✍ 古家あきら | 2026-09-14 更新

co.jpドメインで会社の実在を確認する方法 — 日本で登記した会社だけが「1組織1つ」持てる。ただし株式会社でも持っているのは4割、会社全体では1割

先に結論です。ドメインが「〇〇.co.jp」なら、その名義の組織は日本国内で登記された会社です。 co.jpは、JPRS(日本レジストリサービス)の規則で「日本国内で登記を行っている会社」だけが、原則1組織につき1つしか登録できないドメインだからです。ドメインを見て、JPRSのWHOISで「組織名」を引き、それを法人番号公表サイトかしょくばログで照合すれば、ドメインから登記上の会社名まで3ステップでたどれます。

ただし、逆は成り立ちません。「co.jpでない=怪しい」ではない。 しょくばログという会社データベースを運営していると、「メールがgmailだった」「サイトが.comだった」という理由で相手を疑う相談を受けますが、うちのデータベースで公式サイトのURLが取れている法人101,464社のドメインを数えると、co.jpは26.0%しかありません。株式会社に限っても42.2%、有限会社は15.6%、合同会社は6.8%です。そもそもJPRSの統計でco.jpの登録数は502,610件(2026年9月1日)で、国税庁の法人番号公表データにある活動中の会社4,460,963社と比べると約11%。9割近い会社はco.jpを持っていません。

以下、JPRSの規則とWHOISの実際の出力で仕組みを確かめてから、うちのデータで「どの会社がco.jpを持っていて、どの会社が持っていないか」を数えていきます。

co.jpは「登記した会社だけ・1組織1つ」— JPRSの規則で決まっている

まず、なぜco.jpが登記の裏付けになるのかを一次資料で確認します。JPドメイン名を管理しているJPRSの「属性型・地域型JPドメイン名登録等に関する規則」に、種類ごとの登録資格が書かれています。

そして個数の制限が第9条にあります。「登録できる属性型地域型JPドメイン名の数は、1組織について1とする。」——合併や組織再編などの例外はありますが、原則としてco.jpは1社1つです。だから、co.jpのドメインは「登記された会社」と「ほぼ1対1」で結びついています。 会社の種類の違いは法人の種類一覧と見分け方で書いたとおりですが、医療法人や社会福祉法人、NPO法人は「会社」ではないのでco.jpは取れず、or.jpの側に入ります。

一方、汎用JPドメイン名(〇〇.jp)と都道府県型JPドメイン名は「日本国内に住所をもつ個人・団体・組織であれば誰でもいくつでも登録できます」(JPRS案内ページ)。個人でも取れるし、登記も要りません。.comや.netにいたっては、日本の住所さえ不要です。つまり、登記の裏付けとして使えるのはco.jp(と組織の種類を絞れるor.jp等の属性型)だけで、汎用.jpや.comは「その会社が実在するか」について何も語りません。

「仮登録」— 設立前でも取れるが、登記できなければ消える

一つだけ注意があります。co.jpには、会社設立の前に押さえておける「仮登録」の制度があります(規則 第21〜23条)。JPRSの案内では「法人などの組織設立の6カ月前から利用できる」とあり、規則では仮登録の期間を「登録原簿の記載が完了した日の属する月の6か月後の月末まで」と定め、期間内に設立を証明する書類を出さなければ仮登録は失効します(第23条)。

つまり、WHOISで「登録年月日」がごく最近で、法人番号公表サイトにまだ載っていない会社は、設立準備中の可能性がある、ということです。これは怪しいのではなく、制度どおりの状態です。設立日と登記の関係は会社の設立年月日を調べる方法で書いたので、そちらと合わせて見てください。

手順:ドメインから登記上の会社名までたどる3ステップ

メールアドレスの@の右側、あるいはサイトのURLから、会社を確認する手順です。

ステップ1:ドメインの「種類」を見る

`www.example.co.jp` なら、最後の2つ(`example.co.jp`)が登録されたドメインです。`co.jp`で終わっていれば会社、`or.jp`なら非営利の法人、`ne.jp`ならネットワークサービス、それ以外の`.jp`は汎用JP(誰でも取れる)、`.com`や`.net`は日本の住所すら不要、という前提で読みます。

ここで一つ罠があります。`example.jp.net`や`example-co.jp`のように、「co.jp」に見せかけた別ドメインが作れます。`example-co.jp`は汎用JPで、誰でも取れます。区切りが「.」であることを必ず確認してください。

ステップ2:JPRS WHOISで名義を引く

JPRS WHOIS(whois.jprs.jp)にドメイン名を入れると、登録情報が出ます。実際にJPRS自身のドメインを引くと、co.jpの場合はこう返ってきます。

[組織名]が登記上の商号、[組織種別]が会社の種類、[登録年月日]がドメインを取った日です。ここで読み取った商号を、次のステップで照合します。

汎用JP(`jprs.jp`)を引くと項目名が変わり、`[登録者名] 株式会社日本レジストリサービス`と出ます。汎用JPでも名義は見えますが、こちらは「登記された会社」であることの裏付けにはなりません(個人でも団体でも同じ欄に名前が入る)。また、汎用JPや.com/.netでは、登録者情報を代理・非公開にするサービスが広く使われており、登録者名がドメイン業者の名前になっていたり、伏せられていたりすることがよくあります。 その場合は、この経路では会社名にたどれません。

ステップ3:商号を法人番号公表サイト・しょくばログで照合する

WHOISの[組織名]を、国税庁の法人番号公表サイトかしょくばログで検索します。同じ商号が出て、所在地がサイトの会社概要と一致すれば、ドメインの名義=登記された会社、まで確認できたことになります。法人番号の引き方は法人番号を会社名から検索する方法に書きました。

このとき合わせて見たいのが、WHOISの[登録年月日]と、法人の設立年・法人番号の指定年月日の関係です。設立から間もない会社が古いドメインを持っていれば、前身の会社か買い取ったドメインで、逆に古い会社がつい最近ドメインを取ったなら、サイトを作り直したか、そもそも別の何かかもしれません。どちらも「怪しい」と即断する材料ではなく、会社概要の説明と合っているかを見るための手がかりです。

なお、ドメインが確認できても「今も活動しているか」は別の問題です。登記が生きていて、ドメインも有効で、でも事業は止まっている——という会社は珍しくありません。実在と活動の切り分けは会社が実在するか確認する方法、営業実態の見方は会社の営業実態を確認する方法(幽霊会社を見分ける5サイン)で書いています。

うちのデータ:公式URLが取れている10万社のドメインを数えた

ここからが、この記事を書きたかった本題です。「co.jpでないから怪しい」がどれくらい的外れかを、数字で確かめます。

しょくばログのデータベースには、gBizINFO(経産省)の基本情報、介護事業所・障害福祉サービス事業所の公開情報、NPO法人ポータル、それにうちの巡回で拾った公式サイトのURLが入っています。公式URLが取れている法人は101,847社で、国税庁の法人台帳と突き合わせられた101,464社のドメインを分類しました(URLが不正で分類できなかったものは除いています)。

| ドメインの種類 | 社数 | 割合 | |---|---|---| | .com | 33,939 | 33.4% | | co.jp | 26,415 | 26.0% | | 汎用.jp | 19,567 | 19.3% | | or.jp | 7,154 | 7.1% | | .net | 3,611 | 3.6% | | .biz | 2,032 | 2.0% | | .org | 2,004 | 2.0% | | ne.jp | 1,767 | 1.7% | | その他 | 3,451 | 3.4% |

いちばん多いのは.comで、co.jpは4社に1社。 ただしこの母集団には医療法人・社会福祉法人・NPO法人が多く含まれるので(介護・福祉の公開情報がソースに入っているため)、法人の種類ごとに分けて見る必要があります。

法人の種類別:株式会社42%、有限会社16%、合同会社7%

| 法人の種類 | URLあり | co.jp | 汎用.jp | .com | or.jp | |---|---|---|---|---|---| | 株式会社 | 58,779 | 42.2% | 16.6% | 31.3% | 0.3% | | 有限会社 | 5,627 | 15.6% | 20.9% | 43.5% | 1.2% | | 合同会社 | 5,917 | 6.8% | 14.1% | 54.9% | 0.3% | | 合資会社 | 82 | 13.4% | 15.9% | 46.3% | 1.2% | | 医療法人 | 7,429 | 0.5% | 28.0% | 33.5% | 25.4% | | 社会福祉法人 | 11,403 | 0.6% | 27.3% | 25.6% | 29.4% | | 特定非営利活動法人 | 5,950 | 0.5% | 18.4% | 41.4% | 8.9%(.org 15.1%) | | 一般社団法人 | 2,525 | 1.1% | 17.0% | 46.7% | 14.9% | | 協同組合 | 510 | 1.2% | 18.4% | 13.5% | 46.5% |

はっきり傾向が出ます。

つまり、「.comの会社」は株式会社でも3社に1社、有限会社・合同会社なら最多勢力です。.comを理由に疑うと、日本の会社のかなりの部分を疑うことになります。

規模別:10人未満は30%、300人以上は71%

gBizINFOに従業員数があり、URLもある株式会社35,385社で、規模別にco.jpの割合を出しました。

| 従業員数 | 社数 | co.jpの割合 | |---|---|---| | 1〜9人 | 4,387 | 29.5% | | 10〜49人 | 9,873 | 45.4% | | 50〜99人 | 4,063 | 57.5% | | 100〜299人 | 9,415 | 66.0% | | 300〜999人 | 5,117 | 71.0% | | 1,000人以上 | 2,507 | 71.4% |

会社が大きくなるほどco.jpが増え、300人を超えると7割で頭打ちになります。1,000人以上でも71.4%で、大企業の3割近くは公式サイトがco.jp以外です。ブランド名の.comや.jpを表に出し、co.jpはメール用に持っている、という会社も多いはずで、この数字は「co.jpを持っていない」ではなく「公式サイトとして届け出たURLがco.jpでない」割合です。それでも、規模が小さい会社ほどco.jpを使っていないという傾向は動きません。10人未満の会社を「co.jpでないから」と弾くと、7割を落とします。会社の規模の見方は会社の規模を調べる方法に書きました。

地域別:東京60.6%、宮崎37.7%

同じ母集団(gBizINFO・株式会社)を都道府県別に見ると、URLありが200社以上ある都道府県で、co.jpの割合が高いのは東京都60.6%(8,758社)、富山県60.5%(506社)、香川県59.6%(302社)、大阪府59.6%(3,026社)、愛知県58.7%(2,250社)。低いのは宮崎県37.7%(223社)、大分県41.0%(251社)、鹿児島県42.0%(343社)でした。大都市圏の会社ほどco.jpが多いのは想像どおりですが、富山・香川が東京と並ぶのは意外でした。母集団はgBizINFOに登録している会社に偏るので、県ごとの「会社の性格」というより「gBizINFOに情報を出している会社の性格」を映している可能性はあります。

co.jpでも注意すること — 名義とページの会社は別のことがある

ここまで「co.jpは登記の裏付け」と書いてきましたが、うちのデータで実際にco.jpのURLを1つずつ見ていくと、ドメインの名義とそのページの会社が一致しないケースがまとまった数で出てきます。

グループ会社が1つのco.jpを共有している:717ドメイン

公式URLがco.jpだった法人のドメイン(登録された部分)を数えると、異なるドメインは24,872件。このうち24,155件は1法人だけが使っていますが、717件は2法人以上が同じco.jpを公式URLにしています(2法人が491件、3法人が100件、4法人が45件、5法人以上が81件)。

中身は、たとえば自動車メーカーの販売会社が本社のco.jp配下にそれぞれのページを持っているケース、グループ持株会社のドメインの下に事業会社が並ぶケース、電機メーカーのグループ会社・健康保険組合が本体のドメインを使うケース、信用金庫が業界共通のドメイン配下でサイトを持つケースなどです。これは「1組織1ドメイン」の規則と矛盾しません。ドメインの名義は親会社1社で、他の会社はその下のページを使っているだけだからです。

だから、WHOISで出てくる[組織名]は「ページの会社」ではなく「ドメインの名義」です。グループの子会社を調べているのに親会社名が出てきて「名前が違う」と慌てないこと。親子関係の確かめ方はグループ会社・親会社を調べる方法に書いています。

制作会社やポータルのco.jp配下のページ

co.jpが取れないはずの医療法人・社会福祉法人で、公式URLがco.jpになっている法人が108社ありました。中身を見ると、大半はウェブ制作会社のドメイン配下に作られたページ(社会福祉協議会などのサイトが制作会社の`www.〇〇.co.jp/…`の下にある)、それにYahoo!のco.jp配下の無料ページ(全法人で49社)です。この場合、WHOISの名義は制作会社やYahoo!で、ページの法人とは無関係です。

つまり、co.jpが登記の裏付けになるのは「そのドメインを自分の名義で持っている」場合だけで、他社のドメインの下に置かれたページは、ページの会社が実在する証拠にはなりません。

株式会社の2.8%は無料サービス・SNSのURLが「公式」

株式会社58,779社のうち、公式URLがJimdo・Wix・ペライチ・Googleサイト・FC2・Amebaオウンド・SNS(X・Facebook・Instagram)など、無料または簡易のサービス上にあるのは1,663社(2.8%)でした。自前ドメインを持たない会社は、この母集団(少なくとも公式URLを届け出るくらいの会社)では少数です。ただし、公式サイトが無い会社は母集団に入っていないので、「日本の会社の97%は自前ドメインを持っている」とは読めません。

「怪しい」と読んでいい組み合わせ

ドメインを1つ見て白黒はつきません。ただ、次の組み合わせは確認を増やす価値があります。

逆に言えば、co.jpで、WHOISの組織名と商号が一致し、法人番号公表サイトに載っていて、所在地が会社概要と合うなら、「登記された会社が、自分の名義でこのドメインを持っている」ところまでは確認できたことになります。そこから先の「ちゃんとした会社か」は、ドメインでは分かりません。

よくある質問

co.jpを持っていない会社は信用できないのですか

いいえ。うちのデータで株式会社の公式URLのうちco.jpは42.2%、有限会社は15.6%、合同会社は6.8%です。JPRSの統計でもco.jpの登録数は502,610件(2026年9月1日)で、活動中の会社4,460,963社の約11%にあたる数しかありません。co.jpを持たない会社のほうが多数派で、「持っていない」ことは何の材料にもなりません。

co.jpのドメインを持っていれば、その会社は実在すると言えますか

「そのドメインの名義の組織が、登録時点で日本国内に登記された会社であった」ことは言えます。JPRSの規則で、co.jpは登記した会社しか登録できず、1組織1つだからです。ただし①ページの会社がドメインの名義と別のこと(グループ共有・制作会社配下)がある、②今も活動しているかは別問題、の2点は残ります。WHOISで名義を確認し、法人番号公表サイトで照合し、活動状況は別に見る、の3段構えで使ってください。

.comや.jpのサイトでも、運営会社は調べられますか

汎用JP(〇〇.jp)はJPRS WHOISで[登録者名]が出ますが、個人でも団体でも登録できるので登記の裏付けにはなりません。.comは登録者情報が非公開になっていることが多く、WHOISからは会社名にたどれないケースが目立ちます。その場合はサイト内の会社概要・特定商取引法に基づく表記・プライバシーポリシーの事業者名から商号を拾って、法人番号公表サイトで照合します。会社名で検索しても出てこないときの考え方は会社名で検索しても出てこない理由と対処法に書いています。

医療法人やNPO法人がco.jpのサイトを持っているのは変ですか

医療法人・社会福祉法人・NPO法人は「会社」ではないので、自分の名義でco.jpは登録できません。うちのデータでこれらの法人の公式URLがco.jpになっていた108社を見ると、大半はウェブ制作会社のドメイン配下のページか、Yahoo!のco.jp配下の無料ページでした。変ではありませんが、そのco.jpはページの法人のものではない、ということです。法人本体のドメインはor.jp(医療法人25.4%・社会福祉法人29.4%)か汎用.jp、.comが中心です。

設立したばかりの会社で、ドメインの登録日が設立日より前になっています。おかしいですか

おかしくありません。co.jpには設立の6カ月前から使える「仮登録」の制度があり(JPRS規則 第21〜23条)、設立準備の段階でドメインを押さえておく会社は多いです。逆に、設立日よりずっと古いドメインなら、前身の会社から引き継いだか、買い取ったか、商号変更の可能性があります。登録日と設立日の前後そのものではなく、会社概要の説明と食い違っていないかを見てください。

まとめ

しょくばログでは、法人番号公表データにある全法人を、商号・所在地・法人の種類から検索できます。WHOISで拾った[組織名]をそのまま入れて、所在地と法人の種類が合うかを見てください。それが、ドメインから会社の実在を確かめる最後の1ステップです。

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

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