✍ 古家あきら | 2026-09-25 更新

警備会社の認定を確認する方法 — 公式サイトを67社見たら、認定番号を載せていたのは37社(55%)だった

先に結論です。警備会社が公安委員会の認定を受けているかは、まずその会社の公式サイトで「認定の標識」を探すのが早道です。 警備業法は、警備業を営むには都道府県公安委員会の認定が必要だと定めたうえで、ウェブサイトを持っている警備業者には、認定を受けたことを示す標識をサイトに載せるよう義務づけています(従業者が5人以下の場合などは対象外)。

しょくばログという全国の会社データベースを運営していると、「交通誘導の仕事に応募したいが、ちゃんとした会社か知りたい」「イベントの警備を頼む前に、認定のある業者か確かめたい」という場面で、警備会社の素性を調べたい人がいることが分かります。ところが、建設業の許可やマンション管理業の登録と違って、警備業の認定には全国の業者をまとめて検索できる公的な仕組みが見当たりません。 手がかりは、会社自身が出している標識です。

そこで今回、しょくばログの法人データで社名に「警備」を含む存続中の法人のうち、公式サイトのアドレスが分かっていた73社のサイトを、トップページと会社概要などのページまで実際に見ました(2026年9月25日)。サイトが開けた67社のうち、公安委員会の認定番号を載せていたのは37社(55.2%)でした。

警備業は「公安委員会の認定」がなければ営めない

最初に押さえるべきは、警備会社にとって必要なのは「許可」でも「登録」でもなく「認定」だという点です。

警備業法第4条は、警備業を営もうとする者は、第3条に並ぶ欠格事由(破産して復権していない、禁錮以上の刑の執行を終えてから5年たっていない、暴力的不法行為を行うおそれがある、など)のどれにも当たらないことについて、都道府県公安委員会の認定を受けなければならないと定めています。建設業や人材派遣のように「許可を受ける」のではなく、「欠格事由に当たらないと認めてもらう」形の制度です。人材派遣・職業紹介の許可番号の確かめ方は派遣会社・職業紹介の許可番号を確認する方法にまとめていますが、警備業はそれとは別の法律・別の窓口になります。

認定の仕組みで知っておきたいのは次の4点です。

警察庁の統計では、令和7年12月末の認定業者は1万949業者、警備員は59万6,985人です。警備員100人未満の業者が9,885業者で全体の90.3%、主たる営業所だけで営んでいる業者が9,219業者で84.2%を占めます。小さな会社が大半の業界です。また、認定を受けた都道府県以外に営業所を置いている業者は延べ2,611業者、営業所を置かずにほかの都道府県で仕事をしている業者は延べ5,891業者でした。

認定は「標識」で確認する

認定の確認で一番の手がかりになるのが、警備業法第6条の標識です。

第6条第1項は、警備業者は認定を受けたことを示す標識を主たる営業所の見やすい場所に掲げ、さらにウェブサイトでも公衆が見られるようにしなければならないと定めています。サイト掲載が不要になるのは、警備業法施行規則第7条により次のどちらかに当たる場合だけです。

つまり、自社サイトを持つ従業者6人以上の警備会社なら、サイトに標識が載っているのが法律上の前提です。逆に、警備業者でない者が標識やそれに似たものを掲げたりサイトに載せたりすることは、同じ第6条第2項で禁じられています。

標識で見るところ

今回見たサイトのうち、標識の形そのままで載せていた会社では、次の項目が並んでいました。

見るべきは3つです。まず会社名と所在地が、求人票や見積書の会社と一致しているか。次に有効期間が今日を含んでいるか。有効期間は5年なので、「令和5年から令和10年まで」のように開始と終了がちょうど5年ずれているのが普通です。最後に、認定をした公安委員会が本社の都道府県と合っているか。認定の申請先は主たる営業所の所在地の公安委員会なので、本社が東京なのに別の県の公安委員会の名前が出ていたら、本社を移したのか、表示が古いのかを確かめる理由になります。

番号の形にも傾向がある

今回見た範囲では、8桁の認定番号を載せていたのは37社中25社で、同じ都県の会社は番号の頭2桁がそろっていました。 東京都の会社は3社とも「30」、愛知県は3社とも「54」、千葉県・神奈川県・秋田県・石川県はそれぞれ2社とも「44」「45」「23」「51」で始まっていました。警視庁が公表している処分対象の会社の認定番号も「30」で始まっています。一方で、「第55号」「第111号」のような短い番号を載せていた会社も12社ありました。短い番号が古い表記のまま残っているのか、別の理由なのかは、サイトからは判別できません。番号の形だけで本物かどうかを決めつけず、気になったら後述の方法で確かめてください。

データで見た「サイトに認定番号を載せている警備会社」

ここからは、しょくばログの法人データを使って確かめた結果です。

67社中37社。載せていない会社も4割あった

社名に「警備」を含む存続中の法人は、しょくばログのデータベースで3,286社あります。このうち公式サイトのアドレスが分かっていた73社のサイトを見に行き、開けなかった6社を除く67社について、トップページと「会社概要」「企業情報」などのリンク先(最大4ページ)の文字から、公安委員会の認定番号が書かれているかを調べました。

載せていた37社の多くは、会社概要の表に「警備業認定 ○○県公安委員会 第○○号」と1行で書く形でした。標識の画像やPDFへのリンク(「標識はこちら」など)を置いている会社もありました。

ただし、「見つからなかった30社が法律違反だ」とは言えません。 従業者5人以下なら掲載義務はありませんし、標識を画像だけで載せている場合や、今回たどらなかったページに載せている場合は、文字の検索では拾えないからです。数字は「サイトを見に行った人が、会社概要まででたどり着けるか」の目安として読んでください。それでも、会社概要まで見ても番号が見つからない会社が4割あったというのは、求職者や発注側が確認に手間取る現実を示しています。

社名で警備会社かどうかは決められない

もう一つ分かるのは、社名だけで警備会社を探すと大半を取りこぼすことです。認定業者は全国で1万949業者なのに対し、社名に「警備」を含む存続中の法人は3,286社で、その3割ほどにとどまります。認定業者には個人で営む人も含まれますし、「○○セキュリティ」「○○保障」のように「警備」の字を使わない社名もあります。反対に、社名に「警備」とあっても、警備以外の事業が中心の会社もありえます。社名の印象ではなく、標識で確かめるのが確実です。業種の調べ方全般は会社の業種を調べる方法にまとめています。

サイトに標識が見つからないときの確かめ方

サイトに標識がない、そもそもサイトがない、という場合は次の順に当たってください。

1. 会社に直接聞く。「認定をした公安委員会と認定番号を教えてください」と聞けば、まともな警備会社ならすぐ答えられます。主たる営業所には標識を掲示する義務があるので、面接や打ち合わせで事務所に行くなら、壁の標識を見るのも確実です 2. 加盟団体を見る。各都道府県の警備業協会や全国警備業協会の会員名簿で社名を探せます。ただし協会への加盟は任意なので、名簿にないことは認定がない証拠にはなりません 3. 都道府県警察に問い合わせる。認定の窓口は各都道府県警察です。照会にどこまで応じるかは各都道府県警察の運用によるので、まずは相談窓口で聞いてみてください

許認可の調べ方を業種横断で知りたい場合は、会社の許認可を調べる方法が入口になります。

処分歴を確認する方法

認定があることと、問題を起こしていないことは別の話です。警備業法は、違反があった警備業者に対して、公安委員会が指示(第48条)、6か月以内の営業停止(第49条第1項)、認定の取消し(第8条)などの処分ができると定めています。

警察庁の統計では、令和7年の警備業者への行政処分は129件(指示116件・営業停止12件・認定の取消し1件)でした。認定業者1万949に比べれば多くはありませんが、毎年一定数あります。

処分の公表は都道府県ごとです。たとえば警視庁は、東京都公安委員会が行った認定の取消しや営業停止命令などを、会社名・認定番号・処分内容とともにサイトで公表しており、公表期間は処分の日から3年間としています。2026年9月25日時点で掲載されていたのは2社でした。神奈川県警察や鹿児島県警察なども同様の公表ページを設けています。調べるときは、認定をした公安委員会(本社の都道府県)と、現場のある都道府県の両方を見てください。業種別の行政処分の探し方は会社の行政処分歴を調べる方法に、取引前の確認の全体像は取引先の信用を調べる方法にまとめています。

業界の状況もあわせて見る

警備業界は、人手不足と警備員の高齢化が進んでいます。9月には警備会社が相次いで破産した例もあり、警備会社3社の破産と警備員の高齢化データで、警察庁の統計と倒産の事例を整理しています。認定の確認は「営んでよい会社か」の確認で、経営が安定しているかどうかは別に見る必要があります。

よくある質問

警備会社の認定番号は誰でも調べられますか?

全国の警備業者をまとめて検索できる公的なサイトは見当たりません。ただし、ウェブサイトを持つ従業者6人以上の警備業者には、認定の標識をサイトに載せる義務があります。まずは会社の公式サイトの会社概要や「標識」のページを見てください。今回調べた67社では、55.2%が認定番号を載せていました。

警備会社の「許可番号」と「認定番号」は違うものですか?

警備業法の制度は「認定」なので、正式には認定番号です。会社によっては「免許」「登録番号」と書いている例もありましたが、警備業については公安委員会の認定のことを指していると考えてよいでしょう。人材派遣の許可や建設業の許可とは別の制度です。

認定の有効期間が切れていたらどうなりますか?

有効期間は5年で、更新を受けないと認定は効力を失います(警備業法第7条)。サイトの標識に書かれた有効期間が過ぎたままなら、単に表示を更新していないだけのこともあるので、会社に最新の有効期間を確認してください。

他県の公安委員会の認定でも、自分の県で警備をしてよいのですか?

認定は主たる営業所のある都道府県の公安委員会から受け、ほかの都道府県で営業所を置いたり仕事をしたりするときは、その都道府県の公安委員会に届け出る仕組みです(第9条)。警察庁の統計では、営業所を置かずにほかの都道府県で仕事をしている業者が延べ5,891業者ありました。

サイトに認定番号がない警備会社は避けるべきですか?

それだけで判断はできません。従業者5人以下なら掲載義務はなく、画像で載せていて見落とす場合もあります。会社に認定番号を尋ね、はっきり答えられるかどうかで判断するのが現実的です。

まとめ

※サイトの掲載状況は、しょくばログの法人データベース(国税庁の法人番号公表データをもとに作成)で社名に「警備」を含む存続中の法人のうち、公式サイトのアドレスが分かっていた73社について、2026年9月25日にトップページと会社概要等のリンク先(最大4ページ)の文字を調べた結果です(開けなかった6社を除く67社で集計)。画像やPDFだけで掲載している場合は数えられていません。業者数・警備員数・行政処分の件数は、警察庁「令和7年における警備業の概況」によります。制度の説明は、e-Gov法令検索「警備業法」「警備業法施行規則」、処分の公表期間は警視庁「警備業法に基づく行政処分の公表」によります。

出典:令和7年における警備業の概況(警察庁・PDF) 出典:警備業法(e-Gov法令検索) 出典:警備業法施行規則(e-Gov法令検索) 出典:警備業法に基づく行政処分の公表(警視庁)

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

← お役立ち記事一覧へ