✍ 古家あきら | 2026-09-23 更新
登録支援機関・監理団体を調べる方法 — 名簿は全部公開されている。11,615機関と3,725団体を1件ずつ数えた(DB実測)
先に結論から。登録支援機関も監理団体も、名簿が丸ごと無料で公開されています。 登録支援機関は出入国在留管理庁のサイトに「登録支援機関登録簿」としてExcelで、監理団体は外国人技能実習機構(OTIT)のサイトに「許可監理団体(一般)/(特定)」としてPDFとExcelで出ています。どちらも会員登録も申請も要りません。ダウンロードすれば、名称・住所・電話番号・代表者名・対応言語まで一覧で読めます。
しょくばログという全国の会社データベースを運営していると、「取引先が外国人を雇っていると言っているが、どこの支援機関を使っているのか」「監理団体の名前を渡されたが実在する団体なのか」といった問い合わせを受けます。どちらも調べ方は同じで、公開名簿に当たるだけです。ただ、名簿を「開く」のと「数える」のは別の話で、中身がどうなっているかを書いたページは見当たりませんでした。そこで、公開されているファイルを実際に落として1件ずつ数えました。
登録支援機関は11,615件 — 入管庁がExcelで丸ごと出している
特定技能1号の外国人を受け入れる会社(特定技能所属機関)は、住居の確保、日本語学習の機会、生活オリエンテーション、相談・苦情対応といった支援を行う義務があります。これを自社でやりきれない場合に、支援計画の実施を丸ごと委託できる相手が登録支援機関です。登録を受けているかどうかは、入管庁の「登録支援機関登録簿」で確認できます。
2026年9月17日現在で11,615件。ファイルは2.7MBのExcelで、登録番号・登録年月日・名称・住所・代表者氏名・支援を行う事務所・支援業務の内容・相談に応じる体制(対応可能言語)まで入っています。英語版も別に用意されています。
名簿のページには「登録後に抹消された機関は掲載されていません」と明記されています。つまりこの名簿は、そのまま「今、登録が生きている機関の一覧」として読めます。逆にいうと、過去に取り消された機関を調べる用途には使えません。
数えてみた:半分が株式会社、4件に1件が協同組合
11,615件の名称から法人格を拾うと、こうなりました。
- 株式会社:5,957件(51.3%)
- 協同組合:2,910件(25.1%)
- 行政書士・社会保険労務士などの士業事務所:827件(7.1%)
- 個人・法人格の記載なし:608件(5.2%)
- 合同会社:463件(4.0%)
- 有限会社:357件(3.1%)
- 一般社団法人:210件(1.8%)
- NPO法人:64件(0.6%)、公益法人:47件(0.4%)、一般財団法人:20件(0.2%)
登録支援機関は営利・非営利を問わず登録できるため、株式会社が半分を占めます。この点が、あとで見る監理団体との決定的な違いになります。法人格そのものの違いは法人の種類一覧と見分け方に整理しました。
登録年でも偏りがあります。制度が始まった2019年に2,410件(登録年が読み取れた11,552件の20.9%)が一気に登録され、その後いったん減り、2023年1,446件、2024年1,945件、2025年1,587件と再び増えています。2026年は9月17日までで961件です。
事務所が1か所だけの機関が95.0%
名簿には「支援を行う事務所」が機関ごとに複数行で載ります。のべ12,756事務所を機関に紐づけ直すと、事務所が1か所だけの機関が11,031件で95.0%。2か所以上を持つのは584件(5.0%)にとどまり、最も多い機関で50か所でした。
登録支援機関という言葉から全国展開の会社を想像しがちですが、実態は地元で1拠点だけ持っている小さな事業者が圧倒的多数です。特定技能の外国人労働者は2025年10月末時点で286,225人(厚生労働省)なので、11,615機関で単純に割ると1機関あたり約25人。この規模感は覚えておくと役に立ちます。
支援内容も同じ傾向で、法令に定める支援だけを行う機関が10,028件(86.3%)、法令の支援に加えて任意的な支援も行うと届け出ている機関が1,587件(13.7%)でした。
対応言語はベトナム語が63.2%
「相談に応じる体制」欄に書かれた言語を数えると、ベトナム語7,335件(63.2%)、英語6,130件(52.8%)、インドネシア語4,506件(38.8%)、中国語4,489件(38.6%)、ミャンマー語2,980件(25.7%)、ネパール語2,172件(18.7%)、タガログ語1,493件(12.9%)、タイ語916件(7.9%)の順でした。
厚生労働省の集計では、日本で働く外国人の国籍別トップはベトナム605,906人(23.6%)、次いで中国431,949人、フィリピン260,869人です。名簿の言語構成は、この労働者の構成とおおむね重なります。
所在地は東京に2割
都道府県別では東京都2,369件(20.4%)、愛知県1,134件(9.8%)、大阪府1,035件(8.9%)、福岡県561件(4.8%)、千葉県534件(4.6%)、埼玉県469件(4.0%)の順です。
外国人を雇用する事業所は全国371,215所あり、そのうち東京が87,512所(23.6%)を占めます(厚労省・2025年10月末)。支援機関の分布は、外国人を雇う事業所の分布とほぼ同じ形をしていて、愛知の比率だけが事業所シェア(7.8%)より高めに出ています。
監理団体は3,725団体 — こちらは96.5%が協同組合
技能実習は、受け入れ企業(実習実施者)と実習生の間に監理団体が入る「団体監理型」が主流です。監理団体はOTITの許可制で、許可を受けた団体の一覧が「監理団体の検索」ページに出ています。優良と認められた「一般監理事業」と、通常の「特定監理事業」の2本立てです。
2026年9月16日現在で、一般が2,270団体、特定が1,455団体、合計3,725団体。名簿には団体名・住所・電話番号・許可日・許可期限・受入れ国・2号移行対象職種・介護職種の有無まで載っています。許可期限が入っているのが登録支援機関との大きな違いで、期限切れが近い団体かどうかまで一覧で分かります。
法人格を数えると、一般監理事業は協同組合2,191団体(96.5%)、特定監理事業も協同組合1,405団体(96.6%)。残りは公益法人、商工会・商工会議所、一般社団法人などです。株式会社は1件もありません。 監理団体になれる法人が営利を目的としない団体に限られているためで、名簿を数えるとその制度設計がそのまま数字に出ます。
介護職種を扱う団体は、一般で869団体(38.3%)、特定で510団体(35.1%)でした。所在地は一般が愛知266・東京258・大阪147、特定が大阪149・愛知134・東京116の順で、登録支援機関ほど東京に集中していません。
監理団体の77.0%は、登録支援機関も兼ねている
ここからが、名簿を2つとも落とさないと見えない部分です。両方の名簿の名称を表記ゆれを揃えて突き合わせました。
- 監理団体のユニークな団体名3,668のうち、2,824団体(77.0%)が登録支援機関としても同じ名前で登録されている
- 逆に、登録支援機関11,475名のうち監理団体でもあるのは2,824件(24.6%)
- 登録支援機関に載っている協同組合2,910件に限ると、そのうち2,763件(94.9%)が監理団体
- 登録支援機関に載っている株式会社5,957件のうち、監理団体でもあるのは0件
技能実習で受け入れた外国人が特定技能へ移る流れがあるため、監理団体が登録支援機関の登録も取って、そのまま支援を続ける形が主流になっていることが数字で見えます。一方、株式会社の登録支援機関はこの経路を持てないので、特定技能の支援だけを扱う別系統のプレイヤーです。取引先が「うちは監理団体に任せている」と言うときと「支援機関に委託している」と言うときで、相手方の性格が違う可能性がある、ということです。
なお、人材派遣や職業紹介の許可とは制度がまったく別です。そちらは派遣会社・人材紹介会社の許可番号を確認する方法に分けて書きました。許認可全般の探し方は会社の許認可を調べる方法にまとめています。
名簿に載っていても、登記まで見たほうがいい
うちのDB(国税庁の法人番号公表データ、全国約579万法人・活動中約503万法人)に、両方の名簿の名称を完全一致で当ててみました。
- 登録支援機関11,475名のうち、法人番号を特定できたのは10,106件(88.1%)
- 監理団体3,668名のうち、法人番号を特定できたのは3,576件(97.5%)
登録支援機関で1割強が当たらないのは、個人や士業事務所・屋号での登録が混じるためで、これは想定どおりです。監理団体がほぼ全部当たるのは、協同組合という登記された法人しかいないからです。
問題はこの先です。法人番号を特定できた登録支援機関のうち276件(2.7%)は、登記がすでに閉鎖されていました。 監理団体では13件(0.4%)です。
ただし、この276件は社名の完全一致で突き合わせた結果なので、同名の別法人を拾っている可能性があります。数字そのものより、「公開名簿に載っていることと、その法人の登記が今も生きていることは別々に確認できる」という点を持ち帰ってほしいところです。名簿は登録が抹消されるまで載り続けますが、合併・解散・休眠は登記側にしか出ません。確認の手順は会社が解散・休眠しているか調べる方法と法人番号を会社名から調べる方法に書いています。
ついでに、協同組合という法人格そのものの体力差も数えました。うちのDBで社名に「協同組合」を含む法人は全国45,798。うち活動中は35,239で、閉鎖率は23.1%。全法人の閉鎖率13.2%の2倍近くあります。監理団体の母集団は、そもそも入れ替わりの多い法人種別だということです。
2027年4月に制度が変わる — 今の監理団体一覧はそのまま続かない
2024年6月21日に改正法が公布され、技能実習制度は育成就労制度へ移行します。運用開始は2027年4月1日(令和9年4月1日)です。
入管庁の制度概要によると、新制度では監理団体にあたる役割を監理支援機関が担い、許可制になります。しかも「技能実習制度の監理団体も監理支援機関の許可を受けなければ監理支援事業を行うことはできない」と明記されています。許可基準も厳格化されます。
つまり、今日ダウンロードした監理団体3,725の一覧が、そのまま2027年4月以降の名簿になるわけではありません。 OTITのサイトではすでに「監理支援機関許可施行日前申請」の受付案内が出ています。2027年春をまたぐ取引の確認では、現行の許可期限だけでなく、新制度の許可を取る動きがあるかまで聞いておいたほうが安全です。
「外国人が多い会社」を名簿から逆引きできるか
できません。公開されているのは支援する側・監理する側の名簿であって、受け入れている企業の名簿ではないからです。外国人雇用状況の届出はハローワークに対して行われますが、事業所ごとの届出内容は公表されていません。公表されるのは都道府県別・産業別・事業所規模別といった集計値までです。
その集計からは、受け入れ側の姿がある程度は見えます。日本で働く外国人は2025年10月末時点で2,571,037人、雇用する事業所は371,215所。そのうち従業員30人未満の事業所で働く外国人が全体の36.1%を占めます。外国人雇用は大企業の話ではなく、小さな事業所の話だ、ということです。産業別では製造業が24.7%で最多でした。
個別の会社について知りたい場合は、名簿ではなく会社側の情報を当たることになります。自社サイトの採用ページに多言語版があるか、求人票に「外国人スタッフ在籍」と書いているか、会社の業種を調べる方法で受け入れの多い産業かどうかを見る、といった間接的な手がかりです。
よくある質問
登録支援機関の名簿はどこからダウンロードできますか
出入国在留管理庁のサイトの「在留手続>特定技能制度>登録支援機関」のページです。「登録支援機関登録簿(Excel)」のリンクから直接落とせます。ログインも申請も不要で、随時更新されています。英語版も同じページにあります。
監理団体の名簿はどこにありますか
外国人技能実習機構(OTIT)のサイトの「実習実施者の皆様へ>基本情報>監理団体の検索」です。「許可監理団体(一般)」と「許可監理団体(特定)」がそれぞれPDFとExcelで置かれています。2つで1セットなので、片方だけ見て「載っていない」と判断しないようにしてください。
名簿に載っていない会社に支援を頼んでも問題ないですか
特定技能1号の支援計画の実施を外部に委託する場合、委託先は登録支援機関である必要があります。名簿に名前がない相手に支援を丸投げすると、受け入れ企業の側の義務が果たせていないことになります。名前が見当たらないときは、表記ゆれ(株式会社の前後、カタカナ・英字)を変えて名簿内を検索し直したうえで、登録番号を相手に聞くのが確実です。
登録支援機関と監理団体は何が違うのですか
対象の在留資格が違います。登録支援機関は特定技能1号の支援を受託する機関で、営利法人でも個人でも登録できます。監理団体は技能実習の団体監理型で受け入れ企業を監理する団体で、協同組合など営利を目的としない法人に限られます。実際、監理団体3,725のうち96.5%以上が協同組合で、株式会社は1件もありません。
処分を受けた登録支援機関や監理団体は分かりますか
登録支援機関登録簿は「登録後に抹消された機関は掲載されていない」名簿なので、消えたこと自体は名簿を定点で見ないと分かりません。監理団体については、OTITのサイトに「技能実習制度について>行政処分等」の区分があり、許可の取消しなどが公表されます。業種横断の探し方は会社の行政処分を調べる方法にまとめています。
2027年4月以降も同じ名簿を見ればいいですか
監理団体については見直しが要ります。育成就労制度の開始に伴って「監理支援機関」の許可制に切り替わり、現行の監理団体も新たに許可を受けなければ事業を続けられません。登録支援機関の制度は特定技能側の仕組みなので、当面は現在の登録簿が引き続き使えます。
まとめ
- 登録支援機関は入管庁が「登録支援機関登録簿」をExcelで全件公開。2026年9月17日現在11,615件。抹消された機関は載らない
- 名簿を数えると株式会社51.3%・協同組合25.1%。事務所が1か所だけの機関が95.0%で、地元1拠点の小さな事業者が多数派
- 対応言語はベトナム語63.2%・英語52.8%・インドネシア語38.8%・中国語38.6%。外国人労働者の国籍構成とほぼ重なる
- 監理団体はOTITが一般・特定の2本立てで全件公開。2026年9月16日現在3,725団体、うち96.5%以上が協同組合で株式会社はゼロ
- 両方の名簿を突き合わせると、監理団体の77.0%は登録支援機関も兼ねている。登録支援機関側の協同組合に限れば94.9%が監理団体、株式会社は0%
- うちのDBに当てると、登録支援機関の88.1%・監理団体の97.5%で法人番号を特定できた。名簿に載っていることと登記が生きていることは別なので、法人番号での実在確認は別途行う
- 2027年4月1日に育成就労制度が始まり、監理団体は「監理支援機関」の許可を取り直す必要がある。現行の一覧はそのまま続かない
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この記事で使った一次資料:出入国在留管理庁「登録支援機関(Registered Support Organization)」および「登録支援機関登録簿」(2026年9月17日現在・Excel、2026年9月23日取得)/出入国在留管理庁「育成就労制度の概要(令和8年7月改訂)」/外国人技能実習機構「監理団体の検索」および「許可監理団体(一般)」「許可監理団体(特定)」(令和8年9月16日現在・Excel、2026年9月23日取得)/厚生労働省「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」/うちのデータベース(国税庁の法人番号公表データ・2026年9月時点の断面)