✍ 古家あきら | 2026-09-16 更新

プライバシーマーク・ISMSの取得企業を調べる方法 — ISOと違って公式の一括検索がある。付与事業者17,727社は活動中の会社の0.35%、55%が東京、41%が情報サービス業

先に結論です。プライバシーマーク(Pマーク)とISMS(ISO/IEC 27001)は、どちらも公式の一括検索があり、会社名を入れれば登録番号・有効期限・審査機関まで無料で確かめられます。 Pマークは付与機関のJIPDECが運営する「プライバシーマーク付与事業者検索」、ISMSは認定機関のISMS-ACが運営する「ISMS認証取得組織検索」です。2026年9月16日に両方を開いて確かめたところ、Pマークの付与事業者は17,727社、ISMSは登録8,687件・公表8,442件でした。

これは会社のISO認証を調べる方法で書いた「ISO 9001や14001は全部をまとめて引ける公的な窓口が無い」の、ちょうど裏側にあたります。求人票や会社概要で「ISO27001・Pマーク取得」と並べて書かれることが多いのですが、確かめる先は3つに分かれます。ISO 9001/14001は認証機関ごとの登録簿かJABの検索、ISO/IEC 27001はISMS-AC、PマークはJIPDEC。この記事はPマークを中心に、ISMSは前の記事の補足として書きます。

しょくばログという全国の会社データベースを運営していると、「会社概要にPマークのロゴがあるが本物か」「取引先候補がISMSを取っていると言うが今も有効か」という確認を、自分でもよくやります。公式の検索で確かめる手順と、JIPDECが公表している付与事業者の分布を、うちのデータと並べて書きます。

Pマークの付与事業者検索 — 会社名・都道府県・業種・登録番号・審査機関で絞れる

JIPDECの「プライバシーマーク付与事業者検索」(entity-search.jipdec.or.jp/pmark)は、2026年9月16日時点で付与事業者17,727社を載せています。検索の入口は2つで、「事業者情報から探す」と「登録番号から探す」です。

事業者情報から探す場合、条件はこうなっています。実際に画面を開いて確かめました。

検索結果に出る項目は、登録番号・枝番・事業者名・所在地・業種(中分類)・有効期限・審査機関の7つです。試しに都道府県を鳥取県だけにして検索すると22社が出て、1社ずつ「27000025 / 08 / 株式会社鳥取県情報センター / 鳥取市寺町 / 82 情報サービス・調査業 / 2027/03/01 / 中四国MS機構」のように並びます。会社名で「鳥取県情報センター」と入れても、同じ1社が出ました。

ここで覚えておくとよいのが枝番の意味です。JIPDECの注記に「枝番は、プライバシーマーク付与の回数を示す数字」とあります。Pマークの有効期間は2年間で、更新のたびに枝番が1つ増えるので、枝番08なら8回付与=おおむね15年前後続けて取得している会社、01なら初回付与ということです。会社概要に書かれた「第10820136(12)」のような番号は、8桁が登録番号、括弧の中が枝番です。

もう一つ、検索結果ページの冒頭に「有効期限を経過している事業者は、現在、審査中または事務手続き中の事業者です」とあります。つまり、有効期限が過ぎていても一覧に残っている会社は、更新の審査中で失効したわけではない、という読み方になります。逆に、一覧に出てこなければ、付与を受けていないか、合併・中止などで使用をやめた事業者です。

取消し・一時停止は「措置の状況」で別に公表される

付与の取消しや一時停止を受けた事業者は、検索とは別に、JIPDECの「措置の状況」ページに事業者名・所在地・登録番号・措置通知日・審査機関が載ります。2026年9月16日に開いたところ、取消し1件(措置通知日2025年10月1日)、一時停止0件でした。理由までは書かれていません。個人情報の漏えい事故があった会社を探す目的なら、このページより先に会社自身の公表と報道を当たるほうが早いです。

Pマークの付与事業者は17,788社。ゼロから27年で積み上がり、2025年度に初めて減った

JIPDECは「付与事業者数の詳細」として、推移・業種別・都道府県別の数字をPDFで半年ごとに公表しています。2026年3月31日時点の資料を読むと、付与事業者数は17,788社でした。「付与適格決定を受けた事業者から、合併、中止等によりマーク使用を中止した事業者を除く」数です。

年度末ごとの推移は、1998年度58社、2001年度321社、2004年度1,294社と来て、2005年度に3,656社、2006年度に7,347社と一気に増えます。2005年4月に個人情報保護法が全面施行された年です。その後は2010年度12,091社、2015年度14,755社、2020年度16,678社、2023年度17,681社、2024年度17,793社と増え続け、2025年度末(2026年3月)は17,788社で、資料に載っている28年分で初めて前年度を下回りました(5社減)。減り幅は小さいので「頭打ち」と読むのが妥当で、「減少に転じた」と言い切るには来年度の数字が要ります。

業種は「サービス業」が77%、その中の情報サービス・調査業が全体の41%

大分類で見ると、サービス業13,751社(77.3%)、製造業1,352社(7.6%)、卸売・小売業、飲食店1,000社(5.6%)、運輸・通信業767社(4.3%)、建設業321社(1.8%)、不動産業312社(1.8%)、金融・保険業263社(1.5%)、電気・ガス・熱供給・水道業22社(0.1%)です。JIPDECの分類は日本標準産業分類に基づく独自分類で、「運輸・通信業」「卸売・小売業、飲食店」という区切りは旧版の分類名です。

中分類の上位はこうです。

上位2つで全体の63.5%です。Pマークは「個人情報を預かって仕事をする業種」の制度だということが数字に出ています。逆に、一般飲食店3社、鉄道業1社、政府関係金融機関1社のように、取っている会社がほとんど無い業種もあります。応募先や取引先が製造業や建設業でPマークを持っていなくても、それは業界として普通です。

都道府県は東京が9,833社で55%。活動中の会社に対する割合で見ると東京は119社に1社

都道府県別は、東京都9,833社(55.3%)、大阪府1,697社(9.5%)、神奈川県827社(4.6%)、愛知県716社(4.0%)、福岡県564社(3.2%)、埼玉県470社(2.6%)の順で、少ないほうは鳥取県21社、青森県・和歌山県・高知県が各29社です。

うちのデータベースで分母を置いてみます。国税庁の法人番号公表データで登記が閉鎖されていない「活動中」の会社は5,028,697社です。Pマークの付与事業者17,727社は、その0.35%、およそ284社に1社にあたります。東京都は活動中1,170,518社に対して9,833社で0.84%(119社に1社)、大阪府は423,727社に対して1,697社で0.40%、鳥取県は17,435社に対して22社で0.13%です。東京に付与事業者が集まるのは、会社の数が多いだけでなく、会社あたりの取得率そのものが全国平均の2.4倍だからです。情報サービス業と事務代行業が東京に集中している構造が、そのまま出ています。

なお、この分母は法人番号を持つ法人すべて(株式会社だけでなく、一般社団法人・医療法人・NPO法人なども含む)なので、「会社の0.35%」というより「法人の0.35%」が正確です。

会社サイト32,838社で「プライバシーマーク」を書いているのは3.5%、登録番号まで書くのはその2割

しょくばログでは、会社の採用情報を集めるために会社サイトを巡回し、採用ページを中心にサイトのテキストを保存しています。2026年9月16日時点で保存があるのは32,838社分です。この中で「プライバシーマーク」「Pマーク」「JIS Q 15001」のいずれかの語が出てくる会社を数えました。取得している会社を数えたのではなく、サイトに書いている会社を数えたものです。

該当は1,158社、32,838社の3.5%でした。 このうち、「第10820136(12)」のように8桁の登録番号と括弧つきの枝番まで書いている会社は235社で、書いている会社の20.3%です。残りの8割はロゴや「プライバシーマーク取得」の文言だけで、番号がありません。番号が無い場合は、上の検索で会社名を入れて確かめることになります。「取得予定」「申請中」と書いていた会社は1社でした。

同じ32,838社で、「ISMS」「ISO/IEC 27001」「情報セキュリティマネジメントシステム」のいずれかを書いている会社は979社(3.0%)、Pマークと両方書いている会社は353社でした。前の記事で数えた「ISO/IEC 27001を規格番号つきで書いている742社」より多いのは、今回は「ISMS」の語だけの会社も数えているからです。

情報通信業は16.4%、建設・医療福祉は0.4%

業種別に「プライバシーマーク」を書いている割合を出すと、こうなりました。業種は登記の会社名と公的データから推定したもので、分類できない会社は除いています。

JIPDECの付与事業者分布と同じ形です。情報通信業だけが突出して、製造・建設・医療福祉は100社に1社以下。医療・福祉が0.4%というのは意外に見えるかもしれませんが、JIPDECの中分類でも医療業30社・社会保険、社会福祉78社しかなく、医療機関は個人情報保護法とは別に厚生労働省のガイダンスで個人情報を扱う体制が求められているので、Pマークという形で外に示す文化が薄い、と読んでいます。

従業員規模では50〜99人が4.7%で最多、10人未満は1.1%

同じ1,158社を、gBizINFOの従業員数が紐づく会社に限って規模で区切ると、書いている割合はこうです。

Pマークの申請資格には「社会保険・労働保険に加入している正社員または役員が2名以上」という条件があり(個人情報保護管理者と監査責任者を別の人にするため)、それ以前に定期の内部監査と2年ごとの更新審査を回す人手が要ります。10人未満で1.1%というのはその反映です。50〜299人の帯がいちばん高く、300人以上で少し下がる形は、ISOを書いている割合とほぼ同じでした。

都道府県では、東京都の会社が8,747社中639社(7.3%)、大阪府が3,160社中130社(4.1%)、神奈川県が1,615社中55社(3.4%)、愛知県が2,412社中53社(2.2%)で、JIPDECの都道府県分布と同じく東京が突出しています。

ISMSはISMS-ACの検索で。Pマークとの違いは「法人単位」か「範囲単位」か

ISO/IEC 27001(ISMS)の確認先は、ISMS-AC(情報マネジメントシステム認定センター)の「ISMS認証取得組織検索」です。2026年9月16日時点で登録8,687件・公表8,442件、認証機関・都道府県・組織名・部門名・登録範囲・認証登録番号で絞り込めます。登録と公表の差は、公表に同意していない組織の分です。

Pマークと並べたときの違いは2つあります。

ISO 9001・14001との違い、JABやIAF CertSearchの使い方は、会社のISO認証を調べる方法に書いています。

求人票・会社概要の「Pマーク取得」をどう読むか

会社を調べる側として、うちはこう見ています。

Pマークが「あるから安全」というものでもありません。措置の状況に2026年9月時点で載っている取消しは1件だけですが、漏えい事故は付与事業者でも起きます。Pマークが示すのは「JIS Q 15001に沿った個人情報の管理体制を作り、2年ごとに第三者の審査を受けている」ことまでです。会社の他の認定マークと合わせて読むときは、企業の認定マーク一覧を、取引先として確かめる項目全体は新規取引先を確認する項目を見てください。

会社名で検索して出てこないときは、法人格や表記のゆれで別名になっていることがあります。会社名で検索しても出てこない理由にまとめた確かめ方は、JIPDECの検索でも同じです。会社名から法人番号を引いて正式な商号を確かめるのは法人番号の調べ方に書いています。

よくある質問

プライバシーマークの検索は無料ですか。会員登録は要りますか

無料で、登録も不要です。JIPDECの「プライバシーマーク付与事業者検索」をブラウザで開いて、会社名か登録番号を入れるだけです。事業者名称は全角で入力するよう案内されています。ISMS-ACの「ISMS認証取得組織検索」も同じく無料・登録不要です。

検索で出てきた会社の有効期限が過ぎていました。失効しているのですか

一覧に残っていれば、失効ではありません。JIPDECの検索ページに「有効期限を経過している事業者は、現在、審査中または事務手続き中の事業者です」とあります。更新申請は有効期限の8か月前から4か月前の間に出す決まりで、審査が期限をまたぐことがあります。付与を取り消された事業者は一覧から外れ、「措置の状況」に載ります。

会社概要の「第XXXXXXXX(NN)」という番号は何ですか

Pマークの登録番号と枝番です。8桁が登録番号、括弧内の2桁が枝番で、枝番は付与の回数です。有効期間は2年なので、枝番05なら5回目の付与=およそ8〜10年続けて取得していることになります。「登録番号から探す」にこの8桁と枝番を入れれば、会社名の表記ゆれに関係なく探せます。

Pマークを持っていない会社は個人情報の管理が甘いのですか

そうとは言えません。JIPDECの付与事業者17,788社のうち、情報サービス・調査業が7,352社、その他の事業サービス業が3,957社で、この2業種で63.5%を占めます。製造業は1,352社、建設業は321社、医療業は30社です。うちが保存している会社サイト32,838社でも、プライバシーマークを書いているのは情報通信業16.4%に対して建設業・医療福祉は0.4%でした。個人情報を預かって仕事をする業種以外では、取っていないのが普通です。

ISMSとPマークは両方取る必要がありますか。どちらが上ですか

対象が違うので上下ではありません。Pマークは個人情報の保護に特化した日本の制度(JIS Q 15001)で法人単位、ISMSは個人情報に限らない情報資産全般の管理の国際規格(ISO/IEC 27001)で登録範囲単位です。うちの会社サイトの集計では、Pマークを書いている1,158社のうちISMSも書いているのは353社(30.5%)でした。取引の中身が個人情報の受託ならPマーク、システムの運用委託ならISMSの登録範囲、というように、預けるものに合わせて見る認証を選びます。

まとめ

出典:一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)「プライバシーマーク付与事業者検索」(2026年9月16日閲覧・付与事業者17,727社・検索条件と結果項目・注記)/同「プライバシーマーク付与事業者情報(2026年3月31日時点)」PDF(付与事業者数の推移1998〜2025年度・業種別大分類/中分類・都道府県別)/同「措置の状況」(2026年9月16日閲覧・取消し1件・一時停止0件)/同「申請資格」(法人単位・社会保険・労働保険加入の正社員または役員2名以上・欠格事由)/同「更新申請」(有効期限の8か月前から4か月前)/同「プライバシーマーク制度とは」(有効期間2年・JIS Q 15001・審査機関19機関)/情報マネジメントシステム認定センター(ISMS-AC)「ISMS認証取得組織検索」(2026年9月16日時点・登録8,687件・公表8,442件)/しょくばログ 会社データベース(国税庁法人番号公表データ・活動中5,028,697社・都道府県別・2026年9月16日時点)/しょくばログ 会社サイト保存データ32,838社(プライバシーマーク・ISMS関連語の出現・2026年9月16日集計)・gBizINFO法人基本情報(従業員数)

古家あきら
全国の会社データベース「しょくばログ」を運営しています。会社の登記・求人・クチコミのデータと毎日向き合う中で気づいた“会社の調べ方”を、現場の目線で書いています。

← お役立ち記事一覧へ