就業規則を作成して労働基準監督署に届け出なければなりません(労働基準法第89条)。パート・アルバイトも人数に含みます。逆に言えば、10人未満の事業場には就業規則の作成義務がなく、「就業規則がない」ことは違法ではありません。
もうひとつ、労働安全衛生法では常時10人以上50人未満の事業場に「衛生推進者」(製造業・建設業などの一部業種では「安全衛生推進者」)の選任が義務づけられています(同法第12条の2)。産業医のような外部の専門家ではなく、社内の担当者を指名する仕組みなので、応募者から見えることはほとんどありませんが、「50人未満は安全衛生の担当が誰もいなくてよい」わけではない、という点は覚えておいてよいと思います。
求職者にとっての実務的な意味は、10人以上の職場なら「就業規則を見せてください」と言える根拠がある、ということです。就業規則は労働者に周知する義務があり(労働基準法第106条)、内定後に閲覧を求めるのは正当な要求です。
37.5人の線 — 障害者の雇用義務(2026年7月から)
民間企業の障害者法定雇用率は、2024年4月から2.5%、2026年7月から2.7%に引き上げられました。雇用義務の対象は「法定雇用率で1人以上の雇用が必要になる規模」で、2.5%のときは従業員40.0人以上、2.7%になった2026年7月からは37.5人以上の事業主です(厚生労働省 大分労働局の案内による)。これは会社単位で、週30時間以上の労働者を1人、週20時間以上30時間未満の労働者を0.5人として数えます。
さらに常用労働者100人超の会社で法定雇用率に届かない場合は、不足1人あたり月額5万円の障害者雇用納付金を納めることになります(高齢・障害・求職者雇用支援機構の制度概要による)。逆に100人以下の会社は納付金の対象外で、一定数を超えて雇用していれば報奨金(1人あたり月額2万1千円)の対象になります。つまり、37.5人〜100人の会社は「雇用義務はあるが納付金はない」帯です。
冒頭の質問に戻ると、「40人規模の取引先が障害者を雇っていない」のは、2026年7月以降は義務の対象(法定雇用障害者数1人)であり、未達成なら毎年6月1日時点の状況をハローワークに報告し、指導を受ける立場です。ただし、未達成がただちに企業名公表に至るわけではありません。その実態は障害者雇用率が未達成の会社は公表される?に書きました。
50人の線 — 産業医・衛生委員会・ストレスチェック・健診結果の報告
会社の義務がいちばん大きく変わるのが50人の線で、すべて事業場単位です。常時50人以上の労働者を使用する事業場には、次の義務が一度にかかります。
- 産業医の選任(労働安全衛生法第13条)。50〜999人の事業場は嘱託でよく、1,000人以上(有害業務に500人以上を従事させる事業場を含む)は専属の産業医、3,001人以上は2人以上の産業医が必要です。厚生労働省の資料では、49人以下の事業場は「選任義務なし(医師等による健康管理等の努力義務)」と整理されています
- 衛生管理者の選任(同法第12条)と衛生委員会の設置(同法第18条)。製造業・建設業・運輸業など一部の業種では安全管理者・安全委員会も必要です
- ストレスチェックの実施(同法第66条の10)。現在は50人未満の事業場は努力義務ですが、2025年5月公布の改正法により、2028年4月1日から労働者数50人未満の事業場にも義務化されます(厚生労働省 滋賀労働局の案内による)
- 定期健康診断結果報告書の提出(労働安全衛生規則第52条)。健康診断そのものは人数にかかわらず全事業場の義務ですが、結果を労働基準監督署に報告する義務は50人以上の事業場だけです
求職者から見ると、「産業医がいる」「ストレスチェックがある」「衛生委員会で残業や休職の話が議題に上がる」のは、いずれも50人以上の事業場で法律上あるはずの仕組みです。従業員数200人の会社でも、応募先の店舗が15人なら、その店舗に産業医の選任義務はありません。面接で「産業医はいますか」と聞くなら、「この事業所は何人ですか」とセットで聞くのが正確です。
51人の線 — パート・アルバイトの社会保険(会社単位、しかも「被保険者数」)
50人の線と1人違いで紛らわしいのが、社会保険の51人の線です。これは労働安全衛生法とは無関係で、厚生年金保険の被保険者数が51人以上の会社(特定適用事業所)で働く短時間労働者に、厚生年金・健康保険への加入義務が生じる線です。2024年10月からこの規模になりました。
数え方に2つ注意があります。第一に、数えるのは従業員数ではなく厚生年金の被保険者数です。日本年金機構の案内では「法人事業所の場合は、同一法人格に属する(法人番号が同一である)すべての適用事業所の被保険者数の総数」で判定するとされており、事業場単位ではなく法人番号単位です。第二に、加入対象になる短時間労働者は、週の所定労働時間20時間以上・所定内賃金が月額8.8万円以上・2か月を超える雇用見込み・学生でない、の全部を満たす人です。
この線は今後も動きます。日本年金機構の案内では、特定適用事業所の規模要件は2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上へ段階的に引き下げられる予定です。つまり「うちは50人以下だからパートは社会保険に入れなくていい」という状態は、あと数年で大半の会社について終わります。
なお、正社員については人数の線はありません。法人は従業員が1人でも厚生年金・健康保険の強制適用です。会社が加入しているかどうかは法人番号で無料で確認できるので、手順は応募先が社会保険に入っているか確認する方法を読んでください。
101人の線 — 女性活躍と子育て支援の行動計画、2026年4月から公表項目が増えた
常時雇用する労働者が101人以上の会社には、女性活躍推進法にもとづく一般事業主行動計画の策定・届出と、情報公表の義務があります。そして2026年4月1日施行の改正で、101〜300人の会社にも「男女間賃金差異」と「女性管理職比率」の公表が必須になりました。厚生労働省の案内では、101〜300人の会社は男女間賃金差異・女性管理職比率に加えて選択項目1つ以上の合計3項目以上、301人以上は選択項目2つ以上の合計4項目以上を公表することになっています。
同じ101人の線で、次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画(子育て支援の計画)の策定・届出も義務になります。100人以下は努力義務です。
ここで注意したいのは、「義務がある=厚生労働省のサイトに載っている」ではないことです。公表は自社サイトでも構わないため、厚生労働省の「女性の活躍推進企業データベース」や「しょくばらぼ」に数字が無くても、違反とは限りません。うちのデータベースで、しょくばらぼに掲載されている146,357社の男女賃金差異の掲載率を規模別に数えると、101〜300人で20.2%、301〜1,000人で90.1%と、301人の線でくっきり段差が出ます(101〜300人は2026年4月に義務化されたばかりで、初回の公表期限がまだ来ていない会社が多い段階の数字です)。この段差の詳しい読み方は会社の育休取得率・女性管理職比率を調べる方法にまとめてあります。
301人の線 — 賃金差・中途採用比率・男性育休の「公表」が3つ重なる
301人(または300人超)の線には、外から会社を見るときに使える「公表義務」が3つ重なっています。
- 男女間賃金差異の公表(女性活躍推進法、2022年7月8日〜)。301人以上の会社は、全労働者・正規・非正規の3区分で、男性の賃金に対する女性の賃金の割合を公表します
- 正規雇用労働者の中途採用比率の公表(労働施策総合推進法、2021年4月1日〜)。常時雇用する労働者301人以上の会社は、直近3事業年度の各年度の中途採用比率をおおむね年1回公表します
- 男性の育児休業取得率の公表(育児・介護休業法)。2023年4月から常時雇用する労働者1,000人超の会社が対象でしたが、2025年4月1日から300人超に拡大されました
この3つは、いずれも「会社が自分で公表した数字」です。求人票の「アットホームな職場」よりも、公表義務のある数字のほうが比較に向きます。従業員数が301人を超える会社に応募するなら、この3つの数字は「あるはず」なので、探して見つからなければ面接で聞いてよい項目です。
うちのデータで、各線を超えている会社はどれだけあるか
ここからが、うちのデータベースでしか出せない数字です。国税庁の法人番号データを土台にした活動中の法人4,988,967社のうち、経済産業省gBizINFOから取り込んだ従業員数が分かるのは144,755社。この144,755社が、各線を超えている割合は次のとおりです(会社全体の人数で見ているので、10人・50人の線は「事業場単位」の推定にすぎない点は先に書いたとおりです)。
- 10人以上(就業規則の届出)… 106,839社・73.8%
- 38人以上(障害者雇用義務・2026年7月〜)… 64,060社・44.3%(40人以上で見ると62,832社・43.4%)
- 50人以上(産業医・衛生委員会・ストレスチェック)… 56,747社・39.2%
- 51人以上(短時間労働者の社会保険)… 55,855社・38.6%
- 101人以上(女性活躍の行動計画・公表、納付金)… 42,423社・29.3%
- 301人以上(賃金差・中途採用比率・男性育休の公表)… 16,168社・11.2%
- 1,001人以上(旧・男性育休公表の線)… 4,265社・2.9%
中央値は28人です。線の数だけ見ると、6本のうち10人の線しか超えていない会社が最多で、10人以上38人未満の会社が42,779社(29.6%)あります。つまり従業員数の分かる会社の3割は、「就業規則はあるが、産業医も障害者雇用義務もパートの社会保険適用拡大もない」帯にいます。
ただし、この144,755社は日本の会社全体より大きい側に偏っています。gBizINFOに従業員数が載るのは補助金や国の調達などで国に情報を出した会社が中心で、中小企業庁の集計では日本の企業の84.5%が小規模事業者(製造業等20人以下・商業サービス業5人以下)です。実際の日本では、線を1本も超えていない会社の割合はうちの数字より大きいと読んでください。
障害者雇用の線が40人から37.5人に動いて、新たに対象になった会社
2026年7月の変更で、従業員38人と39人の会社が新たに雇用義務の対象になりました。うちのデータで従業員数が38人の会社は649社、39人が579社で、合計1,228社が今回の変更で「義務なし」から「1人以上の雇用義務あり」に変わった計算です(週20〜30時間の短時間労働者を0.5人と数える実際の判定とは異なる、単純な人数での集計です)。
社会保険の適用拡大で、これから対象に入る帯
51人の線が36人→21人→11人と下がっていくと、どれだけの会社が新たに対象に入るのか。従業員数の分かる144,755社を帯で切ると、こうなります(被保険者数ではなく従業員数での近似です)。
- 11〜20人 … 20,734社(14.3%)… 2032年10月に対象
- 21〜35人 … 17,133社(11.8%)… 2029年10月に対象
- 36〜50人 … 9,523社(6.6%)… 2027年10月に対象
- 51人以上 … 55,855社(38.6%)… すでに対象
- 1〜10人 … 40,804社(28.2%)… 現時点の予定では対象外
今は対象外の会社のうち、2032年までに半分強(11人以上の47,390社・53.3%)が対象に入る計算です。パートで働く人にとっては、「小さい会社だから社会保険に入れない」が数年で前提から変わります。
業種で「50人以上の会社」の割合はこれだけ違う
50人の線(産業医・衛生委員会・ストレスチェック)を会社全体の人数で超えている割合を業種別に見ると、幅があります。従業員数の分かる会社が2,000社以上ある業種だけ並べます。
- 運輸業,郵便業(5,326社)… 65.1%
- 製造業(27,198社)… 50.9%
- 教育,学習支援業(2,523社)… 47.8%
- 金融業,保険業(2,070社)… 44.3%
- 医療,福祉(22,211社)… 44.1%
- 情報通信業(10,375社)… 42.9%
- 宿泊業,飲食サービス業(6,269社)… 41.5%
- サービス業(他に分類されない)(11,680社)… 41.0%
- 卸売業,小売業(16,418社)… 39.2%
- 不動産業,物品賃貸業(3,898社)… 27.7%
- 学術・専門技術サービス業(7,645社)… 21.7%
- 生活関連サービス業,娯楽業(5,553社)… 20.0%
- 建設業(19,387社)… 18.0%
運輸と建設で3倍以上の開きがあります。ただし建設業や飲食業は、会社全体で50人を超えていても現場や店舗が分かれていて、1事業場あたりの人数が50人に届かないことが普通です。逆に製造業は工場に人が集まるので、会社の人数と事業場の人数が近い。「50人以上の会社」と「50人以上の事業場」の差は、業種によって大きく違うということです。
求職者と取引担当者は、この線をどう使うか
線の使い道は「その規模なら、あるはずのものを確認する」逆算です。
- 従業員10人以上の職場に応募する … 就業規則があるはず。内定後に閲覧を求める。無いと言われたら、届出義務のある事業場かどうか(その事業所の人数)を確認する
- 従業員50人以上の事業所に応募する … 産業医・ストレスチェック・衛生委員会があるはず。「産業医面談は受けられますか」「ストレスチェックの実施時期は」と聞ける。残業や有給の実態の調べ方は会社の残業時間・有給取得率を調べる方法へ
- パートで応募する会社の被保険者数が51人以上 … 週20時間以上・月8.8万円以上なら社会保険に入るはず。求人票の「社会保険:あり」だけでなく、自分の労働時間で対象になるかを確認する
- 従業員101人以上の会社に応募する … 女性管理職比率と男女賃金差異が公表されているはず(2026年4月以降の最初の事業年度終了後)。厚生労働省のデータベースか自社サイトで探す
- 従業員301人超の会社に応募する … 男性育休取得率・中途採用比率が公表されているはず。「中途採用が多い会社か」は、求人票の雰囲気ではなく公表数字で分かる
- 取引先の与信で見る … 従業員100人超で障害者雇用率未達成なら納付金の負担があり、51人以上でパートの社会保険適用がある。規模の線は固定費の線でもある。規模の見方全般は会社の規模の調べ方、中小企業の法律上の定義は中小企業の定義へ
よくある失敗
- 会社全体の人数で産業医の有無を判断する … 産業医は事業場単位。300人の会社でも、20人の支店には選任義務がない
- 「50人」と「51人」を同じ線だと思う … 50人は労働安全衛生法(事業場・労働者数)、51人は社会保険(法人番号単位・被保険者数)で、根拠法も数え方も違う
- 厚生労働省のサイトに数字が無い=公表義務違反と決める … 公表は自社サイトでもよい。まず会社のサイトの「女性活躍」「サステナビリティ」「採用情報」を探す
- 古い線で判断する … 障害者雇用は2026年7月から37.5人、男性育休の公表は2025年4月から300人超、女性管理職比率の公表は2026年4月から101人以上。数年前の記事の数字は古い可能性がある
- 「小規模=制度がない=ブラック」と読む … 制度の有無は人数の線で決まる法律の結果であって、会社の姿勢ではない。少人数の会社をどう見るかは社員数が少ない会社は危ないのかに書いた
よくある質問
従業員が9人の会社には、就業規則がなくても違法ではないのですか?
違法ではありません。就業規則の作成・届出義務は常時10人以上の労働者を使用する事業場にかかります(労働基準法第89条)。ただし、就業規則がなくても労働条件通知書(労働基準法第15条)は人数にかかわらず交付義務があるので、労働条件は書面で確認できます。
従業員が60人の会社に応募しますが、産業医がいないと言われました。違反ですか?
会社全体で60人でも、応募先の事業場が50人未満なら違反ではありません。産業医の選任義務は事業場単位で、常時50人以上の労働者を使用する事業場にかかります。「この事業所に何人いますか」を聞いてください。事業場が50人以上で産業医がいないなら、労働安全衛生法第13条に照らして選任義務があります。
「50人以上」の人数にパート・アルバイトは含まれますか?
労働基準法・労働安全衛生法の「常時使用する労働者」には、パート・アルバイトも含みます(日雇いなど臨時の人は除きます)。一方、障害者雇用率の計算では週30時間以上を1人、週20時間以上30時間未満を0.5人と数え、社会保険の51人は厚生年金の被保険者数で数えるため、同じ会社でも線ごとに「人数」が変わります。
従業員数が公開されていない会社では、義務の有無は分かりませんか?
外からは推定にとどまります。うちのデータベースでも、活動中の法人4,988,967社のうち従業員数が分かるのは144,755社(約2.9%)で、非公開が普通です。手がかりとしては、日本年金機構の適用事業所検索で厚生年金に加入しているか、女性活躍推進企業データベースやしょくばらぼに情報公表があるか(あれば101人以上の可能性が高い)、ハローワーク求人票の「企業全体」欄の人数、を組み合わせてください。
2028年4月からストレスチェックが全事業場で義務になると、小さい会社はどう変わりますか?
労働者数50人未満の事業場でも、年1回のストレスチェックの実施が義務になります(2025年5月14日公布の改正労働安全衛生法、施行日は2028年4月1日)。ただし産業医の選任義務は50人の線のままで、50人未満の事業場は産業医なしで実施することになるため、厚生労働省は小規模事業場向けの実施方法を案内しています。従業員10人の会社でも、2028年4月以降は「ストレスチェックはありますか」と聞ける根拠ができる、ということです。
この記事の数字について
就業規則の作成・届出義務(10人)は労働基準法第89条、衛生推進者(10人以上50人未満)は労働安全衛生法第12条の2、衛生管理者・衛生委員会(50人)は同法第12条・第18条、定期健康診断結果報告(50人)は労働安全衛生規則第52条によります。産業医の選任義務の区分(49人以下は選任義務なし、50〜999人は嘱託可、1,000〜3,000人は専属、3,001人以上は2人以上、有害業務500人以上は専属)は、厚生労働省「労働安全衛生法に規定する産業医制度」の記載によります。
ストレスチェックの50人未満事業場への義務化と施行日(令和10年4月1日)は、厚生労働省 滋賀労働局「令和10年4月1日から労働者数50人未満の事業場にもストレスチェックが義務化されます」によります。
障害者法定雇用率(令和6年4月から2.5%・40.0人以上、令和8年7月から2.7%・37.5人以上)は、厚生労働省 大分労働局「令和8年7月より障害者の法定雇用率が2.7%に引き上げられます」、納付金(100人超・不足1人あたり月額5万円)・調整金(月額2万9千円)・報奨金(100人以下・月額2万1千円)は、高齢・障害・求職者雇用支援機構「障害者雇用納付金制度の概要」によります。
短時間労働者の社会保険適用(被保険者数51人以上、法人番号単位の数え方、週20時間・月額8.8万円・2か月超・学生除外の要件、令和9年10月36人以上・令和11年10月21人以上・令和14年10月11人以上への段階的拡大)は、日本年金機構「短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大」によります。
女性活躍推進法の101人・301人の線と令和8年4月1日施行の改正内容(101〜300人は男女間賃金差異・女性管理職比率+選択1項目の計3項目以上、301人以上は計4項目以上)は、厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ」と労働政策研究・研修機構「改正女性活躍推進法(令和8年4月施行)の概要・ポイント」によります。次世代育成支援対策推進法の行動計画(101人以上義務・100人以下努力義務)は厚生労働省「一般事業主行動計画の策定・届出等について」、男性育休取得率の公表(令和5年4月1,000人超、令和7年4月から300人超)は厚生労働省「育児・介護休業法について」、中途採用比率の公表(301人以上・令和3年4月1日〜)は厚生労働省 新宿公共職業安定所「中途採用比率の公表について」によります。
活動中の法人4,988,967社、従業員数の分かる144,755社と各線以上の社数・割合、中央値、人数の帯別の社数、38人・39人の社数、業種別の50人以上の割合、しょくばらぼ掲載146,357社の男女賃金差異の規模別掲載率は、国税庁法人番号公表データと経済産業省gBizINFO全件データ(2026年6月14日取り込み)、厚生労働省しょくばらぼの各データをしょくばログのデータベースに取り込み、当社が2026年9月13日に独自に集計したものです。国や省庁が公表している統計ではありません。 従業員数はgBizINFO記載の会社全体の人数で、正社員・パートの区別や事業場ごとの人数は分かりません。したがって事業場単位の線(10人・50人)と、被保険者数で数える線(51人)、短時間労働者を0.5人と数える線(37.5人)については近似です。gBizINFOに従業員数が載る会社は国に情報を出したことのある会社が中心で、日本の会社全体より規模の大きい側に偏っています。中小企業庁の「小規模事業者84.5%」は社員数が少ない会社は危ないのかで引用した中小企業庁の集計(2021年6月時点)の値です。業種は法人番号データの業種分類にしょくばログの補正を加えたもので、gBizINFOの業種とは一致しない場合があります。
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