✍ 古家あきら | 2026-10-06 更新

旧ホットマンの梅花商事が特別清算──「1秒タオル」は別の法人番号のホットマンが継続。しょくばログの台帳で見ると、同じ住所に3法人、「ホットマン」を名乗る会社は全国に6社

先に結論です。タオルの「ホットマン」の旧法人で、2024年5月に「梅花商事株式会社」へ商号を変えた会社が、2026年9月16日に東京地裁立川支部から特別清算の開始決定を受けたと報じられました。 ただし「1秒タオル」などの事業を続けているのは、法人番号の違う現在の「ホットマン株式会社」です。

ニュースの見出しだけを読むと「ホットマンが清算された」と受け取ってしまいそうですが、清算に入ったのは旧法人のほうです。しょくばログという会社データベースを運営していると、「よく知っているブランドの会社が倒産したと聞いたけれど、本当か」という問い合わせを受けることがあります。今回のケースは、ブランド名と法人が一致しないことを確かめるのにちょうどいい例なので、国税庁の公表データと、しょくばログの台帳で数えた結果を書きます。

出典:【東京】旧ホットマンの梅花商事が特別清算 「1秒タオル」事業は別法人のホットマンが継続(JC-NET・2026年10月)

出典:国税庁 法人番号公表サイト 梅花商事株式会社(法人番号3013101003941)の変更履歴

出典:国税庁 法人番号公表サイト ホットマン株式会社(法人番号7012801023130)の変更履歴

報道と公表データで確認できる事実

報道によると、梅花商事は長年「ホットマン」の商号でタオルの製造・販売を手がけてきた旧法人です。2026年9月16日に東京地裁立川支部から特別清算の開始決定を受けました。負債額などは報じられていません。

国税庁の法人番号公表サイトで、2つの法人の履歴を並べると次のとおりです。

つまり、2024年の春に新しい法人ができ、旧法人が「梅花商事」に名前を変え、新しい法人が旧法人と同じ住所に移ってきた、という順番です。登記の公表データだけでは、事業を移した方法(事業譲渡か会社分割かなど)までは分かりません。この記事でも、そこは断定しません。

確かなのは、いま「ホットマン」の名前で店舗やオンライン販売をしているのは、2024年にできた法人のほうで、特別清算に入ったのは旧法人のほうだということです。

しょくばログの台帳で数えると

しょくばログには、国税庁の法人番号公表データ(約579万法人)を取り込んであります。そこから今回の2社のまわりを数えました。

同じ住所に、法人が3つ登記されている

青梅市長淵5丁目の同じ番地に登記されている法人を数えると、3法人ありました。

同じ住所にグループの法人が並ぶのは珍しいことではありません。ただ、外から見ると「どれが今の会社か」が分かりにくくなります。住所で会社を探すと、複数の候補が出てくることを知っておくと迷いません。

「ホットマン」を名乗る会社は、全国に6社

存続中の法人で、名前に「ホットマン」を含むものを数えると6社でした。

青梅市以外の5社が、タオルのホットマンと関係があるかどうかは、台帳からは分かりません。少なくとも、名前だけで会社を特定することはできないということです。

存続中の会社の47.1%は、ほかの会社と同じ名前

もう一歩広げて、存続中の株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社(446万963社)について、「株式会社」などの部分を除いた名前が、ほかの会社と重なっているかを数えました。

いちばん多い名前は「アシスト」で1,378社、次が「ライズ」1,191社、「サンライズ」1,044社でした。会社のおよそ半分は、同じ名前の会社がどこかにある、ということになります。

応募する人・取引する人が確かめたいこと

1. 名前ではなく、法人番号で会社を特定する

同じ名前の会社が多い以上、確実なのは13桁の法人番号です。法人番号は商号を変えても、本店を移しても変わりません。今回も、旧法人は名前が「梅花商事」に変わっても、番号は3013101003941のままです。調べ方は法人番号の調べ方にまとめています。

2. 「変更履歴」を開いて、商号変更と本店移転を見る

法人番号公表サイトでは、会社ごとに商号や所在地の変更履歴が見られます。直近に商号を変えた会社と、同じ住所に新しくできた会社が並んでいたら、事業がどちらに移ったのかを確かめるきっかけになります。名前を変えたあとに倒産の手続きに入った例は、商号変更と本店移転をしたあとに破産を申し立てられた会社でも取り上げました。

3. 事業を引き継いだ側と、残った側を分けて考える

事業が別の会社に移ったあとで、元の会社が清算や倒産に入ることがあります。そのとき、ブランドや店舗は新しい会社で続いていても、契約の相手や債権・債務がどちらに残っているかは別の話です。取引先なら、請求書や契約書に書かれている法人番号がどちらかを確かめてください。この見方は事業譲渡のあとに倒産する会社の見分け方と、合併・買収で法人番号はどうなるかに書きました。

4. 求人に応募するなら、雇用契約の会社名を確かめる

求人票にブランド名だけが書かれているときは、雇用主になる会社の正式名と所在地を確認しましょう。グループで法人が複数あると、配属先と雇用主が違うこともあります。求人票の読み方は空求人の見分け方でも触れています。

よくある質問

Q. ホットマンのタオルはもう買えなくなるのですか。

報道によると、「1秒タオル」などの事業は現在のホットマン株式会社が、本社・工場や店舗、オンライン販売で続けています。特別清算に入ったのは、2024年に商号を変えた旧法人の梅花商事です。

Q. 特別清算とは、破産とどう違うのですか。

特別清算は、株式会社が解散したあとの清算を、裁判所の監督のもとで進める手続きです。破産と違って、会社の側が清算人として手続きを進めます。どちらも会社をたたむ手続きで、事業を立て直すための民事再生とは目的が違います。

Q. 同じ名前の会社が多いのに、どうやって見分ければいいですか。

法人番号で見分けるのが確実です。名前と都道府県だけで探すと、今回の「ホットマン」のように同じ名前の会社が複数出てきます。番号が分からないときは、所在地の番地まで照らし合わせてください。

Q. 商号を変えた会社は危ないのですか。

商号変更そのものは、社名の刷新やグループ再編など、ふつうの理由でも行われます。それだけで危ないとは言えません。気をつけたいのは、名前を変えた直後に同じ住所で新しい会社ができ、元の会社が清算や倒産の手続きに入るような流れです。そのときは、どちらの会社と契約しているかを確かめてください。

まとめ

この記事は特定の会社を評価するものではありません。報道と公表データを並べて、ブランド名と法人が一致しないときに確かめておきたい点をまとめました。

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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