✍ 古家あきら | 2026-10-09 更新

ハローワーク求人の事業所を調べる方法 — 求人票の会社を法人番号まで追う。会社サイトでハローワークに触れているのは4.6%、同じ商号の会社は36.1%だった

先に結論です。ハローワーク求人の会社は、求人票の「事業所名」と「所在地」と「法人番号」の3つを、国税庁の法人番号公表サイトで照らし合わせれば特定できます。 社名だけで調べるのは危険です。しょくばログのデータでは、活動中の会社の 36.1% が、全国のどこかに同じ商号の会社を持っています。

もう一つ知っておきたいのは、ハローワークの求人には、そもそも事業所名がネットに出ないものがあることです。これは怪しいからではなく、会社が公開範囲を選べる仕組みになっているからです(後で詳しく書きます)。

しょくばログという会社データベースを運営していると、「ハローワークで見つけた会社を調べたいが、同じ名前の会社が何社も出てきてどれか分からない」という相談を受けます。求人票には、会社を一意に決められる情報がちゃんと載っています。使い方を知っていれば、5分ほどで確かめられます。

ハローワーク求人で会社を特定する3つの手がかり

求人票で見るのは、次の3つです。

いちばん確実なのは法人番号です。法人番号は1つの法人に1つだけ付き、社名や住所が変わっても変わりません。番号の仕組みや調べ方は 法人番号の調べ方 にまとめています。

法人番号が書かれていない、または読み取れないときは、「事業所名」と「所在地」の組み合わせで探します。社名だけで検索せず、必ず住所を一緒に当てるのがコツです。

手順:求人票の会社を法人番号まで追う

1. 求人票から「事業所名・所在地・法人番号」を書き写す

ハローワークインターネットサービスの求人票、またはハローワークの窓口でもらった求人票から、3つを控えます。あわせて「設立年」「資本金」「従業員数」も書き写しておくと、後で照合に使えます。

2. 国税庁の法人番号公表サイトで照合する

法人番号があれば、番号で検索します。出てきた法人の 商号と本店所在地が、求人票の事業所名・所在地と一致するか を見ます。

一致しないときは、すぐに怪しいと決めつけないでください。よくある理由は次のとおりです。

商号の変更は、法人番号公表サイトの変更履歴で追えます。昔の社名を調べる方法は 会社の旧社名の調べ方 を参照してください。

3. 法人番号がないときは「社名+所在地」で絞る

法人番号がないときは、社名で検索したうえで、所在地の都道府県・市区町村で絞り込みます。住所の表記ゆれ(「1丁目2番3号」と「1-2-3」など)にも注意します。住所から会社を探すときの注意点は 会社の住所の調べ方 に書きました。

4. 設立年・資本金・規模を突き合わせる

最後に、求人票の設立年・資本金・従業員数と、登記や会社サイトの情報が大きくずれていないかを見ます。ここが大きく食い違うときは、別の会社を見ている可能性が高いので、手順2からやり直します。実在と現況の確かめ方は 会社の実在・倒産を確認する方法 にまとめています。

事業所名が出ないハローワーク求人がある理由

ハローワークに求人を出す会社は、求人をどこまで公開するかを 4つの区分から選ぶ ことになっています(厚生労働省・ハローワークインターネットサービスの案内「求人情報・事業所名等の公開範囲」)。

ここでいう「事業所名等」には、事業所名・所在地・ホームページ・設立年・資本金・代表者名に加えて 法人番号 も含まれます。つまり公開範囲2や3の求人を、ハローワークに登録していない状態でネットから見ると、会社を特定する手がかりがまとめて隠れて見えます。

公開範囲2の求人は、ハローワークインターネットサービスで求職登録(オンライン登録を含む)をすると事業所名等が見られるようになります。公開範囲3の求人は、同じ案内のなかで「求職者は、ハローワークの窓口で事業所名や連絡先などを確認する必要があります」とされています。

事業所名が出ていない=怪しい求人、ではありません。 取引先や同業に採用活動を知られたくない、問い合わせの電話を減らしたい、といった理由で会社が選んでいる区分です。会社名がどうしても気になるときは、窓口で確認するのが正規の手順です。

うちのデータで見た「ハローワーク」と会社サイト

しょくばログでは、会社のホームページ(採用ページを含む)を保存しています。2026年6月時点で文字として読めた 31,159社 を対象に、「ハローワーク」(または「公共職業安定所」)という語が出てくるかを数えました。

読み取れることは2つです。

1つ目。ハローワークに求人を出していても、自社サイトでそれに触れる会社はかなり少ないということです。ハローワークで見つけた求人を会社サイトで探しても、同じ求人が見つからないことはよくあります。会社サイトに求人が無いからといって、ハローワークの求人が嘘とは限りません。会社サイトの求人と実際の募集の関係は 採用ページの求人が更新されていない会社は募集していないのか でも数えています。

2つ目。会社サイトで「求人番号」まで書いている会社は、ハローワークに触れている会社のなかでも4.2%しかないということです。会社サイトとハローワークの求人を1対1で結びつける手がかりは、たいていサイト側には無いのです。だから照合の軸は、求人票側に載っている法人番号・所在地になります。

社名だけで調べると間違える:同じ商号の会社は36.1%

なぜ社名だけで調べてはいけないのか。しょくばログの会社台帳(国税庁の法人番号データ)で、活動中の株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社 442万2,900社 の商号を数えました。

3社に1社は、どこかに同名の会社があります。都道府県で絞っても7社に1社ほど残り、市区町村まで絞ると1.7%まで下がります。社名に所在地の市区町村を足すだけで、取り違えはかなり減る ということです。それでも残る1.7%のために、法人番号での照合がいちばん確実です。

気をつけたい「よくある取り違え」

ハローワーク求人の会社を調べるとき、実際によく起きるのは次のような取り違えです。

求人票そのものの読み方(給与・休日・試用期間など)は 求人票の見方 に、実在しない求人の見分け方は 架空求人の見分け方 にまとめています。

よくある質問

ハローワークの求人で事業所名が表示されないのはなぜですか?

求人を出す会社が、公開範囲を選べるからです。公開範囲2(ハローワークに登録している求職者に限定)や公開範囲3(事業所名等を含まない)を選んだ求人は、ネットで見たときに事業所名・所在地・法人番号などが表示されません。公開範囲2ならハローワークで求職登録をすれば見られるようになり、公開範囲3なら窓口で確認します。

求人票の法人番号と社名が合わないときは、怪しい会社ですか?

すぐにそうとは言えません。求人票の事業所名が店名やブランド名だったり、所在地が支店・営業所だったり、商号変更の直後だったりすると、登記の情報と一致しないことがあります。法人番号公表サイトの変更履歴を見て、それでも説明がつかないときはハローワークの窓口に問い合わせてください。

ハローワークの求人を会社のホームページで探しても見つかりません。

珍しいことではありません。しょくばログが保存している会社サイト31,159社のうち、「ハローワーク」という語が出てくるのは4.6%でした。ハローワークにだけ求人を出している会社も多いので、会社サイトに無いことだけで判断しないでください。

ハローワークの「悪質な求人」はどう見分けますか?

個別の会社が悪質かどうかは、ここでは判断しません。確認できるのは、会社が実在するか、求人票の会社と登記の会社が一致するか、求人票の条件が会社の公開情報と大きく食い違っていないか、です。労働条件のトラブルは、ハローワークの窓口や労働基準監督署に相談できます。

しょくばログでハローワークの求人は見られますか?

しょくばログはハローワークの求人そのものは載せていません。会社名や法人番号で会社ページを開くと、登記の所在地・設立の情報や、会社サイトから読み取れた情報を確認できます。求人票の会社と同じ会社かどうかを確かめる用途に使ってください。

まとめ

数字について

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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